Trademark Appeal Case
外観・称呼・観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900247(T2010−900247/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5321752号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成21年11月20日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同22年3月24日に登録査定、同年5月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
(1)申立人の引用する商標
申立人が引用する国際登録第698874号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2000年(平成12年)9月20日に国際商標登録出願(事後指定)、第25類「Clothing, footwear and headwear.」及び第28類「Games, toys; gymnastics and sports apparatus not included in other classes;Christmas tree decorations.」を指定商品として、平成13年6月22日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
(2)具体的理由
本件商標と引用商標は、いずれも「ひ」の文字を基調としているという特徴を共通にするものであって、当該特徴を看者に極めて強い印象、イメージを抱かせるものである。
しかもバックポケットのステッチ模様がジーンズ等に使用され、商標としての機能を発揮する場合、ジーンズの取引の実情に照らして考察すると、マーク自体に詳細な模様や図柄を表現することは実際上容易ではなく、また当該ステッチ模様を観察する者も、当該図形の全体をイメージとしてこれを捉え見る者の注意を引き、ステッチ模様の全体的なイメージあるいは印象以上には、細部のデザイン等は目立だなくなることが少なくないものと認められる。
そうとすると、本件商標がその指定商品について使用された場合、これに接した需要者は、それが平仮名の「ひ」の図からなるという基本的な構成に着目し、その印象あるいはイメージに強く引き付けられるとみるべきであって、時と所を異にして本件商標と引用商標に接した場合には、外観上相紛れるおそれがある近似したものといえる。
また、本件商標と引用商標とは、いずれの商標も平仮名「ひ」を基調としているという特徴を共通にするものであるから、共に「ヒ」の称呼が生ずるものである。
よって、本件商標と引用商標とは、単に「ヒ」の称呼をもって取引されるものであり、当該称呼において相紛れるおそれのある類似の商標である。
したがって、本件商標と引用商標は、その指定商品も同一又は類似のものであることは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり、2本の破線で描いたポケット状の図形の内側に太字で一部がかすれている筆文字風の平仮名「ひ」状の図形をまとまりよく一体に表してなり、その構成中の一部分を分離抽出して観察しなければならない事情は見いだせないから、全体が一体不可分のものであって、特定の称呼、観念を生じないものと判断するのが相当である。
これに対し、引用商標は、別掲(2)のとおり、欧文字「C」を横長にし、その左部分を太く、右先端部分の上下の外側を鋭いクサビ状に表した幾何図形からなり、特定の称呼、観念生じないものと判断するのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両者は、それぞれ上記したとおりの構成からなるものであるから、外観上相紛れるおそれのないこと明らかである。
なお、仮に、本件商標の「ひ」状の図形と引用商標とを比較したとしても、前者は筆文字風で柔らかな印象を与えるのに対し、後者は鋭いクサビのようなシャープな印象を与えるものであるから、両者は、視覚的印象を明らかに異にし、相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標とは、共に特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、称呼及び観念において比較することができない。
したがって、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)申立人の主張について
申立人は、本件商標と引用商標とは、いずれも平仮名「ひ」を基調とし、「ヒ」の称呼を共通にする類似の商標である旨主張して、甲第3号証ないし甲第14号証を提出している。
しかしながら、本件商標と引用商標が非類似の商標であること上述のとおりであり、また、申立人提出の証拠は、いずれも本件商標及び引用商標とはその構成、態様を異にするものであるから、上記判断を左右するものではない。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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