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Trademark Appeal Case

ITジャパンの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−11671(T2010−11671/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ITジャパン」の文字を標準文字で表してなり、願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年8月1日に登録出願されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成21年7月6日付け手続補正書により、別掲のとおり補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ITジャパン』と標準文字で表してなるところ、構成中の『IT』の文字は、『情報技術』を意味を有し、情報通信技術からその応用利用場面まで広く使用されているものであるから、本願商標に接する需要者、取引者は、本願商標を一連一体の造語として認識するというよりは、『IT』の文字に、日本国名を表す語としてしばしば用いられている『ジャパン』の文字を単に付したにとどまるものと理解するというのが相当である。そうとすれば、本願商標は、その指定商品・指定役務中、『電気通信機械器具,電子応用機械器具やこれに包含されるコンピュータプログラム』に使用しても、その商品が『情報技術(IT)によるもの』であることと『日本の技術によるものあるいは日本製』であることを一連に表したものと取引者・需要者に理解させるに止まるものである。また、本願商標を、上記以外の商品・役務に使用するときは、『商品又は役務の記号・符号』等を表示するものとして使用されている一類型であるローマ字二文字の『IT』の文字と『日本製』であることを一連に表したものと取引者・需要者に理解させるに止まるものである。したがって、本願商標は、これに接する需要者、取引者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「ITジャパン」の文字を表してなるところ、該文字よりは、欧文字2字「IT」と、「日本」を表すものとしてよく知られている「ジャパン」の片仮名とを組み合わせたものとして、容易に認識されるとみるのが相当である。

ところで、アルファベットの大文字2字である「IT」の文字は、「Information Technology」の略語であって、「情報(関連)技術の総称。コンピュータなどのソフトウェア、ハードウェアの利用技術からインフラとしての情報通信技術全般まで、その意味するところは広い。」(標準パソコン用語事典 最新2009〜2010年版)を意味する語であり、近年のIT技術の発達により、その技術は多くの分野の商品・役務に利用されているところである。

そうとすれば、「IT」の文字は、その指定商品・役務中、IT関連の商品・役務といえる、第9類「電気通信機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」、第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、第37類「電子応用機械器具の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」との関係においては、その商品の品質、又は、役務の質を表すものというべきであるから、自他商品及び役務の識別機能を果たし得ないか、極めて弱いものというべきである。

また、「IT」の文字は、前記「IT関連の商品・役務」以外の商品・役務との関係において、欧文字2字が、商品・役務の品番、型番、等級等を表示する記号、符号として、多くの商品・役務の分野において一般的に、採択、使用されている実情からすれば、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章といえるものであるから、前記「IT関連の商品・役務」以外の商品・役務に使用しても、自他商品及び役務の識別機能を果たし得ないか、極めて弱いものというべきである。

さらに、「ジャパン」の文字は、「国名」を表すものとして広く一般に良く知られているものである。

してみれば、「ITジャパン」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品・役務中、前記「IT関連の商品・役務」に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、情報技術(IT)に関連する商品・役務(商品の品質、又は、役務の質)と国名とを組み合わせたものと理解、認識するに止まるものであり、また、「IT関連の商品・役務」以外の商品・役務に使用した場合、欧文字2字(極めて簡単で、かつ、ありふれた標章)と国名とを組み合わせたものと理解、認識するに止まるものであるから、結局、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標といわざるを得ない。

(2)なお、請求人は、「『ITジャパン』の文字からなる本願商標が、不可分一体の一連の識別力のある造語商標と考えるべきである。」旨主張する。

しかしながら、本願商標が、たとえ造語商標であるとしても、表示自体が、商品の品質、又は、役務の質を表す語と国名を表す語とを組み合わせてなることを容易に認識させるものであって、格別、商標として機能すべき顕著な部分も有していないものであること前記(1)のとおりであるから、請求人の主張は、採用の限りでない。

さらに、請求人は、過去の審決例及び登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張する。

しかしながら、商標の識別性の判断については、各商標につきそれぞれの構成態様や指定商品・役務の取引の実情等を勘案し、個別具体的に判断されるべき性質のものであるばかりなく、請求人の主張している審決例及び登録例をもって本件の判断が拘束されるものでないことから、かかる請求人の主張も採用の限りでない。

(3)以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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