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Trademark Appeal Case

不正目的の商標登録

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900294(T2010−900294/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5331690号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5331690号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成22年1月21日に登録出願、第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年5月12日に登録査定、同年6月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第20号証を提出している(なお、申立人は、本件登録異議申立書に対し、手続補正書を平成22年11月2日付けで提出しているが、これは、商標法第43条の4第2項に規定する、期間経過後の提出であるから、採用しない。)。

(1)本件商標は、韓国で2007年8月2日にデビューした女性歌手グループ「少女時代」のファンクラブ名について、「S○NE」(○部分は、「ハート図形」である。以下同様とし、「ファンクラブマーク」という。)のロゴを2008年8月5日以来使用(甲第14号証及び甲第15号証)している。

そして、この「ファンクラブマーク」は、周知・著名な女性歌手グループ「少女時代」と一体となって、本件商標の出願前より使用していたものであるところ、本件商標は、この「ファンクラブマーク」と同一であるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(2)商標権者は、本件商標を指定商品区分第18類及び第25類において日本国で登録されていないことを奇貨として、本件商標を高額で買い取らせるために先取り的に出願したものであることは明らかである。即ち、甲第17号証は、本件商標登録の権利者が韓国の芸能プロダクション、エスエムエンターテインメント カンパニーリミテッド並びに申立人である株式会社エスエム・エンタテインメント・ジャパンに2010年9月10日付けで本件商標登録の買い取りを求めてきたメール便である。

商標権者は、芸能グループ「少女時代」及びその公式フアンクラブとは、何の関連も権原もないにもかかわらず、2010年8月の芸能グループ「少女時代」の来日記念と称して、甲第18号証のごときパンフレットを配布し、同パンフレットに掲載された「少女時代」及び「ファンクラブマーク」を配したTシャツ、バッグ等の商品を販売し、商標権者のホームページでは、「株式会社ケリーは『少女時代』の商標権を獲得し、今回の来日に合わせて明日サンクス国際展示場駅前店(甲18、甲19)とWEBで『少女時代』のTシャツやトートバッグの販売も行います」と掲載もしており、あたかも、商標権者と芸能グループ「少女時代」及びそのファンクラブとが何らかの関連があるかのごときを装い、販売するTシャツやトートバッグの真正性をゆがめた形態で強調している。

このような行為は、芸能グループ「少女時代」及び「ファンクラブマーク」の出所表示機能を希釈化させたり、名称に化体した信用、名声、願客吸引力等を毀損させるおそれがある。

したがって、本件商標は、他人の周知商標と同一または類似で不正の目的をもって使用する商標であるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断

(1)本件商標は、別掲1のとおり、「S」「ハート図形」「N」「E」の文字及び図形を並べた構成よりなるものである。

そして、申立人提出の甲各号証を徴するに、甲第4号証ないし甲第13号証は、韓国及び日本のホームページであるが、その内容は、女性歌手グループ「少女時代」についてのものである。

甲第14号証は、韓国のホームページ(2008年8月5日付け)であるが、その内容として、訳文には、「少女時代の公式ファンクラブ名は『S○NE(ソウォン)』になりました。」の記載がある。

甲第15号証は、韓国のホームページ(2008年9月5日付け)であるが、その内容として、訳文には、「去る告知でご案内したように少女時代のOfficial Fanclub名は『S○NE』です。」等の記載がある。

甲第16号証は、2008年9月20日付けの写真であり、これには横断幕が写し出されており、「OFFICIAL FANCLUB S○NE」「GIRLS’GENERATION」等の文字がある。

甲第17号証は、本件商標の権利者が、「S.M.ENTERTAINMENT JAPAN」に対し、2010年9月10日付けで本件商標登録の買い取りを求めてきたメールである。そこには「弊社、株式会社ケリーは、日本国内に於いて、商標区分18類、25類に於ける“少女時代”の商標を有しております。つきましては、同商標権を御社に譲渡すると云う前提で、お話合いをお願いしたいと考えております。」の記載がある。

甲第18号証は、商標権者のホームページ等であって、そこには「S○NE」と「少女時代」のロゴ及び文字が表示されたTシャツ、バッグ等の商品が掲載されている。このページは、2010年8月24日にプリントアウトされたものである。

甲第19号証は、「S○NE」と「少女時代」のロゴ及び文字が表示されたTシャツ、バッグ等の商品を販売している写真とするものである。

第20号証は、2010年6月11日付けのサンケイスポーツ新聞に掲載された「少女時代」のデビューイベントの紹介記事である。

以上によれば、申立人に係る「S○NE」のロゴは、女性歌手グループ「少女時代」の公式ファンクラブのマークであることは認められるとしても、これを自らの商品に使用している事実は見当たらないものであるから、提出された証拠をもってしては、これが商品に使用され需要者の間に広く知られているものということはできず、そのロゴマークについての周知性は到底認められないものである。

(2)商標法第4条第1項第8号について

本号は、他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標が対象となる規定であるところ、申立人の提出した証拠によれば、申立人に係る「S○NE」のロゴは、女性歌手グループ「少女時代」の公式ファンクラブのマークであって、本号における氏名、名称若しくは著名な芸名等のいずれにも該当しないものである。

そうとすれば、申立人に係る「S○NE」のロゴは、本号の要件を具備しないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第19号について

申立人に係る「S○NE」のロゴは、女性歌手グループ「少女時代」の公式ファンクラブのマークであって、申立人の提出した証拠によれば、これが商標として使用されて、需要者の間に広く認識されている商標ということができない。

仮に、申立人提出の甲第17号証ないし甲第19号証によって、その出願の意図に不正な目的をうかがうことができたとしても、本件商標は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」ということにはならないものである。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(4)結び

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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