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Trademark Appeal Case

引用商標との類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−8514(T2009−8514/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1に示すとおりの構成からなり、第9類「加工ガラス(建築用のものを除く。),オゾン発生器,金銭登録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,自動販売機,救命用具,消火器,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,発光式又は機械式の道路標識,業務用テレビゲーム機,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電池,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,水泳用浮き板,レコード,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。),愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」を指定商品として、平成18年5月29日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『キューピー』、『KEWPIE』の文字からなる、あるいは、その構成中に前記文字を有してなる登録第1592154号商標(以下『引用商標1』という。)、登録第2399233号商標(以下『引用商標2』という。)、登録第4331076号商標(以下『引用商標3』という。)、登録第4455273号商標(以下『引用商標4』という。)、登録第4867564号商標(以下『引用商標5』という。)、登録第5065817号商標(商願2005−58931)(以下『引用商標6』という。)及び別掲2に掲げる登録商標(以下、引用商標1ないし6及び別掲2に掲げる登録商標をまとめて、『引用商標』という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 引用商標

ア 引用商標1は、「キューピー」の片仮名文字を横書きにしてなり、昭和54年5月30日に登録出願、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコ−ド、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同58年5月26日に設定登録、その後、平成5年10月28日及び同15年1月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同15年6月11日に、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」、第20類「揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ」及び第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」に書換登録され、現に有効に存続しているものである。

イ 引用商標2は、「KEWPIE」の欧文字と「キューピー」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、昭和58年3月9日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、ガ−ゼ、脱脂綿、ほう帯、三角きん、眼帯、耳帯、衛生マスク、ばんそうこう、月経帯、指サツク、氷のう、氷まくら、氷のう釣り、すいのみ、ほ乳用具、魔法ほ乳器、医療用油紙、オブラ−ト、カプセル、ほう帯液、ピンセツト、綿棒、乳首、手術用キヤツトガツト、スポイト」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録、その後、同14年2月26日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同15年5月7日に、第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり」、第4類「固形潤滑剤」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液」、第8類「ピンセット」、第10類「氷まくら,三角きん,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第19類「タール類及びピッチ類」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」に書換登録され、現に有効に存続しているものである。

ウ 引用商標3は、「キューピー」の片仮名文字を横書きにしてなり、平成10年11月24日に登録出願、第1類「高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」を指定商品として、同11年10月29日に設定登録、その後、同21年6月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

エ 引用商標4は、「キューピー」の片仮名文字を横書きにしてなり、平成11年5月10日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フイルム,スライドフイルム,スライドフイルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板 ,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同13年2月23日に設定登録され、その後、同23年2月1日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

オ 引用商標5は、「KEWPIE」の文字を標準文字で表してなり、平成16年12月20日に登録出願、第16類「封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フイルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),織物製トイレットシートカバー,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,ビリヤードクロス,布製ラベル」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同17年5月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

カ 引用商標6は、「キューピー」の片仮名文字を横書きにしてなり、平成17年6月29日に登録出願、第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」を指定商品として、同19年7月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断

(1)本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について

本願商標は、別掲1に示すとおり、「KEWPIE」の欧文字の左側に、「R」、「N」及び「ll」の文字部分をデザイン化してなる「RoseO’Neill」(以下「RoseO’Neill」という。)の文字を配してなるものである。

しかして、「RoseO’Neill」の文字は、「R」、「N」及び「ll」の文字部分が、他の文字に比べ、顕著に大きく書され、かつ、一見して該文字を認識し得ない程にデザイン化されており、そして、その他の文字は前記のデザイン化された文字に比して、非常に小さく書されているものである。

一方、「KEWPIE」の文字部分は、「RoseO’Neill」の文字部分に比べ、太字で、かつ、ゴシック体風に普通に用いられる態様で、同書・同大・等間隔で、外観上まとまりよく一体的に書されているものである。

そうすると、本願商標の構成中の「RoseO’Neill」と「KEWPIE」とは、その構成態様に歴然とした差異を有することからすると、これらは不可分一体のものとして看取されるというよりも,視覚上分離して看取されると判断するのが相当である。

さらに、本願商標の構成文字全体から生ずる「ローズオニールキューピー」の称呼もやや冗長である。

さらにまた、本願商標構成中「KEWPIE」の文字は、良く知られた「キュピー」あるいは「キューピー人形」を表示する英語(小学館ランダムハウス英和大辞典)であると容易に理解するものといえる。

そして、「RoseO’Neill」の文字が、「KEWPIE(キューピー)」の原作者である女性画家ローズ・オニール氏を表示するものであるとしても、一般の需要者の誰もが、「RoseO’Neill」の文字を捉え、「KEWPIE(キューピー)」の原作者名を表示したものであることを直ちに理解するほどに、知られているとは考え難い。

そうすると、観念上、「RoseO’Neill」の文字と「KEWPIE」の文字とを常に一体のものとして捉えなければならない特段の事情はないものである。

してみれば、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標構成中「RoseO’Neill」の文字部分を捨象し、大きく明確に表された「KEWPIE」の文字部分に強く印象を留め、かかる文字部分を本願商標の要部として認識し、該文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

よって、本願商標は、構成文字全体から生ずる「ローズオニールキューピー」の称呼のほか、「KEWPIE」の文字部分のみを捉えた「キューピー」の称呼をも生ずるものであり、「キューピー」または「キュピー人形」の観念を生ずるものである。

他方、引用商標は、「キューピー」あるいは「KEWPIE」の文字からなるもの、あるいは、その構成中に「キューピー」あるいは「KEWPIE」の文字を有してなるものであるから、引用商標からは、「キューピー」の称呼及び「キューピー」または「キュピー人形」の観念が生ずるものである。

してみれば、本願商標と引用商標は、「キューピー」の称呼及び「キューピー」または「キュピー人形」の観念を共通にするものである。

さらに、引用商標中、「KEWPIE」の文字からなる、あるいは、「KEWPIE」の欧文字を有してなる登録商標は、本願商標構成中の「KEWPIE」と綴りを同じくするものであるから、その限りにおいて、両者は外観上も類似するものである。

したがって、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、本願の指定商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似の商品であるから、本願商標をその指定商品に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(2)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について

ア 請求人は、「本願商標の外観は、字体に関し、『RoseO’Neill』と『KEWPIE』とでは異なるが、距離に関し、両者は離れてはいなくほぼ接触するぐらい接着し、一体としてデザインされている。しかも、『RoseO’Neill』と『KEWPIE』とは、前者の構成部分が左側に記載されているから、前者を先に読了することとなることや、前者が特徴のある文字であることから、『KEWPIE』のみが独立して看者の注意を引くとはいえない。加えて、欧文の『KEWPIE』を『キューピー』と読むことには、一般人にとってはなじみが薄い。したがって、本願商標の構成部分『KEWPIE』が独立して看者の注意を引くように構成された結合商標ではないから、『RoseO’Neill』と『KEWPIE』の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を有するとの判断は誤りである。」旨主張する。

しかしながら、前記(1)で述べたとおり、『RoseO’Neill』と『KEWPIE』とは、構成態様に歴然とした差異を有することに加え、これらの文字を常に一体のものとして捉えなければならない特段の事情はないものである。

そうすると、本願商標構成中の「KEWPIE」の文字のみを捉えて、取引に資されるものである。

さらに、請求人が主張するとおり、欧文字「KEWPIE」が、片仮名文字「キューピー」に比して、なじみが薄いとしても、前記(1)で認定したとおり、「KEWPIE」の文字からは、「キューピー」の称呼を生じ、「キューピー」または「キュピー人形」の観念を生ずるものであるから、本願商標と引用商標とは、類似する商標であるといえる。

よって、請求人の上記主張は、採用することができない。

イ 請求人は、「本願商標の構成部分『KEWPIE』から生じる『キューピー』の称呼は、もとはといえば、米国の女流画家ローズ・オニールが創作したキューピー人形を起源とするキューピーの形状を有するキャラクターを識別する称呼である。キューピーの称呼は、いわゆるキューピーおよびキューピー人形と同様の形状を有するイラストおよび人形の総称であり、特定の商標の指定商品とのみ結びついて、その出所を表示する機能を有するとはいえず、識別力がない。」旨主張する。

しかしながら、前記(1)のとおり、キューピー人形が、米国の女流画家ローズ・オニール氏の原作によるものであるとしても、「KEWPIE」の文字に接する一般需要者が、かかる文字部分を商品の出所識別標識として認識しないとはいい難く、かつ、かかる主張を立証する証拠も提出されていない。

してみれば、本願商標の構成中の「KEWPIE」の文字や引用商標の構成中の「キューピー」や「KEWPIE」の文字は、商品の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものと判断するのが相当である。

したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。

ウ 請求人は、「キユーピー株式会社(以下「キユーピー社」という)の引用商標のうち、本願商標の指定商品と同一の商標はいずれも、キユーピー社による使用の実績も使用の意思も存在しない。キユーピー社は、商標権者による二重出願に対しては商標法4条1項11号の適用がなく、重複して商標登録が可能であることを悪用し、ほぼ同一の標章でかつほぼ同一の商品または役務を指定した商標出願をほぼ3年毎に繰り返すことによって、たとえ不使用取り消しを受けても、他方で未だ不使用取り消しの要件にかからない商標権を保持し、第三者による当該商標の使用を排除しようとしている。このようなキユーピー社による使用の実績も使用の意思も存在しない引用商標は、単に他の商標使用希望者による使用を排除することに目的があり、また国民一般の利益を侵害するものである。このようにして登録されている一連の商標は、まさに公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であり、本来商標登録を受けることはできないものである(同法4条1項7号)。したがって、このような商標を根拠として拒絶査定をすることは、不使用による取消制度を骨抜きにし、本来商標法により保護されるべきでない商標を不当に維持するだけに止まらず、登録商標を使用する第三者の正当な利益をも積極的に害するものであって、許されない。よって、キユーピー社の引用商標はいずれも、キユーピー社による使用の実績も存在せず、使用の意思もないにもかかわらず、不使用取消制度を潜脱し、公序良俗に違反して登録が維持されている商標であることは明らかである。したがって、キユーピー社の引用商標は、商標法4条1項7号に該当し登録されるべきでないのであるから、これらの商標を引用商標として拒絶査定をすることは許されない。」旨、主張する。

しかしながら、引用商標について、不使用取消審判や商標法第4条第1項第7号に該当することを理由とする無効審判が請求されている事実は見当たらない。

また、キユーピー社の引用商標が公序良俗に違反して登録が維持されている商標であるとする請求人の主張は、いかなる事実に基づくものであるのか等、その論拠が明確なものとはいえない。

そして、本願商標と商標及び指定商品について同一又は類似する関係にある引用商標の商標権が存続している以上、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、「キユーピー社の引用商標は、商標法4条1項7号に該当し登録されるべきでないのであるから、これらの商標を引用商標として拒絶査定をすることは許されない。」とする請求人の主張は、その前提において誤りがあるものといえる。

したがって、請求人のかかる主張も採用できない。

エ その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すことはできない。

(3)まとめ

以上よりすれば、本願商標と引用商標は、「キューピー」の称呼及び「キューピー」または「キュピー人形」の観念を共通にするものであり、かつ、引用商標中の「KEWPIE」の文字からなる、あるいは、「KEWPIE」の欧文字を有してなる登録商標は、本願商標構成中の「KEWPIE」と綴りを同じくするものであるから、その限りにおいて、両者は外観上も類似するものである。

そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似するものである。

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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