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Trademark Appeal Case

スマイル図形の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−24429(T2009−24429/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類及び第39類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として平成19年11月20日に登録出願され、指定役務については、平成21年5月20日付け手続補正書により、第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,書類の複製,広告用具の貸与」及び第39類「貨物のこん包,貨物の積卸し,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,電気の供給,飛行場の提供,自動車の貸与」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用する登録商標は、以下のとおりである。

(1)登録第4727408号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成15年1月21日に登録出願、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の積卸し,貨物の輸送の媒介,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,係留施設の提供,倉庫の提供,駐車場の提供,飛行場の提供,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,コンテナの貸与,パレットの貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,包装用機械器具の貸与」を指定役務として、同年11月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第4727411号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成15年1月21日に登録出願、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」を指定役務として、同年11月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(3)登録第4760437号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成15年1月23日に登録出願、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の積卸し,貨物の輸送の媒介,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,係留施設の提供,倉庫の提供,駐車場の提供,飛行場の提供,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,コンテナの貸与,パレットの貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,包装用機械器具の貸与」を指定役務として、平成16年4月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

なお、これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、黒線で描いた円図形内にやや縦長の楕円形の2個の点のみで描かれた目と、その下部に、両端上がりの弧線により描かれた口とを、黒色で表した図形であり、人間の笑顔と思われる表情を単純化して表現したものと認識されるものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1及び2について

引用商標1及び2は、別掲2のとおり、下方に向かって幅がやや広くなる、黒く太く描かれた円図形内に、やや縦長の楕円形の2個の点のみで描かれた目と、その下部に、両端上がりの弧線により描かれた口とを、黒色で表した、人間の笑顔と思われる表情を単純化して表現したものと認識される図形を描き、また、上記円図形の黒色部分の上部に白抜きで「SMILEY FACE」の文字を書し、下部に、円形に沿うように白抜き部分を配し、その中に黒色で「HARVEY BALL」の文字を書してなるものである。

そして、図形部分と文字部分とは、図形と文字からなることから視覚的に分離して認識されるものであり、「SMILEY FACE」の文字から「ニコニコした顔(笑顔)」の観念を生ずるとしても、図形部分と文字部分を一体として新たな観念を生ずるということもできないから、図形部分と文字部分を常に一体として看取すべき特段の事情は認められない。してみれば、引用商標1及び2は、図形部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと判断されるものである。

イ 引用商標3について

引用商標3は、別掲3のとおり、黒線で描いた円図形内にやや縦長の楕円形の2個の点のみで描かれた目と、その下部に、両端上がりの弧線により描かれた口とを、黒色で表した、人間の笑顔と思われる表情を単純化して表現したものと認識される図形を描き、その右側に「SMILEY FACE」の文字を書してなるものである。

そして、図形部分と文字部分とは、図形と文字からなることから視覚的に分離して認識されるものであり、「SMILEY FACE」の文字から「ニコニコした顔(笑顔)」の観念を生ずるとしても、図形部分と文字部分を一体として新たな観念を生ずるということもできないから、図形部分と文字部分を常に一体として看取すべき特段の事情は認められない。してみれば、引用商標3は、図形部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと判断されるものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

ア 本願商標と引用商標1及び2の類否について

本願商標と引用商標1及び2の図形部分についてみると、両者は、いずれも、円図形内に縦長の楕円形の2個の点のみで描かれた目と、その下部に、両端上がりの1線の弧で描かれた口とを、黒色で表したものであり、人の笑顔と思われる表情を極めて単純な構成態様によって表現したことに特色があるものと認められる。

他方、両者は、円の外周図形の黒色部分の太さの相違、笑顔図形部分の目の形状、その位置及び口の両端部、その湾曲の度合い、その位置等の細部の形状において差異があると認められるものの、円の外周図形の黒色部分の太さの相違は、いずれも輪郭として、看取されるのに加え、引用商標1及び2の当該部分は、外周の黒色円形部分内の「SMILEY FACE」の白抜き文字及び下部の白抜き部分が円形に沿うように配され、それらの白抜き文字及び図形部分の内側が、細い黒線風に看取されることも相まって、両商標に接する需要者は、上記のとおり、両商標の特色をなす基本的な構成態様が同一であることから、両商標より共通する印象を強く受けるものと認められ、両商標の上記の差異は、微差にとどまるものというべきである。

してみれば、本願商標と引用商標1及び2とは、その要部である図形部分の外観において互いに相紛らわしいものであり、本願商標が指定役務に使用された場合に、その出所の誤認混同を生ずるおそれがあるものと認められるから、類似の商標であるというべきである。

イ 本願商標と引用商標3の類否について

本願商標と引用商標3の図形部分についてみると、両者は、いずれも、黒色の細線の円図形内に縦長の楕円形の2個の点のみで描かれた目と、その下部に、両端上がりの1線の弧で描かれた口とを、黒色で表したものであり、人の笑顔と思われる表情を極めて単純な構成態様によって表現したことに特色があるものと認められる。

他方、両者は、目の形状、その位置及び口の両端部、その湾曲の度合い、その位置等の細部の形状において差異があると認められものの、両商標に接する需要者は、上記のとおり、両商標の特色をなす基本的な構成態様が同一であることから、両商標より共通する印象を強く受けるものと認められ、両商標の上記の差異は、微差にとどまるものというべきである。

してみれば、本願商標と引用商標3とは、その要部である図形部分の外観において互いに相紛らわしいものであり、本願商標が指定役務に使用された場合に、その出所の誤認混同を生ずるおそれがあるものと認められるから、類似の商標であるというべきである。

(4)以上のとおり、本願商標と引用商標とは類似の商標であり、また、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務とは、同一又は類似するものである。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(5)請求人の主張について

請求人は、大阪地裁の平成13年10月25日判決(平成12年(ワ)第5986号)の判断に基づき、本願商標と引用商標の図形部分を比較すると、引用商標の図形部分の要部は、図形部分に示される具体的な外観(顔、目及び口の位置、描線等)に限定されると解されるべきである。そうすると、本願商標は、上記のとおり、輪郭線の描き方、口の位置や形状などの点で、引用商標の図形部分とは異なる特徴を有する図形商標であるから、かかる違いに基づいて、引用商標とは識別が可能であるなどと主張している。

しかしながら、上記判決は、商標権の禁止権の効力が及ぶ範囲について判示するものであって、商標登録の要件に関する本件とは事案を異にするものであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(6)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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