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結論

勝訴(請求認容)

商標「AH PLUS」:「PLUS」の要部抽出と称呼類似性(第4条第1項第11号|審判不服2010−20883(T2010−20883/J1))

審判番号
不服2010−20883(T2010−20883/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「AH PLUS」
争点(論点)
「PLUS」の要部抽出と称呼類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2010−20883(T2010−20883/J1)・不服)は、本件商標「AH PLUS」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「「PLUS」の要部抽出と称呼類似性」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「AH PLUS」の文字を標準文字で表してなり、第5類「歯根管密封剤,その他の歯科用材料,歯科用剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成21年4月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『プラス』の称呼を生ずる登録第434141号の1商標、同第463278号商標、同第2098289号商標、同第2098290号商標及び同第4325885号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「AH PLUS」の文字を表してなるところ、「AH」及び「PLUS」の各文字部分の間に1文字分の間隔があるとしても、これを構成する各文字は、同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。

そして、本願商標の構成中、「AH」の語は、本願の指定商品との関係において、取引上類型的に採用されている商品の品番・型式・規格等を表す記号・符号として認識されるものとみるのが自然である。

そうとすれば、本願商標の構成中、「AH」の語は、自他商品の識別標識機能が無いというのが相当である。

他方、「PLUS」の語及び外来語となり我が国においてよく知られている「プラス」の語は、「ランダムハウス英和大辞典」(小学館 2002年1月10日発行)によれば、「そのほかに何かの、プラスアルファの、好条件」などの意味を有し、「広辞苑 第六版」(岩波書店 2008年1月11日発行)によれば、「有利なこと。よいこと。」などの意味を有する。そして、ある商品に「PLUS」又は「プラス」の語の有無を有するものがあることが、下記のインターネットのウェブサイトよりうかがえる。

(1)「第一三共ヘルスケア」に係るウェブサイトにおいて、「製品名・ブランドで選ぶ」の見出しの下、「総合感冒薬」の項に、「第一三共胃腸薬プラス細粒」及び「第一三共胃腸薬プラス錠剤」と「第一三共胃腸薬〔細粒〕」及び「第一三共胃腸薬〔錠剤〕」との記載(http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/brand/ds_ichoyaku/index.jsp)。

(2)同上サイトにおける、同上見出しの下、「整腸薬」の項に、「パンクラミンプラス」と「パンクラミン錠」との記載

(http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/brand/panlacmin/index.jsp)。

(3)「エーザイ株式会社」に係るウェブサイトにおいて、「製品情報」の見出しの下、「チョコラBB」と「チョコラBBプラス」との記載(http://www.eisai.co.jp/products/index.html)。

(4)「海外医薬品個人輸入代行」に係るウェブサイトにおいて、「骨粗鬆症治療薬」の見出しの下、「商品名」の項に「フォサマックス (Fosamax )、フォサマックスプラス (Fosamax Plus)」との記載(http://www.drugexp.jp/--c-7_39.html)。

(5)「ゼリア新薬」に係るウェブサイトにおいて「製品情報」の見出しの下、「こんな時ペパリーゼシリーズ」の項に、「新ペパリーゼドリンク」と「新ペパリーゼプラス」との記載(http://www.hepa.jp/product/)。

これらのことからすると、「PLUS」及び「プラス」の各語は、ある商品名に付され、連続性をもつ一連の商品のうちの1つとして、一連の商品の他の商品と比較し、「そのほかに何か加えた」程の意味合いを持たせ、その商品のうちで差別化する語として商品の品質などを表すものとして取引上普通に使用されているということができる。

そうとすれば、本願商標の構成中、「PLUS」の語は、自他商品の識別標識機能が弱いというのが相当である。

以上のことから、上記のとおりの構成からなる本願商標は、「PLUS」の文字のみが、本願商標に接する取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるということはできず、また、その他、該文字のみを殊更に分離、抽出して取引に資するというべき特段の事情を見いだすこともできないから、本願商標は、その構成全体をもって一体的に把握され、これに照応して、「エイエッチプラス」との一連の称呼のみを生ずるというべきである。

したがって、本願商標から「プラス」の称呼をも生ずるとし、その上で、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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