Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900284(T2010−900284/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5329052号商標(以下「本件商標」という。)は、「EARTH SPA」の文字を標準文字で表してなり、平成21年11月9日に登録出願、第3類「化粧品,シャンプー,ヘアトリートメント,ボディローション,ボディソープ,ミスト状のアロマオイル,せっけん類,香料類」を指定商品として、平成22年5月18日に登録査定、同年6月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、下記に示す登録商標と類似する商標である。また、本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名商標「アース」、「EARTH」との関係で、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
記
登録第369817号商標は、「アース」の文字を縦書きしてなり、昭和21年9月27日に登録出願、商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和22年10月7日に設定登録され、その後、昭和43年1月23日、昭和53年5月10日、昭和62年11月17日、平成9年6月3日及び平成19年7月24日の5回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成20年1月23日に、指定商品を第3類「歯磨き,粉歯磨き,練り歯磨き,水歯磨き,洗い粉,洗いぬか,洗い液」とする指定商品の書換の登録がされたものである。
加えて、「アース」、「EARTH」、「Earth」の文字をその構成中に有する登録第369818号商標、同第1085293号商標、同第1380942号商標、同第1380943号商標、同第1611673号商標、同第1668872号商標、同第1668873号商標、同第1668874号商標、同第2169482号商標、同第2488151号商標、同第3234062号商標、同第4061824号商標、同第4379138号商標、同第4379139号商標、同第4387731号商標、同第4409284号商標、同第4409285号商標、同第4425222号商標、同第4445610号商標、同第4445611号商標、同第4454745号商標、同第4556142号商標、同第4685834号商標及び「円形の世界地図を表した図形」よりなる登録第1365189号商標は、いずれも願書に記載したとおりの構成よりなり、その指定商品、登録出願日及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりである。(前記登録商標は、いずれも現に有効に存続しているものである。これらの商標をまとめて、以下「引用商標」という。)。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「EARTH SPA」の文字を標準文字で表してなるところ、これらの文字は、いずれも同一の書体をもって外観上まとまりよく表されているばかりでなく、構成文字全体から生ずると認められる「アーススパ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標を構成する「EARTH」の文字は、「地球、大地」などを意味する英語として、同じく「SPA」の文字は、「温泉」などを意味する英語として、いずれも我が国の国民の間でよく知られているものであるから、本件商標全体として、「地球又は大地の温泉」程の意味合いが想起されるものである。
そうすると、本件商標は、「EARTH」の文字部分と「SPA」の文字部分との間に軽重の差は見出せないから、これに接する需要者が「EARTH」の文字部分のみに印象付けられるとみることはできない。
してみると、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標を表したものと理解されるというのが相当であるから、その構成文字に相応して「アーススパ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「地球又は大地の温泉」程の観念を生ずるものというのが相当である。
したがって、本件商標よりその構成中の「EARTH」の文字部分のみを分離、抽出し、本件商標と引用商標とが類似の商標である旨の申立人の主張は、採用することができない。
その他、本件商標と引用商標とを類似の商標とみるべき特段の理由は見出せない。
以上によれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人は、「アース」、「EARTH」の文字よりなる商標(以下「申立人商標」という。)は、申立人の業務に係る商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、周知、著名であった旨主張し、さらに、申立人は、「バスロマン」ブランドを軸に入浴剤市場に広く参入しているから、本件商標をその指定商品について使用するときは、需要者が申立人と何らかの関連性があるかのように認識し、商品の出所について混同を生ずるおそれがある旨主張する。
申立人の提出した甲第2号証ないし甲第6号証を総合すれば、申立人商標は、申立人の業務に係る商品「殺虫剤」について使用される商標として、該商品の分野において、本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されていたと推認することができる。
しかし、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、商標において非類似の商標であるから、これと同様に、本件商標は、申立人商標とも非類似の商標というべきである。
また、申立人商標が使用される「殺虫剤」と本件商標の指定商品とは、商品の用途、品質、効能等において大きく異なるばかりでなく、商品の流通系統、販売場所等をも異にする場合が多い非類似の商品というのが相当である。
さらに、「EARTH/2010 ALL PRODUCT CATALOGUE」(甲第28号証)及び「『入浴剤』TV露出量調査レポート(調査期間:2005/01/01−2010/04/30 関東・関西・名古屋)」(甲第29号証)によれば、申立人は、その業務に係る商品「入浴剤」について、「バスロマン」の文字よりなる商標を使用し、宣伝、広告をしている事実を認めることができるが、申立人商標が、入浴剤について、「バスロマン」の文字と同時に使用されている事実を明らかにする証拠は、見出せない。
したがって、申立人商標が、申立人の業務に係る商品「入浴剤」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
以上によれば、本件商標に接する需要者は、申立人商標を想起又は連想することはないというべきであって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
なお、申立人は、審査例(甲第31号証ないし甲第34号証)を挙げて、申立人商標の著名性を立証するが、申立人の挙げる審査例における出願に係る商標と本件商標とは、商標の構成、称呼などが異なるものであるから、前記審査例の判断が、そのまま本件に当てはまるものではなく、本件の判断を左右するものではない。
したがって、本件商標が、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するとする申立人の主張は、理由がない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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