Trademark Appeal Case
冗長な商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−9001(T2010−9001/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「不断水インサート工法バイト式パイプカッター切断工法」の文字を標準文字で表してなり、第37類に属する出願時の願書に記載の役務を指定役務として、平成21年3月6日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、原審における同年10月5日付け手続補正書をもって、第37類「通水状態で行う上水道管の管工事,通水状態で行う上水道管の管工事の監理,通水状態で行う上水道管の管工事に関する助言及び情報の提供,通水状態で行う上水道管の管工事に使用する建築設備の運転・点検・整備,通水状態で行う上水道管の管工事に使用する土木機械器具の貸与,通水状態で行う上水道管の管工事に使用する土木機械器具の修理又は保守」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『不断水インサート工法バイト式パイプカッター切断工法』の文字を普通に用いられる方法で書してなり、全体として『部材等を挿入することにより断水しない状態で提供される加工・工事などにおける方法、及び旋盤や平削盤で金属切削に用いる刃物を用いた鋼管用及び銅管用の切断用工具を使った切断方法による工事等役務』であると理解させるにとどまり、単に役務の質(内容)、用途を表示するにすぎないものと認める。また、本願商標は使用により識別力を有するに至ったものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋の要点
当審において、請求人に対し、平成23年1月21日付けで送付した審尋の内容は、次のとおりである。
(1)商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品・役務の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。 そして、かかる商標の本質や機能から、一般に、事業者は記憶されやすい文字や図形などを商標として採択し、その一方でそれ自体記憶され難い、構成が散漫なものや極めて冗長なものは商標として採択せず、また、需要者は商品や役務について使用されている商標の構成全体、又はその構成中のそれ自体が独立して自他商品・役務識別標識として機能する部分を、当該商品や役務の商標としてとらえ記憶している実情にあるといえる。
(2)そこで、本願商標についてみると、本願商標は、上述のとおり「不断水インサート工法バイト式パイプカッター切断工法」の25文字を同書、同大、等間隔で一連に表してなり、その構成文字全体から、「フダンスイインサートコウホウバイトシキパイプカッターセツダンコウホウ」の34音(促音及び長音を含む。)の称呼を生じ、特定の意味合いを生じさせないものである。
そして、本願商標は、25文字の構成及び34音の称呼がいずれも極めて冗長であるうえ、全体として容易に記憶し得るような特定の意味合いを生じないことと相まって、需要者にとってその全体を記憶し難いものとみるのが相当である。
また、本願商標は、その構成上述のとおりであるから、文字の書体、大きさなどの構成から特定の文字部分が着目され記憶されるものとはいえないものである。さらに、本願商標は、その構成文字の種類及び意味合いから、例えば、「不断水」「インサート工法」「バイト式」「パイプカッター」及び「切断工法」の各語を結合してなるものといえるが、これらの語は、いずれも本願商標の指定役務の質などを表すものであって、自他役務識別標識としての機能を有しないか、あるいは弱いものであるから、需要者がそのいずれかの語を分離抽出し商標として認識するものとはいえないものと判断するのが相当である。また、本願商標の構成文字の種類及び意味合いから本願商標の結合要素といい得る他の語についても同様である。
(3)そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、需要者がその構成全体、又はその構成中の一部を商標として認識することができないものであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識できない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
なお、この審尋と原審における拒絶査定の理由とは、適用条文が異なっているが、いずれも本願商標が自他役務識別標識としての機能を果たし得ないとするものであるから、両者の内容は実質的に相違するものではない。
4 当審における審尋に対する意見
請求人は、上記3の審尋に対して、指定した期間を経過するも回答書(意見書)を提出していない。
5 当審の判断
本願商標及びその指定役務は前記1のとおりである。
そして、前記3の審尋に記載したとおり、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、需要者がその構成全体、又はその構成中の一部を商標として認識することができないものであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識できない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。
これに対し、請求人は何らの回答もない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものといわなければならない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。