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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−650141(T2010−650141/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「INTEGRA−CP」の文字を横書きしてなり、第10類「Dental implants.」を指定商品として、2009年(平成21年)1月27日に国際商標登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4301098号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成10年8月31日に登録出願、第10類「医療用マットレス」及び第20類「マットレス」を指定商品として、同11年7月30日に設定登録され、その後、同21年7月14日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(2)登録第4862856号商標(以下「引用商標2」という。)は、「INTEGRA MED」の文字を標準文字で表してなり、平成15年6月2日に登録出願、第10類「医療用クッション,医療用マットレス」及び第20類「クッション,マットレス」を指定商品として、同17年5月13日に設定登録されたものである。

(3)国際登録第648213号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2003年(平成15年)4月7日に国際商標登録出願(事後指定)、第10類「Orthopaedic cushions and mattresses of Swiss origin.」及び第20類「Cushions and mattresses of Swiss origin.」を指定商品として、平成17年6月24日に設定登録され、その後、2006年(平成18年)1月8日にマドリッド協定の議定書に基づく共通規則40(3)の規定による更新が国際商標登録原簿に記録されたものである。

以下、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。

3 当審の判断

(1)商標の類否について

本願商標は、「INTEGRA−CP」の文字を横書きしてなるところ、「INTEGRA」の文字と「CP」の文字とを「−(ハイフン)」で連結した構成よりなるものである。

そして、後半の「CP」の文字部分は、欧文字の2文字であって、このような欧文字の2文字は、商品の形式、規格又は種別等を表示するための記号、符号として各種商品において取引上普通に採択使用されている実情にあるから、前半の「INTEGRA」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。

そうとすれば、本願商標は、前半の「INTEGRA」の文字部分のみをとらえて取引にあたることも決して少なくないものといえる。

そして「INTEGRA」の文字は、「全部の、完全な」等の意味を有するスペイン語(「現代スペイン語辞典」株式会社白水社)と綴りを同じくする語ではあるが、該語は、わが国においては広く親しまれているとはいえない語であるから、特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。

そうとすれば、本願商標は、該「INTEGRA」の文字に相応して「インテグラ」の称呼を生じるものであり、また、観念については、特定の観念を生じないものである。

引用商標1は、別掲1のとおり、「integra」の欧文字を太字で表し、その構成中「int」の文字部分に灰色の波形の曲線を配し、かつ該語の右に黒地に白抜きの十字を配し、さらに、これらの下に小さな「MED」の文字を配した構成よりなるところ、構成中の「integra」の文字は、太字で大きく顕著に表されており、また、「MED」の文字が、指定商品との関係においては、「医学の」(「研究社新英和大辞典」株式会社研究社)の意味を有する商品の品質を表示するものと認められるもので、自他商品の識別標識としての機能がないか極めて弱いものであるといえるから、引用商標1に接する取引者、需要者は、「integra」の文字部分をとらえて取引にあたることも少なくないものである。

そうとすれば、引用商標1は、該「integra」の文字に相応して「インテグラ」の称呼を生じるものであり、また、観念については、本願同様に、特定の観念を生じないものである。

引用商標2は、「INTEGRA MED」の文字よりなるところ、構成中の「MED」の文字は、前記のとおり商品の品質を表示するものと認められるもので自他商品の識別標識としての機能がないか極めて弱いものである。

したがって、引用商標2に接する取引者、需要者は、「INTEGRA」の文字部分をとらえて取引にあたることも少なくないものといえる。

そうとすれば、引用商標2は、該「INTEGRA」の文字に相応して「インテグラ」の称呼を生じるものであり、また、観念については、本願同様に、特定の観念を生じないものである。

引用商標3は、別掲2のとおり、「integra」の欧文字を太字で表し、その構成中「int」の文字部分に波形の曲線を配し、かつ、これらの下に小さな「SWISS」の文字を配した構成よりなるところ、構成中の「integra」の文字は、太字で大きく顕著に表されており、また、「SWISS」の文字が、指定商品との関係において、国名の「スイス」を認識させるもので、商品の産地、販売地を表示するものと認められ、自他商品の識別標識としての機能がないか極めて弱いものであるから、引用商標3に接する取引者、需要者は、「integra」の文字部分をとらえて取引にあたることも少なくないものである。

そうとすれば、引用商標3は、該「integra」の文字に相応して「インテグラ」の称呼を生じるものであり、また、観念については、本願同様に特定の観念を生じないものである。

そこで、本願商標と引用各商標の類否について検討するに、前記によれば、本願商標と引用各商標とは、観念においては、共に特定の観念を有しないことから比較できないものの、両者は、大文字、小文字の違いはあっても同じ綴り字の単語であるから、外観においては、近似するものであり、また、称呼においては、「インテグラ」の称呼を共通にするものであるから、類似の商標というべきである。

(2)商品の類否について

本願商標の指定商品(以下「本願商品」という。)と引用商標1の指定商品中「医療用マットレス」(以下「引用商品1」という。)、引用商標2の指定商品中「医療用クッション,医療用マットレス」(以下「引用商品2」という。)及び引用商標3の指定商品中「Orthopaedic cushions and mattresses of Swiss origin.」(訳「スイス製の整形外科用のクッション及びマットレス」、以下「引用商品3」という。)の類否について判断する。(以下、引用商品1ないし3をまとめて「引用各商品」という。)

本願商品は、「歯科用インプラント」であるところ、「歯科用インプラント」は、平成21年5月25日付け薬食発第525004号「歯科用インプラント承認基準の制定について」の別紙1「歯科用インプラント承認基準における技術基準」によれば「歯科用インプラント」の定義として、「生体に親和性のある材料で作られ、上顎若しくは下顎の骨に外科的に埋植するか、又はそれに直接接続し、咀嚼機能を回復させるための医療機器。」とあることから、主に医療機器製造業者によって製造され、外科的治療に使用する機器であるから歯科医師を通じて一般需要者に販売されるものである。

他方、引用商品1及び引用商標2は、「医療用クッション,医療用マットレス」であるところ、医療用マットレスとは、「医療、介護等を目的としたマットレス」であり、医療用クッションは、同様に「医療、介護等を目的としたクッション」であるといえることからその需要者は、主に病院及びリハビリ施設、老人医療機関等の医療機関であり、また介護器具として一般にも販売されていることより、一般需要者も含まれるものといえる。

また、引用商標3は、「整形外科用クッション及びマットレス」であるところ、これらの商品は、「医療用クッション及び医療用マットレス」に含まれる商品と認められ、その需要者は、商品が整形外科用であるから主に整形外科病院であるといえる。

してみると本願商品と引用各商品は、その生産部門、原材料、品質、用途、販売場所等において著しく相違するものであり、また、完成品と部品との関係にもないことが明らかであるから、これらの商品が需要者を一部共通にする場合があるとしても、両者に同一又は類似の商標が使用された場合において、取引上商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。

そうとすると、本願商品と引用各商品とは、互いに類似しない商品といわざるを得ない。

また、本願商品と引用各商品以外の引用各商標の指定商品とは、商品の生産部門、原材料、品質、用途、販売場所等において著しく相違するものであり、また、完成品と部品との関係にもないことが明らかである。

そうとすれば、本願商標の指定商品と、引用各商標の指定商品とは、互いに類似しない商品であり、これらの商品に同一又は類似の商標を使用しても、これに接する取引者、需要者が商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。

(3)むすび

以上のとおり、本願商標と引用各商標は、商標において類似するものであるとしても、その指定商品において類似するとはいえないものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消を免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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