sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼類似と混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900299(T2010−900299/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5343937号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5343937号商標(以下、「本件商標」という。)は、「おしょうさん どっと こむ」の平仮名を標準文字で表してなり、平成21年7月6日に登録出願され、第45類「葬儀・法事の執行及びこれに関する助言・情報の提供,葬儀・法事の執行の斡旋又は取り次ぎ,墓地又は納骨堂の提供,墓地又は納骨堂の提供の媒介」を指定役務として、同22年7月22日に登録査定、同年8月6日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「おぼうさんどっとこむ」の平仮名を横書きしてなり、平成17(2005)年3月頃から、申立人が自己の業務「葬儀・法事の執行及びこれに関する助言・情報の提供、葬儀・法事の執行の斡旋又は取り次ぎ、墓地又は納骨堂の提供、墓地又は納骨堂の提供の媒介」に使用しているものである。

3 申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、その登録出願時ないしは登録査定時において、申立人の業務に係る「葬儀・法事の執行及びこれに関する助言・情報の提供、葬儀・法事の執行の斡旋又は取り次ぎ、墓地又は納骨堂の提供、墓地又は納骨堂の提供の媒介」(以下、「申立人の業務に係る役務」という。)を表示するものとして、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていた引用商標と類似する商標であり、また、本件商標の指定役務は、引用商標が使用される役務と同ー又は類似の商品である。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているため、これと類似する本願商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。

(3)商標法第4条第1項第19号の該当性について

本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の目的をいう。)をもって使用をするものに該当する。

(4)商標法第4条第1項第7号の該当性について

本件商標の使用は、申立人の利益を害する剽窃的行為であり、社会の一般的道徳観念に反し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。

(5)結び

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号又は同第7号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知・著名性について

申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人のウェブサイトにおいて、申立人会社が、2004年12月17日に設立されたことや、引用商標と共に、料金表、サービス一覧及びサービス対応地域等について掲載されており、サービス一覧には「まごころ供養/葬儀/法事・法要」等の記載、サービス対応地域については基本サービス地域として東京都全域、埼玉県南部、千葉県西部、神奈川県北東部を掲げ、「同地域以外でも別途費用負担いただければ、日本全国出張する」旨記載されていること(甲第8号証及び甲第10号証)、2007年ないし2010年11月までの申立人のウェブサイトヘの訪問回数等が掲載されていること(甲第3号証)、平成17年10月1日発行「ビジネスチャンス」、同年9月20日付けビジネス経済・金融紙の「フジサンケイビジネスアイ」、同年9月1日発行の雑誌「国際グラフ」2005年9月号、平成18年11月1日及び同20年1月10日発行の住職の月刊誌「寺門興隆」及び平成21(2009)年1月24日号発行「週刊ダイヤモンド 寺・墓・葬儀にかかるカネ」に、申立人のサービス内容等の紹介・広告がされていること(甲第4号証及び甲第5号証、甲第11号証ないし甲第14号証、甲第17号証ないし甲第22号証及び甲第30号証)、平成20年9月19日付け「産経新聞」(甲第16号証及び甲第29号証)、同年6月28日付け「読売新聞」(甲第28号証)に、申立人のサービス内容等の紹介・広告がされていること、電柱広告に関する資料写に、引用商標が掲載されていること(甲第36号証)、NTT東京電話帳株式会社に対し申立人が2009年6月19日付けで電話帳広告申込をし、その電話帳広告原稿の各写には、申立人、サービス内容等が記載されていること(甲第40号証)、第5期上半期(2008.12〜2009.5)及び第5期下半期(2009.6〜2009.11)の葬儀・法事・戒名授与・塔婆・その他の取扱件数、申立人会社の平成20年12月1日ないし同21年5月31日の勘定科目残高一覧表(損益計算書科目)、申立人会社の平成21年5月31日現在の勘定科目残高一覧表(貸借対照表科目)及び売上高累計が記載されていること(甲第42号証)等が認められる。

しかしながら、上記の事実によっては、以下のとおり、引用商標が、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

すなわち、申立人は、葬儀や僧侶派遣等を業務として、2004年12月に設立され、同人のウェブサイトやチラシ・パンフレット等を通して、引用商標が本件商標の登録出願前より申立人の業務に係る役務について使用されている事実は認められるものの、そのサービス地域としてウェブサイトに挙げられているのは、ほとんどが、東京都及びこれに隣接する埼玉県南部、千葉県西部、神奈川県北東部であって、また、実際に、どの地域で、どれほどの売上高をあげたのか不明であり、ましてや全国的に至っては、全く不明である。

加えて、申立人のウェブサイトヘの訪問回数等が掲載されている資料は、解析当時のウェブサイトの内容が特定されていないばかりでなく、訪問回数等の数値から、直ちに、引用商標の周知・著名性を認定することはできない。

また、甲第42号証で挙げる申立人の業務に係る売上高が、この種業界全体における売上高に対する独占占有率も不明である。

さらに、雑誌、新聞等に引用商標が紹介・広告されたのは、雑誌、新聞等を併せてもわずか8回にすぎず、しかも、電柱広告に関する資料は、広告時期が不明であって、NTT東京電話帳株式会社に対する申立人の電話帳広告原稿にしても、引用商標が実際に広告されたものではない。

なお、甲第31号証(2009年8月25日講談社発行2009セオリーMOOK「よい『お葬式』入門。」抜粋写)及び甲第32号証(2009年9月18日発行「週刊朝日」抜粋写)は、いずれも本件商標の登録出願後の出版物であり、また、甲第34号証は、「会社概要・営業のご案内」と題する作成日不明のパンフレット写であるが、その記載中の代表取締役の最終職歴が「2009年9月現在」と記載され、僧侶派遣システム料金表が「2009.9.1改訂」と記載されており、本件商標の登録出願後の作成であることは明らかである。

その他、引用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る役務に使用する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足る証拠はない。

そして、引用商標が、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録査定時までに、需要者の間に広く認識されるに至ったと認めるに足りる特段の事情も見いだせない。

(2)商標法第4条第1項第10号の該当性について

本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するといえるためには、要件の一として引用商標が他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間において広く認識されていることが必要であるところ、上述したとおり、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しないものである。

(3)商標法第4条第1項第15号及び同第19号の該当性について

引用商標は、上述したとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである以上、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者が、引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該役務が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものである。

また、申立人は本件商標が不正の目的をもって使用するものである旨主張するが、本件各号証のみによってはその事実が認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当するものでない。

(4)商標法第4条第1項第7号の該当性について

引用商標は、上述したとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであって、また、不正の目的をもって使用するものとも認められないから、本件商標の登録及び使用が社会公共の利益や社会の一般的道徳観念に反するものでもなく、公正な取引秩序を害するものともいえない。

さらに、本件商標の構成自体は、きょう激、卑わい、差別的もしくは他人に不快な印象を与えるようなものではなく、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものとはいえない。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。

(5)結論

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。