結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2010−23914(T2010−23914/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「アイズ」及び「EYES」の文字を二段に書してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年7月2日に登録出願された商願2007−073692に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成20年10月1日に登録出願、その後、指定役務については、当審における平成23年6月7日付け手続補正書により、第35類「工業用フッ素樹脂接着テープ(文房具類を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ガラスクロスを基材としたフッ素樹脂含浸工業用接着テープ(文房具類を除く。)・その他の工業用接着テープ(文房具類を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「工業用接着テープ等(文房具類を除く。)の小売等役務」という。)と補正されたものである。
原査定において、本願商標を商標法4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第3348989号商標(以下「引用商標」という。)は、「EYES」の文字を横書きしてなり、平成7年4月19日登録出願、第16類「印刷物,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。)」を指定商品として、平成9年10月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、原査定は、「本願商標と引用商標とは『アイズ』の称呼及び「目」の観念を共通にする類似の商標であり、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品中の『文房具類(『昆虫採集用具』を除く。)』とは類似のものであるから、本願商標は、商標法4条第1項第11号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標の指定役務と引用商標の指定商品中の「文房具類(『昆虫採集用具』を除く。)」の類否について
ア 商標法第2条第6項において、「この法律において、商品に類似するものの範囲には役務が含まれることがあるものとし、役務に類似するものの範囲には商品が含まれることがあるものとする。」と規定している。また、役務と商品とが類似するかどうかに関しては、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるかどうか、商品と役務の用途が一致するかどうか、商品の販売場所と役務の提供場所が一致するかどうか、需要者の範囲が一致するかどうかなどの事情を総合的に考慮した上で、個別具体的に判断するのが相当である(東京地方裁判所平成11年(ワ)第438号)。」と判示されているところである。
そして、小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供に係る取扱商品と譲渡(販売)に係る商品(商標法第2条第1項第1号)が一致する場合、すなわち、商品Aの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(以下「商品Aの小売等役務」という。)と商品Aとの関係においては、両者は、その役務の提供者と商品の販売者が同一事業者であることが一般的であり、商品Aの小売等役務が提供される場所と商品Aが販売される場所が一致し、需要者(顧客)の範囲も一致するものといえるから、両者に同一又は類似する商標が使用された場合,商品Aの小売等役務は、商品Aを譲渡(販売)する事業者の提供に係る役務であると誤認されるおそれがあるものと解される。
イ 以上を踏まえ,本願商標の指定役務「工業用接着テープ等(文房具類を除く。)の小売等役務」の取扱商品と引用商標の指定商品中の「文房具類(『昆虫採集用具』)を除く。」についてみると、「工業用接着テープ等(文房具類を除く。)の小売等役務」の取扱商品は、「工業用フッ素樹脂接着テープ(文房具類を除く。),ガラスクロスを基材としたフッ素樹脂含浸工業用接着テープ(文房具類を除く。)・その他の工業用接着テープ(文房具類を除く。)」(以下「工業用接着テープ等」という。)であって、小売等役務の各取扱商品からは、文房具類が除かれていることから、引用商標の指定商品中の「文房具類(『昆虫採集用具』)を除く。」との同一性はない。
しかし、原査定のとおり,文房具類には「接着テープ」が含まれることから,当該商品と本願商標の指定役務との関係においては、両者に誤認のおそれがあることを否定できない。
ウ そこで、本願商標の指定役務の取扱商品「工業用接着テープ等」と「接着テープ」との取扱い事業者、用途、販売場所、需要者の範囲等の異同について、以下検討する。
「工業用接着テープ等」は、産業用や工業用の用途として、工場等で使用されるものであるのに対し、「接着テープ」は、工作用や手芸用等の用途として、専ら、学校や家庭において使用されるものであるから、両者の用途は相違する。
次に、販売場所・販売形態についてみるに、「工業用接着テープ等」は、工業製品に応じて機能が特殊化されていることから、産業用及び工業用の商品を取り扱う専門の業者を通じて販売されるのが一般的であるのに対し、「接着テープ」は、主に文房具店やスーパーで販売されるのが一般的であるから、両者の販売場所・販売形態は相違する。
また、需要者についてみるに、「工業用接着テープ等」の需要者は、工業製品を製造・販売する事業者やそこで雇用された技術者や製造現場の作業者等であるのに対し、「接着テープ」の需要者は、学校関係者や一般需要者であるから、両者の需要者は相違する。
しかし、これらの製造者をみると、例えば、住友スリーエム株式会社や積水化学工業株式会社などの大手企業においては、様々なテープを製造している事実が見受けられることからすると、両者の製造者が相違するということはできない。
以上のとおり、「工業用接着テープ等」と「接着テープ」とは、同一事業者により製造されることがあるとしても、商品の用途、販売場所・販売形態及び需要者の範囲が相違するものである。
エ 小括
「工業用接着テープ等」と「接着テープ」の間における用途、販売場所・販売形態及び需要者の範囲等の相違を考慮すれば、本願商標の指定役務「工業用接着テープ等(文房具類を除く。)の小売等役務」と引用商標の指定商品中の「文房具(『昆虫採集用具』を除く。)」に同一又は類似する商標が使用されたとしても、同一事業主の提供に係る役務であると誤認されるおそれがあるということはできない。
したがって、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品中の「文房具(『昆虫採集用具』を除く。)」と類似するものとはいえない。
(2)結論
以上のとおり、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品中の「文房具(『昆虫採集用具』を除く。)」は、類似するものでないから、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品中の「文房具類(『昆虫採集用具』を除く。)」とが類似するものであるとして、その上で本願商標が商標法4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶理由は妥当ではなく、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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