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Trademark Appeal Case

結合商標の類否と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900281(T2010−900281/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5328759号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5328759号商標(以下「本件商標」という。)は、「PRYMCOATS」の欧文字を標準文字としてなり、平成21年11月26日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同22年4月9日に登録査定、平成22年6月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点

異議申立1及び2は、いずれも、以下をその理由とするものである。

本件商標は、下記アないしウにより、その登録を取り消されるべきものである。

ア 商標法第4条第1項第10号について

本件商標の指定商品に関連の深い、縫い糸やジッパー等の商品について、世界最大の縫い糸及び裁縫用具の製造販売者である「ジエイ エンド ピー コーツ リミテツド」」及びその関連会社(以下「コーツ社」という。)により「COATS」の商標が長期間にわたって使用されており、日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている。同様に、前記指定商品及び関連商品に関連の深い、針類やボタン類の商品ついて、世界最大規模の服飾付属資材のメーカーである「ウイリアム プリム ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシヤフト」(以下「プリム社」という。)により「Prym」の商標が長期間に渡って使用されており、日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている。

したがって、本件商標は、日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている「COATS」及び「Prym」の商標を単に結合した態様であり、これをその指定商品について使用した場合、需要者が商品の出所をコーツ社又はプリム社であると誤認するおそれがある。

イ 商標法第4条第1項第15号について

仮に、2つの著名な商標を結合したことにより、商品の出所をコーツ社やプリム社であると必ずしもいえないとしても、「COATS」や「Prym」の商標が需要者の間に広く認識されていることから、需要者がその商品がコーツ社とプリム社とのいわゆるコラボレーション商品(共同制作商品)であると誤認するおそれがある。又は、実際には存在しない「PRYMCOATS」社が出所であるとの印象を受けるおそれがある。

ウ 商標法第4条第1項第19号について

本件商標の出願人は、いわゆる当業者であると推定され、世界的に著名な、「COATS」や「Prym」の商標を当然に認識していると想像される。このような当業者が、「PRYMCOATS」の商標を自らの商品に使用することは、コーツ社及びプリム社の商標に蓄積した信用を希釈化し、これら信用にフリーライドする行為であり、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的)をもって使用するものといわざるを得ず、公正な取引秩序を害するおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第10号について

ア 「COATS」及び「Prym」商標(以下「引用商標」という。)について

異議申立1及び2の登録異議申立人(以下「申立人ら」という。)提出の証拠によっては、引用商標に関して、我が国及び米国において商標登録されている事実を窺い知ることはできるが、全証拠によっても、申立人らが使用を主張する引用商標に関して、具体的な使用の実績等についての実情を把握することができないから、本件商標の出願日までに、引用商標がその需要者の間で広く認識されるに至っていたと認めることはできないといわざるを得ない。

イ 本件商標について

本件商標は、「PRYMCOATS」の文字からなるものであり、その構成各文字は同じ書体、同じ大きさ、等間隔で一体的に表してなるものであって、いずれかの部分で分離して観察すべき格別の理由はみいだせず、一連一体の造語とみるのが相当である。そして、構成文字全体に相応した称呼も格別冗長でなく、一気に称呼し得るものである。

したがって、本件商標は、「プリムコーツ」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じさせない一連の造語として看取されるものというのが相当である。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標の称呼「プリムコーツ」と引用商標の称呼「プリム」及び「コーツ」とは、構成音数が相違し、相違する各音の音質の相違によって、相紛れるおそれはないものである。外観構成においても、明らかな相違があり、外観上相紛れるおそれはない。また、本件商標と引用商標とは、観念については比較し得ないから、観念上相紛れる余地はない。

してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標であるとすることはできない。

エ 小括

以上によれば、本件商標の指定商品と引用商標が使用されている商品の類否について論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものということはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標が引用商標に類似する商標といえないこと前記のとおりである。そして、本件商標の構成中には、「PRYM」あるいは「COATS」の文字部分が含まれているけれども、前記のとおり、引用商標が需要者間で広く認識されるに至っていると認められないものである。

してみれば、「PRYM」あるいは「COATS」の文字部分が含まれていることをもって直ちに、本件商標が引用商標と関連付けて認識されるものということはできず、結局、本件商標は、引用商標とは別異の出所を表すものとして看取されるものといわざるを得ない。

しかして、本件商標を指定商品に使用しても、需要者が引用商標を連想し想起して、当該商品を申立人らあるいは同人らと経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品である如く誤信するとは認められず、商品について混同するおそれはないといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、引用商標に類似する商標といえないこと前記(1)のとおりであり、また、引用商標について周知な商標と認めることができないものであるから、他の要件に論及するまでもなく、本第19号に該当するものとはいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものということはできない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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