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Trademark Appeal Case

称呼類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900119(T2010−900119/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5298526号商標の指定役務中、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5298526号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成19年6月29日に登録出願、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の本件登録異議の申立てに係る指定役務ほか、第35類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同21年11月26日に登録審決、平成22年2月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標登録は、次の(1)ないし(4)のとおりであり、いずれの登録商標も有効に存続している(以下、纏めていうときは「引用商標」という。)。

(1)登録第4538931号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ドラッグイレブン」の文字を横書きしてなり、平成13年3月5日に登録出願、別掲のとおりの指定商品及び指定役務として、平成14年1月25日に設定登録されたものである。

(3)登録第4900996号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ドラッグイレブンダイエットゼリー」の文字を標準文字で表してなり、平成17年2月4日に登録出願、第29類「ゼリー状の食用油脂,ゼリー状の乳製品,ゼリー状の加工野菜及び加工果実,ゼリー状の豆乳,ゼリー状のカレー・シチュー又はスープのもと,野菜・果実・豆類・乳製品を主原料とするゼリー状の加工食品」を指定商品として、平成17年10月14日に設定登録されたものである。

(4)登録第4900997号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ドラッグイレブンエネルギーゼリー」の文字を標準文字で表してなり、平成17年2月4日に登録出願、第29類「ゼリー状の食用油脂,ゼリー状の乳製品,ゼリー状の加工野菜及び加工果実,ゼリー状の豆乳,ゼリー状のカレー・シチュー又はスープのもと,野菜・果実・豆類・乳製品を主原料とするゼリー状の加工食品」を指定商品として、平成17年10月14日に設定登録されたものである。

3 本件登録異議の申立ての理由の要旨

申立人は、「本件商標は、欧文字部分から『ドラッグイレブン』の称呼が生じる。これに対し引用商標は、『ドラッグイレブン』の文字部分から『ドラッグイレブン』の称呼が生じるので、本件商標と引用商標は、『ドラッグイレブン』の称呼を共通にする類似の商標である。また、本件商標と引用商標は、その一部の指定商品(指定役務)も同一又は類似のものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。よって、本件商標の登録は、その一部の指定役務について取り消されるべきものである。」旨申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。

4 本件商標に対する取消理由

当審において、登録異議の申立てに基づき、平成22年10月1日付けで商標権者に対して通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。

(1)本件商標は、別掲のとおり、緑色に彩色されたカプセル状の図形中に数字の「11」を顕著に表した図形部分と、左右端の長さを揃え、かつ、同色の橙色に彩色した「DRUG」と「ELEVEN」の同書体の欧文字をバランス良く、該図形を介して二段に横書きした構成からなるものである。

してみると、本件商標中の同書体・同色でバランス良く配された「DRUG」と「ELEVEN」の欧文字部分と図案部分とは、視覚ないし観念的な強い繋がりもなく、これらを常に一体の標章としてのみ把握されて商取引に資されるものというべき格別の理由も見出せないから、それぞれの部分が独立しても自他商品の識別標識としての機能を果たすものということができる。

そうすると、本件商標は、その構成中の「くすり、薬剤」等を意味する一般に馴染まれた英単語「DRUG」と、同じく「基数の11」の意味を表す英単語「ELEVEN」の欧文字により構成される当該文字部分より、「ドラッグイレブン」の称呼を生ずるものである。

また、両語は結合して熟語的な意味合いを生じるものとはいえないとしても、上記したそれぞれの意味は容易に認識できるものであり、「くすりの11番」程の意味合いを想起させるものである。

(2)他方、引用商標1は、「ドラッグイレブン」の片仮名からなるものであり、「ドラッグイレブン」の称呼が生じ、上記と同様に熟語的な意味合いは生じないとしても、「ドラッグ」が「くすり、薬剤」等を、「イレブン」が「基数の11」の意味を有する外来語としてそれぞれ馴染まれた語となっていることから、「くすりの11番」程の意味合いを想起させるが、直ちに特定の観念を生ずるとまではいえない。

また、引用商標2は「ドラッグイレブンアミノゼリー」、引用商標3は「ドラッグイレブンダイエットゼリー」及び引用商標4は「ドラッグイレブンエネルギーゼリー」の片仮名からなるものであるところ、それぞれより生ずる全体称呼は、一連に称呼するにはやや冗長であるのみならず、引用商標2における構成後半の「アミノゼリー」の文字部分は「アミノ酸を配合したゼリー」程を、引用商標3における構成後半の「ダイエットゼリー」の文字部分は「ダイエット用のゼリー」程を、及び引用商標4における構成後半の「エネルギーゼリー」の文字部分は「エネルギー補給用のゼリー」程の意味合いをそれぞれに想起するといえるものであり、引用商標2ないし4の構成中「ドラッグイレブン」に続く後半の「アミノゼリー」、「ダイエットゼリー」及び「エネルギーゼリー」の文字部分は、単に商品の品質、用途等を表示したものとして理解されるから、自他商品の識別力の極めて弱い語として把握されるというのが相当である。

してみれば、引用商標2ないし4は、「ドラッグイレブン」の文字部分が自他商品の識別標識として認識されて、これを分離・抽出して商取引に資されるものということができるから、引用商標1と同様に、それぞれ「ドラッグイレブン」の称呼が生じ、また、「くすりの11番」程の意味合いを想起させるが、直ちに特定の観念を生ずるとまではいえない。

(3)そうすると、本件商標と引用商標とは、その自他役務及び自他商品の識別標識として機能する文字部分において、馴染まれた英単語による欧文字表記とその外来語による片仮名表記との差があるに過ぎず、当然に両者から生じる「ドラッグイレブン」の称呼を共通にするものであって、また、「くすりの11番」程の意味合いを同じくするものであるから、両者は類似の商標と判断すべきである。

(4)本件商標の指定役務と引用商標の指定商品との類否

本件商標の指定役務中、登録異議の申立てに係る指定役務第35類と引用商標の指定商品とは、役務の提供と商品の製造・販売が同一事業者によって行われることが一般的であり、役務の提供場所と商品の販売場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、類似する関係にあり、当該関係にある範囲内で本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とは、類似するものとみるのが相当である。

(5)むすび

以上のとおりであるから、登録異議の申立てに係る指定役務、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認める。

5 商標権者の意見の要旨

(1)本件商標と引用商標との対比

本件商標は、アラビア数字「11」を顕著に表示したカプセル状の長円形よりなる図形と、この図形部分の上に「DRUG」の欧文字を、その下に「ELEVEN」の欧文字をそれぞれ横書きしたものである。この構成中、図形部分は、その特異な形態及び彩色から、視覚上部文字部分から分離して、本件商標に接する需要者が最も着目して明確に看取する部分と言うべきである。また、本件商標の構成中「ELEVEN」の文字部分は、図形部分のカプセル状長円形の中に表示された数字「11」の読みを表したもので、「イレブン」と称呼されることは一般によく知られている。

他方、「DRUG」の文字部分は、一般に「薬剤、薬品、衛生用品」等の意味を有する英単語であり、指定役務おいその内容、品質を表示するものであるから、自他役務又は商品の識別標識としての機能を果たしていないとみるべきである。

しかも、「DRUG」の文字部分は、視覚上最も顕著に表せた図形部分を挟んで「ELEVEN」の文字部分から分離して配置され、これらを一体不可分に把握しなければならない特段の事情はない。

してみれば、本件商標中、自他役務標識として機能を果たしているのは、数字「11」を顕著に表示した図形部分と「ELEVEN」の文字部分にあるというべきで、単に「イレブン」の称呼生じるものである。

これに対して、引用商標1は、「ドラッグイレブン」の片仮名文字からなるもので、「ドラッグイレブン」の称呼のみを生じるものと認められる。

そうとすれば、本件商標は「イレブン」の称呼のみを生じるから、引用商標1とは明確に識別し得るものである。

引用商標2ないし4についても、同様に本件商標は明確に識別し得るものである。

(2)以上述べたように、本件商標は、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても引用商標に対して十分な自他役務識別力を有する非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、本件商標の登録は維持されるべきである。

6 当審の判断

(1)本件商標についてした前記4の取消理由は妥当なものであって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)なお、商標権者は、前記5のとおり、「本件商標は、『DRUG』の文字部分は、一般に『薬剤、薬品、衛生用品』等の意味を有する英単語であり、指定役務おいその内容、品質を表示するものであるから、自他役務又は商品の識別標識としての機能を果たしていないとみるべきである。しかも、『DRUG』の文字部分は、視覚上最も顕著に表せた図形部分を挟んで『ELEVEN』の文字部分から分離して配置され、これらを一体不可分に把握しなければならない特段の事情はない。してみれば、本件商標中、自他役務標識として機能を果たしているのは、数字『11』を顕著に表示した図形部分と『ELEVEN』の文字部分にあるというべきで、単に『イレブン』の称呼を生じるものである。」と述べ、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観上非類似である旨主張する。

しかしながら、実際の商取引では、商標構成中の文字部分に着目し、そこから生ずる称呼をもって取引に当たる場合も少なくないものであり、本件商標構成中の「DRUG」の文字と「ELEVEN」の文字とがカプセル状の図形部分を挟んで、同色でバランス良く配してなるものであり、より近接した印象を与えるものである。

加えて、「DRUG ELEVEN」の文字からは、「くすりの11番」程の一連の意味合いを想起させるものであるから、本件商標は、構成文字全体から生ずる「ドラッグイレブン」の称呼をもって、取引に資されると判断するのが相当である。

したがって、本件商標からは、「ドラッグイレブン」の称呼を生ずるものと認められるから、本件商標から「イレブン」の称呼のみを生ずることを前提として、本件商標と引用商標とが、称呼、観念及び外観のいずれにおいても非類似であるとする商標権者の主張は失当であるといわざるを得ない。

(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認められるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その指定役務中「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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