sokuhyo弁理士法人WATT 監修

A判定なら印紙代込み全額返金

結論

勝訴(請求認容)

商標「ボイル乾燥」の矛盾語結合商標の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2010−13919(T2010−13919/J1))

審判番号
不服2010−13919(T2010−13919/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「ボイル乾燥」
争点(論点)
矛盾語結合商標の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2010−13919(T2010−13919/J1)・不服)は、本件商標「ボイル乾燥」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「矛盾語結合商標の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ボイル乾燥」の文字を標準文字で表してなり、第11類「乾燥装置」及び第31類「飼料」を指定商品とし、平成21年7月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『ボイル乾燥』と標準文字で書してなるところ、ウェブサイトの掲載によれば、本願指定商品を取り扱う業界において、『高温の蒸気で乾燥させる方法』程の意味合いで『ボイル乾燥』の文字が使用され、『ボイル乾燥を行うための装置』や『ボイル乾燥方式によって作られた飼料』等が製造・利用されている実情がある。そうとすると、本願商標は、『ボイル乾燥方式』程の意味合いを認識するにとどまり、これをその指定商品しても、これに接する取引者・需要者は『ボイル乾燥装置,ボイル乾燥方式によって作られた飼料』であることを理解するにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり「ボイル乾燥」の文字よりなるところ、その構成中「ボイル」の文字は、「沸かすこと。ゆでること。煮沸。」(広辞苑第5版)を意味する語であり、「乾燥」の文字は、「湿気や水分がなくなること。また、なくすこと。かわくこと。」(同)を意味する語であるから、上記両語からなるものと看取させるものといえる。

しかしながら、「ボイル」及び「乾燥」の語は、上記の意味合いを有するものであるが、「ボイル」は、通常、煮沸した水(湯)により行うのであって、「乾燥」とは、相反する状態の語である。また、本願指定商品である乾燥装置等の分野において、「ボイル」と「乾燥」が行われている事情も発見できない。

そうとすれば、本願商標より、これに接する需要者が「ボイルし乾燥する」ほどの意味合いを想起するとしても、本願指定商品の品質を直接的、かつ具体的に表示するものとして、取引者、需要者に認識、把握されるとは言い難い。

ところで、請求人は、平成元年に生ゴミ等の被乾燥物を高温蒸気熱を利用し乾燥する蒸気間接加熱乾燥装置を改良し、当該改良機種は、被乾燥物の水分の蒸発能力が従来の4倍以上に高まったことにより瞬時に加熱昇温され、煮沸に似た現象が起こり、生ものの細胞を分解しながら乾燥できることから、これを「ボイル乾燥」と命名し、請求人の商品の説明に使用し、当該乾燥装置の特長を表すために「ボイル乾燥(工程)」、「ボイル乾燥機」等のように使用した事実は認められる。そして、生ゴミ処理・リサイクルの分野において、その飼料化について説明する報告書、解説書等に、生ゴミの飼料化の方式として、各種方式に加え、請求人の乾燥装置によるゴミ処理について「ボイル乾燥方式」と記載され、それを「生ゴミを高温の蒸気で乾燥させる方式」と解説されていることが認められる。しかしながら、その解説においては、上記解説内容のほか、「ボイル乾燥方式」として、請求人が納品した施設の乾燥装置について紹介されているのであって、請求人以外の者による乾燥装置が紹介されているものはない。なお、上記説明では、「ボイル乾燥方式」について「生ゴミを高温の蒸気で乾燥させる方式」と説明され、請求人の乾燥装置が紹介されているものの、当該乾燥装置は、上記のとおり、「蒸気で乾燥する」ものではない。そして、「ボイル乾燥」が請求人の乾燥装置が採用している方式を直接的に表すものとは言い難い。

そうとすると、「ボイル乾燥」の語が、請求人の乾燥装置について使用され、生ゴミ処理・リサイクルの分野において、請求人の乾燥装置の方式を表す語として使用されていることは認められるものの、上記のとおり、「ボイル乾燥」の文字の意味合いからは、特定の商品の品質を直接的、かつ具体的に表示するものとはいえないことも相まって、原審説示の「高温の蒸気で乾燥させる方法」若しくは、請求人の乾燥装置の方式を表す一般的な表示として、使用され、認識されているとは認めることができない。

してみれば、本願商標は、商品の品質等を表すものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、これを登録することにより、特定人に独占させることが適当でないとはいうことができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

A判定なら印紙代込み全額返金

過去の審決を調べたあと、登録可能性を無料で確認しませんか?

Sokuhyoなら約1分でAI判定(A〜C)。A判定なら印紙代込みの全額返金保証が付きます。

無料でAI商標調査を試す(約1分)

第4条第1項第16号が問題となった他の審決です。

第4条第1項第16号の審決をもっと見る

Next Action

関連する調査・サービス

類似審決の追加調査や区分・類似群の確認、中間応答の相談へ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。