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Trademark Appeal Case

商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−300770(T2010−300770/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5023982号商標の指定商品中、「洋酒,果実酒」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5023982商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成18年5月24日に登録出願され、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味種」を指定商品として、同19年2月9日に設定登録されたものである。

なお、本件審判請求の登録は、平成22年7月28日にされている。

第2 請求人の主張

1 請求の趣旨

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証(枝番を含む。ただし、以下、枝番のすべてを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。また、「甲第○号証」の表示は、単に「甲○」と簡略表記する場合がある。)を提出している。

2 請求の理由

(1)本件商標は、その指定商品中第33類「洋酒,果実酒」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

ア 本件事案の対象について

本件審判請求は、本件商標が「洋酒,果実酒」に使用されていないことを理由としてその登録の取消を求めているものであるのに対して、「本件商標を『ビール』について使用している」との被請求人の主張及び各証拠は、「洋酒,果実酒」のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明するものではなく失当である。

イ 乙各号証による使用事実の立証について

被請求人が提出したいずれの「商標の使用の事実を示す書類」(乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。))においても、第33類「洋酒,果実酒」について本件商標が使用されている事実は認められない。

(ア)商標登録第5001943号の商標登録証(乙第1号証の1及び2)について

標記登録証は、本件の対象である商標登録第5023982号とは何ら関係がない。

(イ)「商標権使用許諾契約書」(乙第2号証)について

商標登録第491690号及び同第5001943号についての使用許諾契約書は、同第5023982号を対象とする本件とは何ら関係がない。

(ウ)「売上日計表」(乙第4号証)について

「売上日計表」は、店舗名「ノープラン」に係る業務(飲食物の提供)を示すに過ぎず、本件商標「HULA GIRL」が「洋酒,果実酒」について使用されている事実を示すものではない。

(エ)「お会計票」(乙第5号証の1ないし4)について

「お会計票」において、「洋酒,果実酒」について、本件商標「HULA GIRL」が使用されている事実は認められない。

(オ)「写真」(乙第3号証)について

店舗「ノープラン」の扉とその内側に貼付された「メニュー」の写真と推認される。しかしながら、当該写真の撮影日が不明であるため、本件の請求に係る指定商品「洋酒,果実酒」のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明する証拠としては、認められない。

ウ 店舗「ノープラン」について

被請求人が提出した証拠のうち、「写真」(乙第3号証)は、「撮影日」、「撮影場所」及び「撮影者」がいずれも不明である。

1枚目の写真に示されている店舗の扉には「NO PLAN」との店舗名が認められるが、その一方で、その内側に貼付された「メニュー」には、本件商標と近似する「HULA GIRL」との表示が付されている。通常、飲食店のメニューには、店舗名が表示されることが一般的である実情を鑑みると、当該店舗がスタジオとして貸与された際に当該写真が撮影されたものとも推認し得るものである。

店舗「ノープラン」が、「飲食物の提供」を行っていると推認される(甲5及び6)が、いずれの資料においても、本件商標に係る商品「洋酒,果実酒」が市場において流通されたとの事実は認められない。

エ 商標法上の「商品」について

被請求人は、通常使用権者の店舗「ノープラン」において、本件商標が付された「洋酒,果実酒」が顧客に提供されたことをもって、本件商標が本件の請求に係る指定商品に使用されている事実を示す、と主張していると理解される。

しかしながら、店舗「ノープラン」において顧客に提供される「洋酒,果実酒」は、商標法上の「商品」には該当しないことから、請求人のかかる主張は失当である。

オ 結語

上述のとおり、本件商標は、その指定商品中「洋酒,果実酒」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないことが明らかである。

よって、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

第3 被請求人の主張

1 答弁の趣旨

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。ただし、以下、枝番のすべてを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。また、「乙第○号証」の表示は、単に「乙○」と簡略表記する場合がある。)を提出している。

2 答弁の理由

(1)概要

同日付けの取消審判(2010−300769)添付の証拠を引用する。

(2)本件商標は、通常使用権者である東京都港区東麻布在スタジオムーンラビット田中(以下、「ムーンラビット田中」という。)により、本件商標の指定商品「ビール」について、平成21年9月14日より現在に至るまで継続して日本国内で使用するものである。

したがって、本件商標が取り消されなければならない理由は全く存在しない

(3)被請求人は、主に被服の製造者、卸売業者、小売業者等より注文を受けてT−シャツ、スエットシャツ、シャツ、パウスカート、ハンカチタオル、帽子、ソックス、キーホルダー、髪飾り、エアーフレッシャーなど多種多様な商品を製作することを業務とするものであるが、近年のフラダンスブームまた、フラガールの映画のヒットにより、洋品を扱っていない店舗でも、仲間を集い同じプリント柄のT−シャツなどを受注することによって、売上の促進になるものと考え、販売する生ビールにフラガール生ビールとして販売を依頼したものである。

2009年9月14日に現通常使用権者であるムーンラビット田中と使用契約を締結して現在に至るものである(乙2)。

(4)使用説明書について、先ず本件商標が通常使用者により、日本国内での使用の事実を示す証拠として、店舗の写真(乙3)と日計明細(乙4)、お会計票(乙5)を提出する。これにより本件商標の使用の実体が明らかである。

また、日計明細書の上部に有る「NO PLAN」の文字から、通常使用権者のものであることが証明される。

次に、本件商標が本件取消し審判の請求の登録前3年以内に日本国内で使用されている事実を示すものとして、ノープランの日計明細(乙4)、これらの日付から、本件商標が本件取消審判の請求の登録前3年以内に日本国で使用されている事実が充分に証明される。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標は、通常使用権者であるムーンラビット田中により、本件商標の指定商品中第33類「洋酒,果実酒」について、本件取消審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において使用されている事実は明らかなものである。

したがって、本件商標が商標法第50条第1項の規定に該当するものであるとする請求人の主張が不当なものであることは明らかである。

よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求める。

第4 当審の判断

1 本件取消請求に係る指定商品は、「洋酒,果実酒」であるところ、被請求人は、本件商標は、通常使用権者であるムーンラビット田中により、「洋酒,果実酒」について、平成21年9月14日より現在に至るまで継続して日本国内で使用している旨主張している。

そこで、本件商標の使用事実について、以下、検討する。

2 事実認定

(1)乙第2号証は、2009年9月14日に、被請求人と、ムーンラビット田中の両者間で締結された「商標使用許諾契約書」と題する書面であるところ、冒頭部分には、「新妻勝彦(以下甲という)ムーンラビット田中(以下乙という)は、甲の所有する商標登録第4916904号(契約書に記載されている第491690号は誤記と認められる。以下、同じ。)商標及び登録第5001943号商標について次のとおり商標使用許諾契約を締結する。」旨が記載されているものの、本件商標については記載されていない。

(2)乙第3号証は、縦に並べられた3枚の店舗に関する写真であり、上から1枚目の写真は入り口ドア付近のもので、同ドアの透明ガラス外側には「BAR/NO PLAN」の表示があり、その内側には上部中央に「メニュー」と記載され、その内容として「マラサダ各¥300/・・・ビール¥800/サワー各¥800円(レモン/ライム/グレープフルーツ/焼酎炭酸)」等の記載及び左上部にハイビスカスの花とおぼしき絵をその左下から右上90度の角度の円弧状に「Hula Girl」の文字を配し、また最下部に「HULAGIRL」の文字が記載されているものであり、2枚目の写真は店内の壁に貼られた4枚の飲み物に関する値段の書かれた貼り紙で、そのうち左から2枚目には上部に「HULA GIRL/生ビール」下部に「¥800円」と表示されているものであり、同じく左から3枚目には「HULA GIRL/レモンサワー/グレープフルーツサワー/その他各種」下部に「¥800円」と表示されているものであり、3枚目の写真はカウンターにシェーカー、タンブラー、カクテルグラスなどとともに置かれた入り口ドアーに貼られていたメニューリストと同一内容が記載されたメニューリストのものである。

(3)乙第4号証は、4枚の日計明細表であり、いずれも上部に「NO PLAN/住所 港区六本木5−11−31/電話番号」が表示され、その下に精算日(左から順に2010年3月20日、同年4月17日、同年5月11日及び同年6月4日)、売上品目(例えば、「Beer/Wine」「Bourbon」「Vodca」等)、点数及び金額などが記載され、下部には総売り上げの点数及び金額などが記載されている。

(4)乙第5号証は、いずれも上部に「Check Sheet/お会計票」と記載され、その下に内容として日付、売上品目、個数及び金額などが記載されている伝票であり、乙第5号証の1は、2010年3月19日付けで、「お茶漬け/1/800」、「フラ生/1/800」、「カクテル/1/500」等の記載、乙第5号証の2は、同年4月16日付けで、「チャージ/2/1000」、「ワイン/1/1000」等の記載、乙第5号証の3は、同年5月10日付けで、「バーボン/2/4000」、「フラ生/1/800」、「水割/1/1000」等の記載、乙第5号証の4は、同年6月3日付けで、「ジントニック/1/1200」等の記載がされているが、店舗名や商標などの表示は一切記載されていない。

3 上記2の認定事実を総合すると、乙第2号証の「商標使用許諾契約書」は本件商標に関するものではないところからすれば、本件商標について田中が通常使用権者であるとは認められない。

仮に、ムーンラビット田中が本件商標権の通常使用権者であったとしても、ムーンラビット田中が経営する東京都港区六本木にあるバー「NO PLAN」の入り口ドアーに貼られた「サワー」を含むメニューリスト、カウンターに置かれた同様のメニューリスト及び壁に貼られた「レモンサワー」等の値段の書かれた貼り紙に、本件商標と社会通念上同一と認められる「HULAGIRL」等が表示されていたこと並びに本件審判請求の登録前3年以内の2010年3月から同年6月頃にかけて、同店内で「レモンサワー」「ワイン」等が顧客の飲食に供されていたことが推認されるものの、当該「レモンサワー」「ワイン」等は、飲食物の提供に供するものの一つにすぎないものであること、すなわち、店内で飲食に供され即時に消費される「レモンサワー」「ワイン」等を含むアルコールを含有する飲料等は、店内において提供されるものであるため、一般市場で流通に供されることを目的とする、いわゆる商標法上の商品とはいえないというべきである。

したがって、本件商標は、通常使用権者により、本件審判請求に係る指定商品中「洋酒、果実酒」のいずれかについて使用されていたとはいえないものである。

4 結論

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者がその請求に係る指定商品中「洋酒、果実酒」のいずれかについて使用していることを被請求人が証明したとは認められない。また、本件全証拠によっても、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品中「洋酒、果実酒」のいずれかについて使用していることを被請求人が証明したとは認められず、さらに、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも被請求人は明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、「洋酒、果実酒」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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