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Trademark Appeal Case

FRACTIONAL RFの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900285(T2010−900285/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5329107号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件登録第5329107号商標(以下「本件商標」という。)は、「FRACTIONAL RF」の文字と「フラクショナル RF」の文字を二段に横書きしてなり、平成21年12月14日に登録出願、第10類「医療用機械器具」及び第44類「美容,理容,医業」を指定商品及び指定役務として、平成22年5月25日に登録査定、同年6月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件商標は、商標全体として「高周波を分割照射する」又は「品番・型番等がRFの、分割照射する」程度の意味合いを容易に想起させ、単に商品の品質(内容)、役務の質(内容)を表したものと認められるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

また、仮に、商標法第3条第1項第3号には該当しないとされる場合であっても、これをその指定商品、指定役務に使用しても、これに接する需要者、取引者が何人かの業務に係る商品、役務であるかを認識することができないため、商標法第3条第1項第6号に該当する。

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号又は同第6号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標について

本件商標は、「FRACTIONAL RF」の文字と「フラクショナル RF」の文字を上下二段に横書きにしてなるものであるところ、その構成中の上段の文字部分は、同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく表されており、また、上段の「FRACTIONAL」の文字の片仮名表記である「フラクショナル」と「RF」の各文字部分も、片仮名文字とローマ字の違いがあるとはいえ、同じ大きさ、同じ書体で表されており、本件商標の構成全体としても、まとまりのあるものとして看取されるものである。

また、本件商標の構成全体より生ずると認められる「フラクショナルアールエフ」の称呼も極めて冗長というほどのものではなく、よどみなく称呼し得るものである。

したがって、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと認識されるというべきである。

(2)「フラクショナル」、「フラクショナル RF」等の語について

ア 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出した甲各号証によれば、以下の事実を認めることができる。

(ア)「フラクショナルレーザー」の語は、「レーザーのスポット径を小さく分割し、ドット状に照射するレーザー」を意味し(甲3の3)、皮膚のしわ、たるみ、シミなどを改善する機械器具又はこれを使用した治療法を表すものとして使用されている(甲3ないし甲60)。また、該「フラクショナルレーザー」による治療用の機械器具は、2009年(平成21年)4月に日本市場に登場した(甲25)。さらに、「フラクショナルレーザー」に関する論文等が2006年前後より複数発表されている(甲52ないし甲60)。

なお、「フラクショナルレーザー」が、単に「フラクショナル」と略称されて使用されている事例は存在しない。

(イ)「RF」の語は、「高周波のラジオ波(Radio Frequency)」を意味し(甲68)、美容関連の機械器具の分野においては、「レーザーとは異なり、RFは皮膚の奥深くまで到達する特徴がある」(甲61)ものとして、例えば、「パルスライト(光エネルギー)」や「赤外線」等と組み合わせて美肌治療、脱毛などを行う機械器具について、「RF(光周波)」の用語として使用されている(甲61ないし甲68。なお、これらがインターネット上に掲載された日付は不明であり、プリントアウトされた日付は、2010年(平成22年)10月1日である。)。

(ウ)「フラクショナルRF」又は「RFフラクショナル」の語に関し、甲第70号証のウェブページには、「新しい美肌マシーンを紹介いたします。世界初のフラクショナルRF(高周波)・・・です。・・・フラクショナル・レーザーのフラクショナルの技術をRF(高周波)に拡大応用したもの・・・」の記載がある。

甲第71号証のウェブページには、「しかしフラクショナルレーザーの場合治療したい真皮だけでなく表皮まで作用が及ぶため、不必要なダメージを皮膚に与えてしまいます。今回導入を予定しているフラクショナルRFは7×7の49本の細い針を皮膚に刺入し先端でのみ高周波を照射することで表皮にはダメージを与えず真皮だけに効率よく熱損傷を生じます。」の記載がある。

甲第72号証のウェブページには、「にきび跡治療 RFフラクショナルの時代が来る!?」の記載がある。

以上によれば、「フラクショナルRF」又は「RFフラクショナル」と称される美容外科用の機械器具がウェブページで紹介されているものである(ただし、甲第70号証には、「2010.8.23」との記載があり、甲第71号証は、インターネット上に掲載された日付は不明であり、プリントアウトされた日付は、2010年(平成22年)10月1日である。また、甲第72号証には、「2010−07−15」の記載がある。)。

イ 前記アで認定した事実によれば、「フラクショナルレーザー」なる機械器具及びこれを使用した皮膚等の治療が、本件商標の登録出願前より、美容外科等の業界において普通に使用され又は行われていたことが認められる。

しかしながら、「フラクショナルレーザー」が単に「フラクショナル」と略称されて、商品の品質又は役務の質を表示するものとして普通に使用されている事実は存在しないし、「RF(高周波)」を利用した機械器具及びこれを使用した皮膚等の治療が本件商標の登録査定日(平成22年5月25日)前より、美容外科等の業界において普通に使用され又は行われていたと認めるに足りる証拠の提出はない。

また、「フラクショナルRF」又は「RFフラクショナル」についてのウェブページの掲載はわずか3件のみであり、しかも、これらの掲載日にしても、本件商標の登録査定日以降のもの、ないし、不明なものである。

これらを総合すると、「フラクショナルRF」又は「RFフラクショナル」との名称の機械器具及びこれを使用した皮膚等の治療が、本件商標の登録査定時に、美容外科等の業界において普通に使用され又は行われていたものとは認めることができない。

そうすると、申立人の提出した証拠をもってしては、本件商標を構成する「FRACTIONAL RF」、「フラクショナル RF」なる語が、美容外科等の機械器具の品質を表示するものとして、あるいは、美容外科治療等の質を表示するものとして、本件商標の登録査定時に、美容外科等の業界において取引上普通に使用されていたものと認めることはできない。

その他、本件商標が美容外科等の機械器具の品質を表示するものとして、あるいは、美容外科治療等の質を表示するものとして、本件商標の登録査定時に、普通に使用されていたと認めるに足りる客観的証拠は見出せない。

したがって、本件商標は、その登録査定時において、その指定商品及び指定役務のいずれについても、商品の品質を表示するものではなく、また、役務の質を表示するものではないから、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を発揮するものであったというべきである。

さらに、前記認定のとおり、「フラクショナル(fractional)」の語が、単独で商品又は役務の品質又は質等を表示するためのものとして、美容外科等の業界において普通に使用されていたという事実を示す証拠は存在せず、加えて、本件商標が、前記(1)認定のとおり、構成全体をもって一体不可分の商標であることを併せ考慮すれば、本件商標を「FRACTIONAL」、「フラクショナル」と「RF」とに分離して、「RF」の文字部分を商品等の記号、符号等を表したものと認識することはないというべきである。

してみると、本件商標は、その登録査定時において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であったということもできない。

したがって、本件商標が商標法第3条第1項第3号又は同第6号に該当するとする申立人の主張は、採用することができない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号又は同第6号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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