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Trademark Appeal Case

著名商標の時の経過と公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−16568(T2010−16568/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第18類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年1月30日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同22年7月23日付け手続補正書により、第25類「被服」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要点

原査定は、「本願商標は、全体は点線で表し、ブーツと思しき図と多少図案化の『STIFEL』の文字との結合よりなるところ、これは、かつて、米国の J.L.Stifel & Sons,Inc(1835〜1957,以後『スティフェル社』という。)が、ワークウェアやウォバッシュという生地等に使用して周知の標章に酷似している。そして、スティフェル社は、二回の世界大戦時等に軍納品で軍需に貢献し、Army−Navy Production Award賞 をテキスタイル業界初で受賞をしていることから、軍用品としての信用及び周知の標章についての軍隊又は国民の多くの人の信頼を確保し、かつ、栄誉等も獲得していたことは覗い知れるところであり、また、周知の標章を付したワークウェア(ビンテージ品)の取引やその生地の再現の試み等をも鑑みれば、その周知・著名性は、未だ無視し得ないと云わざるをえない。してみれば、スティフェル社と何らの関係を認められない出願人が、その指定商品について自己の商標として採択使用することは穏当でなく、社会の一般的道徳観念に反し、商取引の秩序を混乱させ、かつ、米国の多くの人々の、スティフェル社及び関係者に対する信用・信頼・栄誉等またはこれらより生ずる心情を害し、ひいては、国際信義に反すると云うは相当である。よって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、ブーツの履き口を左、靴底を右、つま先を下として横に倒したごとき図形を針目のような二重の破線をもって描き、その中に同様の破線をもって「STIFEL」の欧文字を横書きに表してなるものであるところ、その構成中の図形部分及び「STIFEL」の欧文字が、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるものではない。また、本願商標全体の構成について観察してみても、同様である。

そして、原審説示のように本願商標が、かつて米国に存在したStifel社の商標であったとしても、同社は、1957年に工場の操業を停止した後、再度操業を開始することはなく現在に至っていること、及び同社を受け継いで事業をなす者がいないことが、インターネットウェブサイト(http://www.e-workers.net/manucatures/stifel/stifel.htm)からもうかがえるところであり、これに反する的確な証拠は見当たらない。

そうすると、同社が事業を停止した後50年以上経過し、その後、同社の事業を受け継いだ者が確認できない審決時においては、本願商標をその指定商品について使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反し、米国若しくはその国民を侮辱する、又は国際信義に反するものということはできない。

さらに、本願商標をその指定商品について使用することが、商標法以外の法律によって禁止されているという事情も認められない。

したがって、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできないから、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとした原査定は、妥当でなく取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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