sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼の類似性:語尾の長音とウ音

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−9874(T2010−9874/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、「SEIKYO」の欧文字と該欧文字よりやや小さい「セイキョー」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年7月2日に登録出願、指定役務については、原審における同20年10月14日付け及び当審における同22年5月10日付け手続補正書により、最終的に、第35類に属する別掲2に記載のとおりの役務に補正されたものである。

2 引用商標

(1)登録第38736号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲3のとおり、「誠鏡」の文字を縦書きしてなり、明治42年10月1日に登録出願、第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月8日に設定登録され、その後、昭和4年8月31日、同25年9月25日、同45年11月25日、同55年7月31日、平成元年10月23日、同11年8月3日、同21年11月24日の7回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同11年9月16日に、第33類「清酒」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

(2)登録第5105454号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲4のとおりの構成よりなり、平成19年4月27日に登録出願、第29類「干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,味付焼きのり,干し青のり,その他の乾燥処理した加工水産物」を指定商品として、同20年1月18日に設定登録がなされたものである。

(3)登録第5107862号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲5のとおり「聖教」の文字を横書してなり、平成18年8月9日に登録出願、別掲6に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年1月25日に設定登録がなされたものである。

以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断

本願商標は、「SEIKYO」の欧文字と該欧文字よりやや小さい「セイキョー」の片仮名文字とを上下二段に書してなるところ、これらの文字は、特定の意味合いを有する語ではないから、その構成文字に相応して「セイキョー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

一方、引用商標1は、「誠鏡」の文字を縦書きしてなるところ、これは特定の意味合いを有する語ではないから、その構成文字に相応して「セイキョウ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

引用商標2は、別掲4のとおり、左上に「成京」の文字を書し、その下に韓国の地図を表したとみられる線書きの図形を表し、その中に「ちずしるし」の文字とハングル文字3字を書し、この地図状の図形の右下に擬人化した海苔とみられる図形を配してなるものである。

そして、これらの文字と図形とは常に一体のものとして把握しなければならない格別の理由もないことから、構成中の「成京」の文字に着目して取引に資することも少なくないものであるところ、該文字は、特定の意味合いを有する語ではないから、その該文字に相応して「セイキョウ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

引用商標3は、別掲5のとおり、「聖教」の文字を書してなるところ、これは「聖人の教え。」の意味を有する(株式会社岩波書店「広辞苑 第六版」)語であるから、該文字に相応して「セイキョウ」の称呼を生じ、「聖人の教え」の観念を生ずるものである。

そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標から生じる「セイキョー」の称呼と引用商標から生じる「セイキョウ」の称呼とを比較すると、両者は、ともに4音という比較的短い音構成において、語頭を含む「セイキョ」の3音を共通にし、語尾において長音「ー」と「ウ」の音の差を有するのみである。

しかして、該差異音である長音「ー」と「ウ」の音にしても、いずれも明確に聴取し難い語尾に位置する音であるばかりでなく、前者の長音「ー」は、前音「キョ」の母音(o)の音をそのまま延ばすものであり、後者の「ウ」の音は、前音「キョ」の母音(o)と二重母音を形成する結果、前音の母音(o)から一音節として途切れなく発音されるものであることからすれば、両者は、ほぼ同一の音として聴取されるものである。

そうとすれば、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似したものとなり、称呼上互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、称呼において互いに相紛れるおそれのある類似の商標といい得るものである。

また、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品と類似の役務と認められるものである。

なお、請求人は、「外観、称呼及び観念の三要素のうち、仮に一つの要素において同一又は類似するものであっても、他の二つの要素において著しく相違する場合や、その他の取引の実情等によって、何ら商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのない事情があるときは、類似商標には当たらないと解すべき」旨主張している。

しかしながら、商標法第4条第1項第11号の適用に関しては、「商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(東京高裁 平成11年(行ケ)第422号判決 平成12年6月13日言渡)。」との判示がなされている。

してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼においてほぼ共通するものであって、当該指定役務について出所の混同のおそれはないとするべき特別の事情が存在すると認められないから、本願商標と引用商標とは、出所の混同を生ずるおそれがあるものというべきである。

また、請求人は、自己の所有する登録商標について言及し、これらと同様に本願商標と引用商標とが非類似とされるべきである旨主張しているが、両商標が互いに類似するものであることは上記のとおりであり、引用商標は現に有効に存続するものである。

よって、請求人のいずれの主張も採用することはできない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。