sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼類似と外観・観念の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−20242(T2009−20242/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「旬香」の文字を標準文字で表してなり、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与」を指定役務として、平成20年6月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、登録第3026296号商標(以下『引用商標』という。)と『シュンカ』の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

そして、引用商標は、別掲に示すとおり、青字で「旬花」の文字を書してなり、平成4年9月16日に登録出願、第42類「定食を主とする飲食物の提供(一般食堂が提供するもの),アルコ―ル飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同7年2月28日に特例商標として設定登録され、その後、同16年10月12日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否について

本願商標は、「旬香」の文字を書してなるところ、その構成中の「旬」の文字は、「魚介・野菜・果物などがよくとれて味の最もよい時。」等を意味する語であって、「シュン」と称される語であり、また、構成中の「香」の文字は、「よいにおい(がする)。かおり。」等を意味する語であり、「カ」と称される語であるから、前記「旬」と「香」を結合した本願商標は、「シュンカ」の称呼を生ずるものである。

そして、「旬」及び「香」の文字が、前記の意味合いを有するものであるとしても、これらの文字を結合した「旬香」の文字は、広辞苑等の国語辞典をみても、特定の意味合いを有する語として、掲載されていないことから、特定の観念を有するとはいえないものである。

他方、引用商標は、別掲に示すとおり、「旬花」の文字を書してなるところ、その構成中の「旬」は、前述のとおり、「魚介・野菜・果物などがよくとれて味の最もよい時。」等を意味する語で、「シュン」と称され、また、構成中の「花」は、「草木の、はな。」等を意味する語であり、「カ」と称される語であるから、前記「旬」と「花」を結合した引用商標は、「シュンカ」の称呼を生ずるものである。

そして、「旬」及び「花」の文字が、前記の意味合いを有するものであるとしても、これらの文字を結合した「旬花」の文字は、広辞苑等の国語辞典をみても、特定の意味合いを有する語として、掲載されていないことから、特定の観念を有するとはいえないものである。

そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両者は、共に特定の意味合いを看取させないものであるから、観念において比較することはできないものであるが、「シュンカ」の称呼を共通にするものである。

また、本願商標「旬香」と引用商標「旬花」とは、外観上、同一のものとはいえないものの、共に、漢字2文字で構成され、かつ、語頭の「旬」の漢字を共通にすることから、外観において、近似した印象を与えるものである。

してみると、本願商標と引用商標とは、共に、特定の観念が生じないことから、観念については、比較できないものであるとしても、外観において近似し、かつ、「シュンカ」の称呼を共通にする類似の商標であって、本願商標の指定役務中の「飲食物の提供」と引用商標の指定役務とは、同一又は類似の役務であるから、本願商標を指定役務中の「飲食物の提供」に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(2)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について

ア 請求人は、「商標の類否判断において、各商標の有する称呼のみならず、外観及び観念のそれぞれの判断要素も『総合的に』考察しなければならない。本願商標と引用商標の類否を検討すると、称呼については、いずれも『シュンカ』なる称呼を生ずる点では両商標は共通しているが、本願商標が、『さかなや野菜などの一番味のいいときのものの香り」なる観念を生じ、引用商標は、『いい時機の花』なる観念を生じることから、両商標は、互いに全く異なった観念を生じる。また、外観については、両商標は『旬』の文字については共通にするものの、残りの一文字については『香』と『花』で全く異なり、しかも本願商標は一般的な標準文字によるのに対し、引用商標は筆書き風の、流れるような書体で文字全体を表してなるものであるから、両商標は外観上、著しい差異を有する。このように、本願商標と引用商標は、称呼において共通するとしても、観念、外観において明らかな差異を有し、かかる差異により取引者・需要者に与える観念上・外観上の印象・記憶・連想等が、称呼の類似性を凌駕する程度に著しく異なるものであることは、明らかである。したがって、本願商標と引用商標とは、互いに類似しない、非類似の商標である。」旨主張する。

しかしながら、「旬」の文字が、「魚介・野菜・果物などがよくとれて味の最もよい時。」等を意味し、「香」の文字が、「よいにおい(がする)。かおり。」を意味するとしても、これらを結合した「旬香」は、特定の意味合いを有する語としては認められないことから、請求人が主張する「さかなや野菜などの一番味のいいときのものの香り」の観念を有するものとはいえず、同様に、引用商標「旬花」が、「いい時機の花」のような観念を生ずるものとはいえない。

また、本願商標「旬香」と引用商標「旬花」とは、外観上、同一のものとはいえないものの、共に、漢字2文字で構成され、かつ、語頭の「旬」の漢字を共通にすることから、外観において、近似した印象を与えるものであるといえる。

してみれば、本願商標と引用商標とが、「称呼の類似性を凌駕する程度に著しく異なるもの」であるとは認め難いものである。

さらに、知的財産高等裁判所平成22年(行ケ)10150号判決(判決日 平成22年8月19日)において「本願商標と引用商標の共通の指定役務である『飲食物の提供』の分野において,称呼が極めて重要であることは自明であるから,本願商標と引用商標の類否を判断する上で,外観及び観念の果たす役割を軽視するものではないが,称呼の果たす役割が非常に大きいことは否定できない。」旨判示されていることからすると、本願商標と引用商標において、共通する指定役務である「飲食物の提供」の分野において、称呼が重要であることは自明であり、殊更に、称呼を軽視しなければならない事情は認め難い。

そうすると、本願商標と引用商標とは、「シュンカ」の称呼を共通にし、外観において近似した印象を与えるものであるから、類似する商標と判断するのが相当である。

したがって、請求人の前記主張は、採用することはできない。

イ 請求人は、過去の登録例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張する。

しかしながら、出願された商標の登録の適否の判断は、その案件毎に行うものであり、過去の登録例等にに拘束されるべき事情はない。

さらに、該審決例等は、商標の構成態様等において本願とは事案を異にするものといえ、該登録例等の存在をもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切とはいえない。

よって、請求人のかかる主張も採用することができない。

ウ その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

(3)まとめ

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。