1 本願商標
本願商標は、「うす軽」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成20年5月29日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『薄くて軽い』程度の意味合い以外認識させ得ない『うす軽』の文字を書してなるところ、『うす軽』は、前記の意味合いで身につけるセーター、下着等に使用されていることがインターネット情報等で確認できることから、これをその指定商品中、前記の意味合いに相応する商品、例えば『生理用ナプキン,生理用パンティ,失禁用ナプキン,失禁用パッド,失禁用パンツ,失禁用ライナー,大人用紙おむつ,失禁用おしめ,失禁用吸収性ショーツ・ブリーフ及びトランクスその他の失禁用吸収性下着』に使用しても、前記の意味合いを表したものと認識されるに止まり、単に、商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「うす軽」の文字を書してなるところ、該文字は、特定の意味合いを有する成語ではないものの、衣服等を取り扱う業界において、コートやバスタオル等で、その生地が薄く、重さも軽量であることを謳った商品について、「薄くて軽い」といった意味合いを「うす軽」と称して使用されている事実があることは、原審説示のとおりである。
しかしながら、原査定において、例示された商品「生理用ナプキン,生理用パンティ」等を取り扱う業界では、一般に肌にやさしい素材、モレ防止機能、はき心地などを重視し、既存の商品をさらに改良、販売しているのが実情である。
そうすると、「うす軽」の文字は、本願指定商品に使用された場合、直ちに「薄くて軽い」というような意味合いを認識するとまではいうことができない。
さらに、当審における職権調査によれば、本願の指定商品について、商品自体が「薄くて軽い」商品があるとしても、それを「うす軽」と称して普通に使用されている事実も発見することができない。
してみれば、本願商標は、全体として特定の観念を想起させない一種の造語よりなるものというべきであるから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであって、かつ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないとみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。