Trademark Appeal Case
エコリフォームの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−15961(T2010−15961/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「ecoなリフォーム」の文字を横書きしてなり、第37類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成21年10月19日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、原審における平成22年2月26日付け手続補正書により、第37類「住宅・ビルその他の建造物のリフォーム工事,台所・浴室・床・壁のリフォーム工事,室内のリフォーム工事,住宅・ビルその他の建造物の内外装のリフォーム工事,その他のリフォーム工事,住宅・ビルその他の建造物のリフォーム工事に関する情報の提供,住宅・ビルその他の建造物のリフォーム工事の請負及びその媒介,住宅・ビルその他の建造物のリフォーム工事に関する監督・助言又はコンサルティング,造園工事,造園工事に関する情報の提供,造園工事の請負及びその媒介,造園工事に関する監督・助言又はコンサルティング,建設工事,建設工事に関する助言,建築設備の運転・点検・設備,錠前の取付又は修理,浴槽類の修理又は保守」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)商標登録を受けることができる商標は、現在使用をしているもの又は近い将来使用をするものと解されるところ、本願商標は、広範にわたる役務を指定しているため、本願商標をその指定役務について使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。
(2)本願商標は、「ECOなリフォーム」の文字を書してなるところ、その構成中の「ECO」の文字は、「環境、生態(学)」等の意味を有する「ECOLOGY」(エコロジー)の略語として「環境に優しい、環境保護に配慮した」等の意味合いに使用され、また、「リフォーム」の文字は、「(建物などの)改築、改装」等を意味する語として使用されている。そして、指定役務のリフォーム工事の分野においても、「健康的で経済的!エコなリフォームをはじめませんか。」「ecoなリフォーム」等のように使用されている。そうすると、本願商標は、その指定役務中、「リフォーム工事」等に使用するときは、「環境保護に配慮した、あるいは健康的で経済的なリフォーム」程度の意味合いを認識させるに止まり、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項柱書の該当性について
本願の指定役務については、前記1のとおりに補正された結果、本願商標が、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとした原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、別掲のとおり、「ecoなリフォーム」の文字よりなるところ、その構成中「eco」の文字は、「『(生活様式などを変化・発展させる素因としての)環境、生態』の意の連結形」(「研究社新英和大辞典」第6版 株式会社研究社発行)、「エコ【eco】 (エコロジーの略)環境に配慮すること。」(広辞苑第6版)等の意味を有し、また、「な」は助詞(広辞苑第六版)であり、そして「リフォーム」の文字は、「リフォーム【reform】 改良すること。作り直すこと。特に、衣服の仕立て直しや建物の改築・改装。」(広辞苑第六版)等の意味を有することから、本願商標全体として「環境に配慮した建物の改築・改造」程の意味合いを容易に理解、認識させるといえるものである。
ところで、「ecoなリフォーム」の文字及び「eco」の読みを片仮名で表した「エコなリフォーム」の文字が、建築業界において、一般に使用されている事実は、原審において提示した証拠に加えて、次の記事からも裏付けられるものである。
(ア)「ミサワホーム株式会社」のウェブサイトにおいて、「ECOなリフォーム」の項に、「ミサワホームではリフォームにおいてもECOをテーマに様々なメニューをご用意しています。(略)リフォーム後のCO2排出量や光熱費削減効果を算出するミサワホームオリジナルのシュミレーションソフトで経済性・環境貢献度を確認いただけるので、家計と地球環境にやさしい効率的なリフォームを行うことができます。」との記載(http://www.eco.misawa.co.jp/eco_answer/make_over/index.html)。
(イ)「株式会社日進堂」のウェブサイトにおいて、「Reform ecoなリフォーム」の項に、「ecoなリフォーム 地球にやさしい、お財布にやさしいリフォーム」との記載(http://www.nissindo.net/reform/index.html)。
(ウ)「株式会社セムコシステム阪神 リフォーム事業部」のウェブサイトにおいて、「環境にやさしい、ecoなリフォームならリフォーム・パートナーにおまかせください!!」との記載(http://reform-partner.com/)。
(エ)「株式会社わたなべ内装舎」のウェブサイトにおいて、「節電できるエコな採光ブラインド。浴室、浴槽、内装のエコなリフォームはMr.リニューアル岡山店/岡山県岡山市」との記載(http://www.mr-renewal-okayama.com/pc/index.html)。
(オ)「株式会社田中工務店」のウェブサイトにおいて、「Ecoなリフォーム」の項に、「全部壊して建て替しなくても、暖かい、明るい、使いやすい、しかも自然素材を使った自分たちの家。耐震補強で安心の家にできる!それが、田中工務店の『ecoなリフォーム』」との記載(http://tanakakoumuten.jp/eco_reform/index.html)。
(カ)「株式会社ニイダニ」のウェブサイトにおいて、「革新的な塗料、建材を利用し、住環境の改善、資材の長寿命等の効果をもたらす、エコなリフォーム工事をご提案いたします。(略)環境に配慮した施工は住むほどにその安全、快適さがご実感いただけるものです。ご家庭の未来のために、エコなリフォームはじめませんか?」との記載(http://www.niidani.co.jp/)。
(キ)「フジオックス株式会社」のウェブサイトにおいて、「住宅リフォーム」の項に、「エコリフォームプラザ エコなリフォームをご提案」及び「エコリフォームプラザでは、キッチン・お風呂などの水周りのリフォームをはじめ、太陽光発電・オール電化やLED照明など、お客様の生活に合った最適なエコを経験豊富なスタッフがご提案しております。」との記載(http://www.fujiox.jp/mbf/index.html)。
(ク)「ちょっとひとやすみ」と称するウェブサイトにおいて、「2011-01-24(Mon) エコなリフォーム」の見出しのもと、「エコハウスリフォームは、自然素材と省エネが調和した、人と環境と家計に優しいリフォームです。(略)デザイン性がよく、家計にもやさしいエコリフォームを、担当者が予算を最大限にいかしながら、適正価格で提供してくれます。」との記載(http://yamayo2968.blog4.fc2.com/blog-entry-254.html)
以上の事実よりしても、リフォームを手掛ける建築業界において、「ecoなリフォーム」及び「エコなリフォーム」の各文字は、「自然環境や住む人の健康に配慮した、又は経済的なリフォーム」であることを表すものとして取引上一般に使用されていることが認められる。
そうとすれば、本願商標「ecoなリフォーム」の文字は、その指定役務中リフォーム工事に関連する役務との関係において、「自然環境や住人の健康に配慮した、又は経済的なリフォーム」との意味合いを認識させるに止まるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標を、その指定役務中「住宅・ビルその他の建造物のリフォーム工事,台所・浴室・床・壁のリフォーム工事,室内のリフォーム工事,住宅・ビルその他の建造物の内外装のリフォーム工事,その他のリフォーム工事,住宅・ビルその他の建造物のリフォーム工事に関する情報の提供,住宅・ビルその他の建造物のリフォーム工事の請負及びその媒介,住宅・ビルその他の建造物のリフォーム工事に関する監督・助言又はコンサルティング」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「自然環境や住人の健康に配慮した、又は経済的なリフォーム工事」を内容とする役務であると認識し、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというべきであり、かつ、前記役務以外の役務に使用するときは、その役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、「本願商標中、語頭を占める『ECO』は、『環境にやさしい』と『経済的に節約した』等の多義を認識させる語であり、『な』を有することによって、語調に緩やかな抑揚を生じることとなり、全体として柔和な感じを醸し出すものとなっている。本願商標は、造語であって、指定役務の品質を具体的に表示するものではない。」旨主張している。
しかしながら、本願商標「ECOなリフォーム」の文字は、前記のとおり、リフォームを手掛ける建築業界において、取引上一般に使用されている実情にあることから、リフォームに関連する役務との関係において、取引者、需要者に「自然環境や住人の健康に配慮した、又は経済的なリフォーム」であることを認識させ、役務の質(内容)を表示したものと理解させるに止まるというべきであるから、仮に本願商標が柔和な感じを醸し出したり、造語であるとしても、それらを理由に、本願商標が直ちに自他役務を識別する機能を果すということはできない。
よって、請求人のいずれの主張も採用することはできない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が、商標法第3条第1項柱書に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消した。
しかしながら、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定の拒絶の理由は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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