sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼・観念類似と要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−650117(T2009−650117/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、赤色の水滴のような図形を大中小三つ並べた図形と、緑色で書した「小尾羊」の文字と、「Little lamb」の文字よりなり、第43類「Cafeterias,snack−bars,restaurants,bar,hotels,teahouses,canteens,mobile supply of beverages and foods,cafes,providing campground facilities.」を指定役務として、2007年(平成19年)4月2日に国際商標登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。(なお、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。)

(1)国際登録第787844号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおり、羊の顔を模したような図形と、「小」「肥」「羊」の文字をそれぞれ塗りつぶされた円図形の中に白抜き文字で書し、さらにその下方に「LITTLE SHEEP」の文字をやや小さめに書した構成からなり、2002(平成14年)年9月16日に国際商標登録出願、第43類「Restaurants.」を指定役務として、平成15年4月18日に設定登録されたものである。

(2)国際登録第891081号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおり、白い縁取りのある二重円図形の中央に羊の顔を模したような図形を配し、その外周上段部に「小肥羊」の文字と、外周下段部に「火鍋連鎖店」の文字を白抜き文字で書した構成からなり、2005(平成17年)年11月21日に国際商標登録出願、第43類「Canteens;cafeterias;hotels;snack−bars;restaurants;catering services provided by trucks for selling food and beverages;food and drink catering.」を指定役務として、平成20年1月11日に設定登録されたものである。

(3)国際登録第920221号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4のとおり、「小肥羊」の文字を横書きしてなり、2007(平成19年)年3月13日に国際商標登録出願、第43類「Canteens;cafeterias;self−service restaurants;hotels;snack−bars;cafes;tea houses;restaurants;catering services provided by trucks for selling food and beverages;food and drink catering.」を指定役務として、平成20年3月28日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記1のとおり、赤色の水滴のような図形を大中小三つ並べた図形部分と、「小尾羊」及び「Little lamb」の文字部分から構成される結合商標である。

そして、本願商標の図形部分は、特定の観念及び称呼を生じさせるような具体的な図形とは認められないものである。

また、その構成中の「小尾羊」の文字部分は、同一の書体、同一の大きさで等間隔に外観上まとまりよく一体的に表されており、構成文字から「ショウビヨウ」の称呼も無理なく生じるものであり、全体として「小さな尾の羊」程の意味合いを認識させる造語と認められる。

さらに、「Little lamb」の文字部分は、「Little」の文字が「小さいさま。小形の。子供の。」の意味、「lamb」の文字が「子羊(多くは生後1年未満のもの)。また、その肉や毛。」の意味を有するものとして、それぞれ親しまれている語であることから、全体として「小さい子羊」程の意味合いを認識させるものであって、本願の指定役務に係る「飲食物の提供」との関係においては、当該役務で提供される食品等の原材料、品質を表したものとして認識されるものである。そうすると、該「Little lamb」の文字部分は、自他役務の識別力を有しないか、または、極めて弱い部分というのが相当である。

そうとすれば、本願商標を構成する「小尾羊」の文字部分をもって、商取引に資する場合も決して少なくないものというべきである。

してみれば、本願商標よりは、「ショウビヨウ」の称呼及び「小さな尾の羊」の観念を生じるものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1は、前記2(1)のとおり、羊の顔を模したような図形部分と、それぞれ塗りつぶされた円図形の中に白抜き文字で書された「小」「肥」「羊」の文字部分と「LITTLE SHEEP」の文字部分から構成される結合商標であるところ、図形部分と文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど一体不可分的に結合しているものではない。

そして、引用商標1の図形部分は、羊の顔を模したような図形であるところ、特定の称呼及び観念を生じさせるものとは認められない。

また、その構成中の「小」「肥」「羊」の文字は、円図形の中に白抜き文字で同一の書体で書され、への字型にまとまりよく配置されてなるところ、構成文字から「ショウヒヨウ」の称呼も無理なく生じるものであり、全体として「小さな肥った羊」程の意味合いを認識させる造語と認められる。

さらに、「LITTLE SHEEP」の文字部分は、「LITTLE」の文字が「小さいさま。小形の。子供の。」の意味、「SHEEP」の文字が「羊」の意味を有するものとして、それぞれ親しまれている語であることから、全体として「小さい羊」程の意味合いを認識させるものであって、本願の指定役務に係る「飲食物の提供」との関係においては、当該役務で提供される食品等の原材料、品質を表したものとして認識されるものである。そうすると、該「LITTLE SHEEP」文字部分は、自他役務の識別力を有しないか、または、極めて弱い部分というのが相当である。

そうとすれば、引用商標1の構成中、「小」「肥」「羊」の文字部分をもって、商取引に資する場合も決して少なくないものというべきである。

してみれば、引用商標1よりは、「ショウヒヨウ」の称呼及び「小さな肥った羊」の観念を生じるものである。

イ 引用商標2は、前記2(2)のとおり、円図形中に配した羊の顔を模したような図形部分と、「小肥羊」及び「火鍋連鎖店」の文字部分から構成される結合商標である。

そして、引用商標2の図形部分は、羊の顔を模したような図形であるところ、特定の称呼及び観念を生じさせるものとは認められない。

また、本願商標の文字部分であるが、その構成中の「小肥羊」の文字部分からは、その構成文字より「ショウヒヨウ」の称呼を無理なく生じるものであり、全体として「小さな肥った羊」程の意味合いを認識させる造語と認められる。

さらに、「火鍋連鎖店」の文字部分は、「火鍋」の文字が「中国の鍋料理の一つ。」の意味、「連鎖店」の文字が「チェーン店」の意味を有するものとしてそれぞれ認識される語であることから、全体として「火鍋料理を提供するチェーン店」程の意味合いを認識させるものであって、本願の指定役務に係る「飲食物の提供」との関係においては、当該役務で提供される料理の店舗であることを表したものとして認識されるものであるから、該「火鍋連鎖店」の文字部分は、本願商標に接する取引者、需要者をして、自他役務の識別力を有しないか、または、極めて弱い部分というのが相当である。

そうとすれば、引用商標2を構成する文字部分中、「小肥羊」の文字部分をもって、商取引に資する場合も決して少なくないものというべきである。

してみれば、引用商標2よりは、「ショウヒヨウ」の称呼及び「小さな肥った羊」の観念を生じるものである。

ウ 引用商標3は、前記2(3)のとおり、「小肥羊」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「ショウヒヨウ」の称呼を無理なく生じるものであり、また、「小さな肥った羊」の観念を生じるものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

商標の類否については、「商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものであり、商標の外観、観念又は称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の混同のおそれを推測させる一応の基準に過ぎず、同三点のうちその一において類似するものでも、他の二点において著しく相違することその他取引の実情によって、何ら商品の出所に混同誤認をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない(最高裁昭和39年(行ツ)第110号・昭和43年2月27日第3小法廷判決・民集22巻399頁参照)」旨判示されている。

そこで、これを本件について検討するに、本願商標から生じる「ショウビヨウ」の称呼と引用商標から生じる「ショウヒヨウ」の称呼とを比較するに、両称呼は、中間音における「ビ」音と「ヒ」音という清音と濁音という差異を有するのみであり、該音の差異が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼する場合には、全体として語調、語感が近似したものである。

しかしながら、本願商標と引用商標が称呼において近似するとしても、本願商標と引用商標とは、外観において著しく相違するものであり、また、観念についても本願商標は「小さな尾の羊」であって、引用商標は「小さな肥った羊」の観念を有するものであるから、互いに相違するものである。

そうとすると、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、本願商標と引用商標とを、同一又は類似の役務に使用した場合であっても、役務の出所について誤認混同を生じるおそれはないものというべきであり、互いに非類似の商標というのが相当である。

(4)まとめ

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消を免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。