Trademark Appeal Case
周知商標と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900105(T2009−900105/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5187349号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年8月24日に登録出願、第3類「フィジー共和国製のココナッツオイルを使用したせっけん,フィジー共和国製のシャンプー,フィジー共和国製のコンディショナー,フィジー共和国製のクリーム,フィジー共和国製の入浴剤(薬用のものを除く。),フィジー共和国製のボディーローション,フィジー共和国製のボディ用せっけん,フィジー共和国製のスクラブ剤を配合したボディ用洗浄料,フィジー共和製の日焼け用後の肌の手入れ用ジェル状化粧品」を指定商品として、同20年10月30日に登録査定、同年12月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人は、フィジー諸島共和国に所在する法人であり、1995年に設立されたSandollars Fiji Ltd.の輸出部門として2000年に設立され、その設立当初から現在に至るまで、例えば、シャンプー、コンディショナー、ヘアケア化粧品、バスソープ、バスファーム、せっけん類、化粧用ローション、スキンローション、ボディオイル及びバスオイルなどの各種商品の製造・販売を行っており、上記各商品には、別掲(2)のとおりの構成からなる商標(以下「引用商標」という。)が使用されている。
(2)引用商標の著名性
申立人たるピュアフィジー社、ピュアフィジーブランドたる引用商標及びその製品は、ピュアフィジーブランドが立ち上がった年以降、随時、現在に至るまで、世界各国で広く一般に知られた各種雑誌やオンラインページ、フィジー諸島共和国内での著名なオンラインページなど各種メディアにおいて紹介されたり、世界的に著名な人物を介して宣伝がなされている。このため、引用商標は、本件商標に係る商標登録出願がなされた2007年8月24日には遅くとも、一般需要者及び取引者にとって、世界的に周知著名となっており、かつ、現在も周知著名性を有しているといえるものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、申立人の商標として、世界的に広く知られており、本件商標は引用商標と同一又は類似であって、本件商標に係る指定商品は、引用商標が使用されている商品と抵触するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として、世界的に広く知られており、これと同一又は類似である本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(5)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、申立人の商標として、世界的に広く知られており、これと同一又は類似である本件商標が不正の目的をもって使用されるものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
(6)商標法第4条第1項第7号について
引用商標は、申立人によって案出されたデザインであって、本件商標と一致するものであるため、本件商標の登録が維持されるとすれば、公正な取引が害され、公序又は良俗が害されるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
3 取消理由通知
当審において、平成21年12月16日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。
(1)申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人は、フィジー諸島共和国において、1995年に設立されたSandollars Fiji Ltd.の輸出部門として2000年に設立され、その設立当初から現在に至るまでに、芳香性石けん、ボディオイル、ローション、クリーム、シャンプー、コンディショナー、バスジェル等の商品の製造・販売を行っており、上記各商品には、別掲(2)のとおりの構成からなる引用商標が使用されている(甲第2号証の1ないし4)。
イ 引用商標を付した上記商品は、2005年9月に「TIME」誌において紹介されたほか、2003年から2005年の間に、例えば「LUCKY」、「ELLE」、「spa」、「Parents」、「SHOP」、「pacific」、「VOGUE」、「Eonline」、「BAZAR」、「COSMOPOLITAN」、「inTouch」等の主として米国で発行された各種雑誌に紹介された(甲第4号証の1)。さらに、2007年及び2008年においても、例えば「Spa」、「OK!」、「Professional Beauty」、「SHOP」、「Style」、「NewIdea」、「Scratch」、「GQ」、「BRIDE」、「FijiTimes」、「COSMOPOLITAN」等の各種雑誌に紹介され、これらの雑誌には英国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国等で発行されたものも含まれている(甲第4号証の7)。
ウ 申立人は、1997年以来、フィジー諸島共和国や米国における各種の賞を毎年受賞しており(甲第4号証の1及び2)、2006年7月には英国のアン王女の訪問を受けた(甲第4号証の3)。また、引用商標を使用した申立人の商品は、エミー賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞、エルトンジョンのチャリティイベント、USテニスオープン等に利用されている(甲第4号証の3)。
エ 申立人及び引用商標を使用した申立人の商品は、フィジー諸島共和国政府のウェブサイトや「Fiji Times」のオンライン版においても度々紹介されている(甲第4号証の5及び6)。
オ 商標権者は、「フランジパニ(Frangipani)」の名称で輸入雑貨店(インターネットショップ)を運営し申立人の商品を取り扱っているほか、申立人関係者と電子メールにてコンタクトしたことがうかがわれ、本件商標の登録出願前の2007年8月2日には、商標権者は申立人から資格を得た販売者ではないこと、商標権者の所有する商品は再販売するためのものでないこと、及び商標権者のインターネットショップから引用商標を取り除くべきことを内容とする電子メールが申立人から送付されている(甲第5号証の1ないし3)。
(2)前記(1)の認定事実によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「芳香性石けん、ボディオイル、ローション、クリーム、シャンプー、コンディショナー、バスジェル等」について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に、フィジー諸島共和国、米国等において取引者、需要者の間に広く認識されていたものというべきである。
そして、本件商標は、引用商標と酷似すること明らかであり、その指定商品も引用商標が使用されている商品と共通すること、また、商標権者は自己が運営するインターネットショップで申立人の商品を取り扱っているところ、本件商標の登録出願前に、申立人関係者と電子メールにてコンタクトしたが、商標権者は同関係者から警告(商標権者は申立人から資格を得た販売者ではないこと、商標権者の所有する商品は再販売するためのものでないこと、及び商標権者のインターネットショップから引用商標を取り除くべきこと)を受けていたこと、さらに、その警告直後に本件商標を登録出願していること、などを併せ考慮すると、商標権者は、申立人の存在及び引用商標がフィジー諸島共和国、米国等において周知な商標となっていることを知りながら、引用商標が我が国において登録されていないことを奇貨として、本件商標を自ら使用することによって不正の利益を得るために本件商標の登録出願をし、その登録を受けたものと判断するのが相当であるから、これは不正の目的をもって使用するものというべきである。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
4 商標権者の意見
上記の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。
5 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録したといわざるを得ないから、他の申立ての理由について論及するまでもなく、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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