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Trademark Appeal Case

医薬品一般名称と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第16496号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2718673号商標(以下、「本件商標」という。)は「イデベノロン」の片仮名文字を横書きしてなり、第5類「薬剤」を指定商品として平成4年8月24日登録出願、同9年5月16日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は「本件商標の登録はこれを無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証から同第4号証までを提出している。

(1)本件商標は、商標法第3条第1項第3号並びに同法第4条第1項第16号に該当し、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効とすべきものである。

(2)本件商標は、医薬品の国際一般的名称(INN)として、世界保健機構(WHO)において承認されている「ldebenone/イデベノン」(甲第2号証、以下、引用ー般的名称という。)を直ちに想起させ、これをその指定商品中、上記に相応する商品について使用するときには、商品の品質を表示するにどどまり、また、上記以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生ぜしめるおそれがあるものである。すなわち、引用一般的名称は、我が国においては、「イデベノン」と称呼されるものであり(甲第3号証)、他方、本件商標から「イデベノロン」の称呼を生ずることは明らかであるところ、両者は僅かに第四音における「ロ」の有無という差を有するほかは、称呼の識別上重要な役割を果たす語頭音を含め、他の構成音及び配列を等しくするものである。しかも、該「ロ」の音については前音の「ノ」と母音[o]を共通にするため、連続して発音され明瞭に聴取され得ないものであることより、本件商標を一連に称呼したときは、「イデベノン」と明瞭に区別し難いものである。

したがって、上記のとおり引用一般的名称と極めて類似する本件商標は、直ちに引用一般的名称を想起させ、これに相応する商品について使用するときには、商品の品質を表示するに止まり、自他商品の識別力を有せず、また、上記以外の商品について使用するときには、商品の品質について誤認を生ぜしめるおそれがあるものと言わざるを得ない。

なお、上記主張は、次の先例によっても裏付けられるものである。

(イ)商願平3‐67970に関する登録異議の申立の決定(甲第4号証)

(本願商標「セフスラジン/SEFSLAJIN」は、医薬品の国際一般的名称として承認されている「cefsulodin」(セフスロジン)に極めて近似するものであるから、これに接する需要者・取引者は、その薬剤が当該一般的名称をもって表示された薬剤であるとしか認識し得ないものであって、単に商品の品質を表示するにすぎず、その他の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとされた。)

(ロ)商願平4‐113252に関する審査例(甲第5号証)(本願商標「プロライン/PROLINE」は、医薬品の国際一般的名称「PROLINE」(音訳プロリン)に類似するため、これを指定商品中上記に相応する商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するに止まるものと認めるとして、拒絶査定された。)

3 被請求人は何ら答弁していない。

4 当審の判断

よって判断するに、本件商標は「イデベノロン」の片仮名文字を書してなるものである。ところで、「脳梗塞」用の治療に使用される医薬品で国際一般名称(INN)として承認されている商品に「Idebenone」「イデベノン」がある。

そうとすれば、本件商標と脳梗塞の商品である「イデベノン」とは、「ロ」の文字の有無という明らかな差異を有するものであるから、本件商標は上記医薬品名を表したものとは言い得ないものである。

また、両者より生ずる称呼にしても、「ロ」の有無の差異により、前者は「イデベノ」「ロン」の如く2音節風に称呼されるものであるのに対して、後者は「イデベノン」と一気一連に称呼されるものであるから、全体の語調語感も異なり、取引者・需要者が称呼において本件商標と上記商品とを混同するおそはないものとみるのが相当である。

さらに、本件商標は、「イデベノロン」の造語を表してなるものと認められるものであるから、これをその指定商品に使用しても自他商品の識別標識の機能を十分に果たし得るものであり、かつ如何なる指定商品に使用しても商品の品質の誤認を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第3第1項第3号及び同法第4第1項第16号に違反して登録されたものでなく、同法第46条第1項第1号によりその登録を無効にするとはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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