Trademark Appeal Case
THE VITAMIN SHOPPEの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−11595(T2009−11595/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「THE VITAMIN SHOPPE」の欧文字を標準文字で表してなり、第3類、第5類、第16類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成18年3月2日に登録出願され、指定商品及び指定役務については、原審における平成19年8月16日付け手続補正書により、別掲1のとおりに補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『ビタミン・栄養サプリメントの専門店』程の意味合いを認識させる『THE VITAMIN SHOPPE』の文字を普通に書してなるものであるから、これを指定役務中、『小売店サービス』に照応する役務に使用するときは、上記内容の役務を認識させるにとどまり、単に役務の質または役務の提供の用に供する物を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知書(要旨)
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成22年8月17日付けで証拠調べの結果を通知するとともに、以下のとおり、商標法第3条第1項第3号に該当することを通知した。
本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願指定商品及び指定役務との関係についてみれば、近年の健康志向を背景に、専門店により、ビタミン、ミネラル等を原材料とした各種加工食品や化粧品等が製造・販売されている実情が窺い知れるものであり、昨今、いわゆるサプリメントや各種加工食品等を販売している店舗において、医薬品や化粧品の他、菓子、インスタントラーメン、清涼飲料水、家庭用品、文房具等の日用雑貨等の様々な商品を幅広く取り扱うことは、通常行われているところである。
してみれば、本願商標を本願指定商品及び指定役務中、上記に照応する商品及び役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品または役務が「ビタミンショップで販売している商品」であること、または、「ビタミンショップで販売している商品に係る役務」であること、すなわち、商品の販売場所及び役務の提供場所を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品及び役務の識別標識としては機能し得ないものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものと認められる。
4 当審における証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
(1)本願商標の構成中の「THE」の語は、英語の定冠詞であって、一般的な人又は物を指すのではなく、特殊化された又は特定された人又は物を指すものである。そうすると、本願商標は一定程度に特殊化された又は特定された「VITAMIN SHOPPE」なのである。また「THE」が冠されることにより「VITAMIN SHOPPE」が特殊化又は特定されるのであるから、「THE VITAMIN SHOPPE」を全体として一体不可分の構成と考えるべきである。
(2)本願商標の構成中の「SHOPPE」の語は一般に使用される辞書に掲載されておらず、我が国において馴染みのない英語であるから、「ショッペ」と称呼されるのが自然であり、また、「ショップ」の片仮名表記も抽出されない。
(3)証拠調べ通知書における新聞記事情報及びインターネット情報は、すべて片仮名表記の「ビタミンショップ」に関するものである。したがって、「ビタミンショップ」の片仮名表記が各種ビタミン剤、ミネラル剤等の販売場所等をあらわすものとして一般に理解されている実情は、本願商標「THE VITAMIN SHOPPE」の識別力の有無の判断に何ら影響を与えるものではない。
(4)以上より、本願商標が、取引者、需要者に「ビタミンショップ(ビタミン専門店)」の意味を暗示的に看取させることはあっても、直感させることはないといえることから、本願商標は十分に識別力を発揮する。
(5)本願商標と同態様の「THE VITAMIN SHOPPE」の文字商標が、米国において本願と同一の区分で登録されている。
また、請求人は、米国において1977年から営業活動を行い、ウェブサイト上での営業活動や製品の販売を10年以上にわたって行っており、その結果、本願商標は、請求人のハウスマークとして取引者、需要者間に広く知られている。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、「THE VITAMIN SHOPPE」と欧文字で表してなるところ、その構成中の「THE」の文字は、英語における定冠詞と認識、理解されるものであって、次に続く「VITAMIN」「SHOPPE」の文字部分を特定又は強調するために用いられる語であるため、「THE」の文字を冠したか否かによって、続く「VITAMIN」「SHOPPE」の文字部分の意味合いが変わるともいい得ないものである。
そして、「SHOPPE」の文字部分は、「[主に店名で]専門店」(ジーニアス英和大辞典 2001 大修館書店)を意味する成語であり、「ショップ」の読みを生ずるものであるから、本願商標は、その構成中「VITAMIN SHOPPE」の文字部分より、「ビタミンショップ(ビタミン専門店)」であることを容易に認識させるといえるものである。
そして、上記3の証拠調べ通知書(別掲2)において示した証拠から、「ビタミンショップ」の片仮名文字が、各種ビタミン剤、ミネラル剤等(いわゆる「サプリメント」)の商品の販売場所または該商品に係る役務の提供場所を表すものとして一般に使用されている事実が窺い知れるものである。
また、本願指定商品及び指定役務との関係についてみれば、近年の健康志向を背景に、専門店により、ビタミン、ミネラル等を原材料とした各種加工食品や化粧品等が製造・販売されている実情が窺い知れるものであり、昨今、いわゆるサプリメントや各種加工食品等を販売している店舗において、医薬品や化粧品の他、菓子、インスタントラーメン、清涼飲料水、家庭用品、文房具等の日用雑貨等の様々な商品を幅広く取り扱うことは、通常行われているところである。
してみれば、本願商標は、「THE VITAMIN SHOPPE」の文字を標準文字で表してなるにすぎず、これよりは「ビタミンショップ」程の意を、極めて容易に認識し理解させるものであり、これを、上記に照応する商品及び役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ビタミンショップで販売している商品」であること、または、「ビタミンショップで販売している商品に係る役務」であること、すなわち、商品の販売場所及び役務の提供場所を表示したものと認識し理解するにとどまるものであって、自他商品及び役務の識別標識としては機能し得ないものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものと認められる。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中の「THE」の語は、特殊化された又は特定された人又は物を指すものである旨、主張している。
しかしながら、「THE」の語は、英語の定冠詞であり、該語それ自体は特定の事物、事象を意味するものではなく、後に続く語を強調、誇称するものとして用いられることも多く、本願商標についても、「THE」の有無により、その意味合いが変わるものではないこと前記(1)のとおりである。
イ 請求人は、本願商標の構成中の「SHOPPE」の語は、一般に使用される辞書に掲載されていない、我が国において馴染みのない英語であり、「ショッペ」と称呼されるのが自然である旨、主張している。
しかしながら、「店」を意味する英単語としては、「SHOP」、「STORE」等の語が多く用いられていることを否定するものではないが、「SHOPPE」の語は、「[主に店名で]専門店」ほどの意味を表し、「ショップ」の称呼を生ずるものとして、上記(1)において引用した辞典以外にも、一般に使用されていると認められる各英和辞典(「新英和大辞典 第6版」株式会社 研究社、「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社 小学館 等)にも、成語として掲載されているものである。
また、上記意味合いにおいて、一般に使用されている実情があることも、以下のウェブサイトから窺い知ることができる。
(ア)「スゥイートショップ(The Sweet Shoppe)」(http://r.tabelog.com/osaka/A2701/A270107/27051429/)
(イ)「ELY ONLINE SHOPPE」(http://elyjp.ocnk.net/)
(ウ)「The Medicine Shoppe」(http://www.medicineshoppe.co.jp/)
したがって、請求人のこの主張も採用できない。
ウ 請求人は、提示した証拠が、片仮名の「ビタミンショップ」のみであるから、本願商標「THE VITAMIN SHOPPE」の識別力の有無の判断に何ら影響を与えない旨、主張しているが、該証拠からは、各種ビタミンを販売する店が、「ビタミンショップ」と称されている事実を確認することができ、また、我が国においては、欧文字を片仮名で表すことは、ごく一般的に行われているものであることからすれば、同様の意味合いが生ずる欧文字表記である本願商標も同様に認識されるといえるものであり、請求人の主張は採用できない。
エ 請求人は、「本願商標と同様の態様からなる商標が、米国において本願と同一の区分で登録された事実をもって、本願商標が自他商品等の識別標識としての機能を有する」旨、主張しているが、商標の識別性の判断は、各商標につき、それぞれの構成要素を勘案し、個別具体的に判断されるべき性質のものであるばかりでなく、我が国と外国とでは商取引の実情等を異にするものであり、外国における商標の登録制度と我が国のそれが同一のものと解釈しなければならない事情が存するものとは認められない。
そうとすれば、外国で登録されている事実をもって、我が国においても直ちに本願商標を登録すべきであるとはいえないことは明らかというべきであるから、請求人のこの主張も、採用することができない。
オ さらに、請求人は、本願商標が、ハウスマークとして広く知られている旨、主張しているが、我が国における周知著名性を証するものを何ら提出していないものであるから、該主張のみで、それを認めることはできない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)結論
以上からすれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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