Trademark Appeal Case
産地表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−21504(T2010−21504/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「京栗羊羹」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成21年12月11日に登録出願されたものである。
その後、指定商品については、原審における同22年7月12日付けの手続補正書により、第30類「ようかん」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は「本願商標は、『京栗羊羹』の文字を標準文字で表してなるものであるが、その構成中の『京』の文字は、『京都の特称。』(広辞苑第6版 岩波書店発行)の意味を有し、また、和菓子等を取り扱う業界においては、京都で生産、販売されている商品に『京』の文字が広く使用されている実情があるから、商標全体としては『京都産の栗羊羹』程の意味合いを容易に看取させるものである。そうとすれば、本願商標をその指定商品中『栗羊羹』に使用しても、これに接する取引者・需要者に『京都産の栗羊羹』であることを認識させるにすぎず、単に商品の産地・品質を表示するものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「京栗羊羹」の文字よりなるところ、その構成中「京」の文字は「京都の特称。」を意味する語として、また、「栗羊羹」の文字は「栗の実をすりつぶして、栗だけで作った羊羹。または、蜜漬けの栗の実を小豆の練羊羹に混ぜて作ったもの。」(ともに、広辞苑 第6版 岩波書店発行)を意味する語として、それぞれ、一般に親しまれた語であることから、「京栗羊羹」の文字よりなる本願商標は、「京都の栗羊羹」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、菓子を取り扱う業界においては、商品の産地、販売地を表示する語としての「京」の文字と、商品名等を表す語とを一連に表示した、例えば
「京羊羹、京かりんとう、京ぜんざい、京もなか、京洋菓子」のような「京○○」の語が普通一般に使用されていることが、別掲のように確認できる。
そうとすれば、「京栗羊羹」の文字よりなる本願商標を補正後の指定商品中の「栗ようかん」に使用しても、「京都産の栗羊羹、または、京都で販売する栗羊羹であること。」程の意味合いを容易に認識させるに止まり、単に商品の産地、販売地を表示したものというべきであるから、本願商標は自他商品の識別機能を果たし得ないものというべきである。
また、本願商標を「栗ようかん」以外の「ようかん」に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
3 請求人の主張
請求人は、過去の登録例をあげ、本願商標が登録されるべき旨主張しているが、本願商標は、「京」の文字と商品名を表す語の組み合わせであるところ、請求人が示した登録例は、例えば「京処」、「京民芸」、「京果」等「京」の文字を含むものであるとしても、「京」以外の文字部分が指定商品との関係において、商品の品質等を直接的に表すものとはいい難いものであるから、本件とは、事案を異にするものというべきものであるばかりでなく、また、商標の認定判断は、商標とその指定商品との関係において個別具体的に考察し検討されるべきものであって、請求人の主張している審決例及び登録例によって本件の判断が左右されるものでないから、かかる請求人の主張は採用することはできない。
4 結論
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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