sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−300606(T2010−300606/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4935500号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「サンミッシェル」の片仮名文字を横書きしてなり、平成17年7月20日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同18年3月10日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べた。

請求の理由

本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても、その全指定商品について使用されている事実を見出すことができない。したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されてしかるべきものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第53号証(枝番号を含む。)を提出した。

答弁の理由

1 洋菓子の販売事実

被請求人は、平成21年(2009年)10月から同22年(2010年)6月までの期間において、本件商標と同一の文字デザインの片仮名文字にて「サンミッシェル」と表示した個装フィルムに包装した洋風焼菓子(乙第3号証ないし乙第16号証)(以下、この菓子を「サンミッシェル洋菓子」という。)を合計24万6627個販売している。

この販売事実を乙第2号証の「サンミッシェル個装商品月別販売状況」によって証明する。なお、駆け込み使用期間に該当しない2009年10月〜2010年2月末までの販売個数の合計を乙第2号証の表の「10〜2月計」の欄に示す。

上記乙第2号証のサンミッシェル洋菓子の販売は、被請求人の101箇所の販売箇所(幼稚園、保育所向けの販売含む。)及びハローひよ子直送便による郵送にて販売しているが、この販売箇所の販売数量の内訳を乙第2号証の2に示す。

販売したサンミッシェル洋菓子の主なものを2009年10月から2010年6月までの販売個数と共に示すと以下のとおりである(売上記録の一部は、乙第45号証)。

(1)個別商品としては、

マドレーヌ(商品コード11601001)(乙第3号証)1個147円(税込み)販売個数22,712個

フィナンシエ(商品コード11601002)(乙第4号証)1個147円(税込み)販売個数19,534個

バレンシア(商品コード11601003)(乙第5号証)1個147円(税込み)販売個数21,926個

マーブルケーキ(商品コード11601004)(乙第6号証)1個147円(税込み)販売個数26,884個

プラムケーキ(商品コード11601005)(乙第7号証)1個147円(税込み)販売個数18,268個

いちじくケーキ(商品コード11601006)(乙第8証号)1個147円(税込み)販売個数17,920個

クッキー(チョコ)(商品コード11620006)(乙第9号証)1個84円(税込み)販売個数7,127個

クッキー(アーモンド)(商品コード11620007)(乙第10号証)1個84円(税込み)販売個数8,326個

クッキー(ピスタチオ)(商品コード11620008)(乙第11号証)1個84円(税込み)販売個数6,284個

ほうれん草クッキー(商品コード11680002)(乙第12号証)1個74円(税込み)販売個数1,802個

とうもろこしクッキー(商品コード11680003)(乙第13号証)1個74円(税込み)販売個数2,175個

(2)セット商品として販売し、セット商品中に「サンミッシェル」と表示した上記各洋菓子を詰め合せた詰合せ商品としては、

銘菓詰合せRA25(商品コード11801525)(サンミッシェル洋菓子6個入り)(乙第14号証)1箱2,625円(税込み)販売個数(箱)2,882個 販売個数(サンミッシェル洋菓子バラ換算)17,292個

銘菓詰合せRB25(商品コード11801526)(サンミッシェル洋菓子6個入り)(乙第15号証)1箱2,625円(税込み)販売個数(箱)1,526個 販売個数(サンミッシェル洋菓子バラ換算)9,156個

ポピイ・洋風焼菓子詰合せ(商品コード11816004)(サンミッシェル洋菓子10個入り)(乙第16号証)1箱2,121円(税込み)販売個数(箱)707個 販売個数(サンミッシェル洋菓子バラ換算)7,070個

(3)上記「マドレーヌ」の主な販売店毎の販売個数を見ると(乙第2号証の2)

飯塚店 451個

鞍手店 1,070個

サンリブ筑後店 668個

(4)また、上記「銘菓詰合せRA−25」の主な販売店毎の販売個数をみると(乙第2号証の2)

ゆめタウン大川店 119個

サンリブ古賀店 145個

ゆめタウン行橋店 268個等である。

(5)販売店舗での販売状況を示す写真は、乙第17号証ないし乙第20号証、及び、乙第36号証ないし乙第42号証、カタログ等の広告物については、乙第21号証、乙第26号証、乙第28号証、乙第30号証、包装フィルムの現物については、乙第32号証に示す。

なお、主な販売箇所の住所及び電話番号は、乙第43号証に示す。また、サンミッシェル洋菓子の販売価格は、乙第44号証に示す。

2 使用商標及び使用商品について

上記1のように、2009年10月〜2010年6月までの期間中に、被請求人が販売した商品は、「洋菓子(洋風焼菓子)」であるから、当該商品は、本件商標の指定商品である「菓子及びパン」の「菓子」と同一である。

また、上記商品の包装に付している「サンミッシェル」との横書き片仮名文字の商標は、本件商標とデザインを含めて同一であり、色彩もほぼ同一である(乙第1号証の2、乙第3号証等)。

さらに、各サンミッシェル洋菓子の製造者は、被請求人自身であり(乙第3号証ないし乙第16号証の包装フィルム、包装紙の製造者の欄参照)、各サンミッシェル洋菓子は、被請求人の日本国内の販売店舗(直営店又はスーパーマーケット等における被請求人の販売店舗、幼稚園向け等)に被請求人の商品として販売されているものであるから(乙第2号証の2、乙第17号証ないし乙第20号証、乙第36号証ないし乙第43号証、乙第45号証ないし乙第51号証)、本件商標を使用しているのは、商標権者である被請求人自身である。

以上のように、被請求人である本件商標の商標権者は、「サンミッシェル」との本件商標と同一の商標を付したサンミッシェル洋菓子を、少なくとも平成21年(2009年)10月から平成22年(2010年)6月までの間に、日本国内における被請求人の複数の販売店舗において販売のために展示し、かつ当該サンミッシェル洋菓子を日本国内の上記販売店舗等において24万6627個販売した。

すなわち、被請求人は、上記期間中に商品「洋菓子」の包装に本件商標「サンミッシェル」と同一の商標を付した商品「洋菓子」を販売のために展示し、かつ同商品を販売した。

また、上記販売の前提として、被請求人は、上記期間中に、商品「洋菓子」の包装に本件商標「サンミッシェル」と同一の商標を付する行為を行った。

また、被請求人は、上記期間中に、商品「洋菓子」に関する広告、取引書類に本件商標又は本件商標と同一称呼、観念の「Saint Michel」との商標を付して頒布する行為を行った。

よって、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成22年6月16日)前3年以内に日本国内において審判請求に係る指定商品「菓子」について本件商標と同一の商標を明らかに使用している。

(2)「Saint Michel」商標について

上述のように、被請求人は、本件商標である片仮名文字で横書きの「サンミッシェル」と同一デザインの片仮名文字で横書きの文字商標「サンミッシェル」を明らかに使用しているが、同時に本件商標のフランス語表記である「Saint Michel」をも使用している(乙第3号証ないし乙第14号証、乙第21号証等)。

「サンミッシェル」との片仮名文字から、一般需要者は、「フランス的な名称」との観念を生じ、一方「Saint Michel」との欧文字からも、一般需要者は、「フランス的な名称」との観念を生ずると解される。 よって、「サンミッシェル」と「Saint Michel」とは、一般需要者において、観念的には同一であるといえる。

また、本件商標は、「サンミッシェル」との称呼を有するが、「Saint Michel」との欧文字も、一般需要者において、「サンミッシェル」と称呼されることが最も一般的であると解されるため、「Saint Michel」の商標は、本件商標と称呼において同一であるといえる。

そうすると、「Saint Michel」との欧文字表記は、本件商標と片仮名文字と欧文字の表示を相互に変更するものであって、同一称呼及び同一観念を生ずる商標といえるので、「Saint Michel」の欧文字商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。

よって、被請求人による「Saint Michel」の欧文字商標の使用も本件商標の使用に該当するものである。

上述のように、商品「洋菓子」において、被請求人による片仮名文字の「サンミッシェル」の使用のみを検討しても、被請求人は、本件商標を明らかに使用しているといえるが、商品「洋菓子」における被請求人による「Saint Michel」の欧文字表記の使用を検討しても、被請求人は、本件商標を使用しているといえるのである。

3 まとめ

以上のとおりであるから、被請求人は、2009年(平成21年)10月から2010年(平成22年)6月までの間において、本件商標及び本件商標と社会通念上同一と認められる商標「Saint Michel」を商品「菓子」について使用していた。

すなわち、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品について本件商標を使用していた。

第4 請求人の弁駁

請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対して、何ら弁駁をしていない。

第5 当審の判断

1 乙各号証によれば以下の事実を認めることができる。

乙第2号証は、「サンミッシェル個装商品月別販売状況」と称する2010年6月30日付けの2009年10月〜2010年6月までのサンミッシェル個装商品毎の月別販売状況を示すものである。

そして、当該証拠によれば、この間、マドレーヌ、フィナンシエ、マーブルケーキ等の洋風焼菓子(以下「使用商品」という。)の販売個数は、合計246,627個と記載されている。

乙第2号証の2は、「サンミッシェル個装商品販売箇所」と称する2010年6月30日付けの2009年10月〜2010年6月まで販売箇所毎のサンミッシェル個装商品の販売個数を示すものである。

そして、当該証拠によれば、西新店では、この間、マドレーヌの販売個数332個と記載されている。

乙第3号証ないし乙第13号証は、請求の登録後の平成22年7月8日に撮影されたものであるが、個装された使用商品(マドレーヌ、フィナンシエ、バレンシア(洋風焼菓子)、マーブルケーキ、プラムケーキ、いちじくケーキ、クッキー(チョコ)、クッキー(アーモンド)、クッキー(ピスタチオ)、ほうれん草クッキー、とうもろこしクッキー)の写真であり、包装袋表面には、「Saint Michel」の筆記体の欧文字及び「サンミッシェル」の片仮名文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。

そして、上記乙各号証1枚目は、個装された商品の表面の写真であり、同じく2枚目は、当該商品の裏面の写真と認められ、製造者の欄には、株式会社ひよ子/福岡市南区向野1丁目・・・」の記載が認められる。

乙第14号証ないし乙第16号証は、請求の登録後の平成22年7月8日に撮影されたそれぞれ包装された詰め合わせ商品(洋菓子)と開封後の写真であり、後者には、個装されたマドレーヌ等の洋風焼菓子の袋表面に使用商標が確認し得る。

乙第17号証の2及び乙第18号証の7ないし9は、平成21年11月8日撮影の被請求人の西新店での商品の陳列状況を示す写真である。

そして、当該写真には、個装されたマドレーヌ等の使用商品と「マドレーヌ/¥147」の値札等が写っている。

乙第21号証は、被請求人の2009年10月(209.10)作成の「HIYOKO CATALOGUE/vol.03/AUTUMN〜WINTER」(ひよ子カタログvol.03)であり、その裏表紙(当該証拠の4枚目)に「ひよ子のご贈答詰合せ」の見出しで、「ひよ子銘菓詰合せ 楽遊び/[RA−25]2,625円」として、詰め合わせされた使用商品を含む洋風焼菓子の写真が掲載されている。

乙第22号証は、乙第21号証「秋・冬商品カタログ」に掲載された詰め合わせ商品「ひよ子銘菓詰合せ 楽遊び[RA−25]」の拡大写真であり、乙第3号証ないし乙第8号証のマドレーヌ等の使用商品を含む洋菓子が詰め合わされ(なお、当該詰め合わせは、乙第14号証の詰め合わせと同一のものである。)。

乙第25号証は、株式会社DNP西日本から被請求人宛の2009年10月31日付け「ひよ子カタログvol.3」(乙第21号証)の請求書の写しである。

乙第32号証は、個装用の包装フィルム(1個分)の現物と認められるところ、当該フィルム中央には使用商標が印刷されている。

乙第33号証は、株式会社ひよ子宛の凸版印刷株式会社が作成した2009年3月17日のファックス日付けの見積書と認められるところ、当該見積書には、サンミッシェルロール(品名)、本体(部品名)、200m/m巾×1000M(寸法)、11.5kg(重量)、18,450(単価)、110.700(金額)などが記載されている。

乙第34号証は、株式会社ひよ子宛の凸版印刷株式会社が作成した2009年4月28日付け請求書と認められるところ、当該請求書には、サンミッシェルロール(品名)、4(数量)、20K(単位)、18450.000円(単価)、77490(金額)などが記載されている。

乙第43号証は、「販売箇所一覧」と称するもので、福岡地区(直売)の店舗名、所在地及び電話番号が記載されている。

なお、当該証拠には、店舗名「西新店」所在地「福岡市早良区西新4丁目6−21」電話番号「(092)852−1245」が記載されている。

乙第44号証は、「価格表一覧表」と称する洋菓子の価格表で、先頭行には「マドレーヌ」「価格(税抜き)140」「価格(税込)147」との記載がある。

乙第45号証は、洋菓子の売上げ記録(レシート)5件分の写しで、全てのレシートには「ひよ子本舗吉野堂」の文字が表示され、店舗名、所在地、電話番号、品名、単価、個数、合計金額等が印字されている。

そして、当該証拠中の1件目には、「西新店」(「福岡市早良区西新4丁目6−21」「(092)852−1245」)のレシートには、「2009年11月01日」の日付け、「マドレーヌ 147×2個 294」の記載が認められる。

2 前記1で認定した事実によれば、商標権者は、マドレーヌ等の使用商品について、使用商標を表示し、本件審判の請求の登録(平成22年6月16日)前3年以内の、少なくとも平成21年11月1日に西新店を介して使用商品を販売したことが認められる。

3 使用商標及び使用商品について

本件商標と使用商標との同一性について検討してみるに、本件商標は、「サンミッシェル」の片仮名文字よりなるものであるのに対し、使用商標は、「Saint Michel」の欧文字とその下に「サンミッシェル」の片仮名文字を横二段に書してなるから、欧文字「Saint Michel」が併記されている点において、本件商標と相違するが、使用商標の片仮名文字は本件商標と同一文字からなり、「Saint Michel」の語は、「サンミッシェル」と称呼されるものであるから、本件商標と使用商標とは社会通念上同一といって差し支えないものである。

また、本件審判請求に係る指定商品と使用商品との関係について検討してみるに、使用商品は、本件審判請求に係る指定商品中の「菓子」の範ちゅうに属することが明らかである。

4 以上によれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を本件請求に係る指定商品中「菓子」に表示し、市場において取引をしたものと認めることができる。そして、商標権者の上記行為は、「商品又は商品の包装に標章を付する行為」及び「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、又は輸入する行為」(商標法第2条第3項第1号、同第2号)に該当するものである。

5 むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件請求に係る指定商品中の「菓子」について、本件商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。