Trademark Appeal Case
欧文字の判読性と称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−12758(T2010−12758/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類「茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とし、平成19年6月27日に登録出願された商願2007−68556に係る商標法第10条第1項の規定(分割出願)による商標登録出願として、同21年8月17日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、それらの商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4040264号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成7年7月13日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,穀物の加工品,サンド イッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン」を指定商品として、同9年8月8日に設定登録されたものである。
(2)登録第5085831号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成19年2月21日に登録出願、第30類「アイスクリーム用凝固剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、同年10月26日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1に示すとおり、上段に「Cafe Plaza」(eの上に仏語のアクサンテギューが付されている。以下省略)の欧文字を書してなり、その下段に「カフェプラザ」の片仮名文字を上下二段に書してなるところ、それぞれの構成文字に相応して、「カフェプラザ」の称呼が生ずるものであって、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、それぞれ別掲2及び3に示すとおり、上段に「C」と「P」と思しきアルファベット2文字をモノグラム風に表した図形を配し、その下段に、語頭を「C」とする文字を書してなるものである。
しかして、上段に表された図形部分と下段の文字部分は、常に不可分一体とみるべき特段の事情は認められないことから、それぞれ独立して自他商品としての識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、下段の文字部分は、第3番目の文字が、その字形の特徴及び、その前後の綴り字から、アルファベット「F」の小文字「f」をやや斜体にして表したものと認識されるものであり、また、第2番目、7番目及び9番目の文字は、いずれも同様の字形からなるものであって、その字形の特徴及び、その前後の綴り字から、アルファベット「A」の小文字「a」を容易に認識し得るものであり、全体として、「Cafe Plaza」(eの右斜め上に点が付されている。以下省略)の欧文字を手書き風に書してなるものと認められるものである。
してみれば、引用商標は、該文字に相応して「カフェプラザ」の称呼を生ずるものであって、特定の観念は生じないものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、その外観において相違するところがあるとしても、共に同一の綴り字からなるものであって、観念上の相違はないものであり、また、「カフェプラザ」の称呼を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきであって、かつ、その指定商品(役務)も類似するものである。
(2)請求人の主張について
ア 引用商標から生ずる称呼について
請求人は、「引用商標1及び2は、商標の構成文字が判読不能でどの欧文字かを特定できない。また、そこから推測し得る複数の文字のうちの一つの文字をその構成文字と仮定し、その仮定に基づいた称呼をその商標の称呼であると認定することは、あくまでも仮定の称呼であり許されない。よって、引用商標1及び2の全体からも特定の称呼及び観念が生じない」旨主張する。
しかしながら、引用商標構成中の第3番目の文字は、右方より緩やかな曲線を描き、下方に長い縦線と短い横線を交差させた構成からなるアルファベット「f」と極めて近似した特徴を有することから、該文字からはやや傾斜して表した「f」の文字を容易に認識させるものである。
さらに、第2番目の文字は、第7番目及び9番目の文字と同種の字形からなると認められるところ、該文字は、単純な円からなるアルファベットの「O(o)」とは異なり、円の右側一部を切り詰めるかのように、やや左に傾斜した縦線と結合してなる特徴から、アルファベット「a」の文字を表したものと無理なく認識、把握し得るものである。
ところで、文字商標の一部にわかりにくい文字が存在する場合においては、その字形の特徴を把握しつつ、わかりにくい文字を、その前後の関係をおしはからって判読、称呼し、取引にあたることも決して少なくないところである。
してみれば、引用商標構成中の下段に書された文字は、それぞれの字形の特徴及び前後の関係、さらには、その指定商品との関係をも考慮すれば、前半部は、「コーヒー、コーヒー店」等を意味する語として広く知られた「Cafe」の文字を、また、後半部は、「広場」を意味する「Plaza」の文字をそれぞれ認識、把握し、取引にあたるものとみるのが相当であるから、該文字に相応して、「カフェプラザ」の称呼を生ずるものと認める。
よって、前記請求人の主張は採用することができない。
イ 併存する登録商標及び過去の審決例等について
請求人は、「本件請求人の『CAFEPLAZA』の文字を有する登録商標(登録第2711474号)が引用商標と併存していることから、本願商標と引用商標とは、商標が類似しない」旨主張している。
しかしながら、商標法第4条第1項第11号による商標の類否の判断は、出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において決せされるべきものであるから、仮に当該他人の登録商標と併存する登録商標を請求人が有していたとしても、そのことによって類否の判断を異にすべきものではなく、本願商標と引用商標とが類似する商標であることは前記(1)の認定のとおりである。
そうしてみると、引用商標が現に有効に存続している以上、商標法第4条第1項第11号にいう「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標」に当たることは明らかであり、請求人の登録商標と併存していることと関係なく、本願商標は、引用商標との類否によって判断されるべきものであるから、前記請求人の主張は採用することができない。
さらに、請求人は、過去の審決例等を挙げているが、本件の判断においては、過去の審決例等の判断に拘束されることなく、本件の事案に即して検討されるべきものであり、本件においては、本件の具体的な事案について前記のとおり認定、判断するものであるから、請求人の係る主張も採用することができない。
(3)結論
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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