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Trademark Appeal Case

清濁音と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900273(T2010−900273/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5328325号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5328325号商標(以下「本件商標」という。)は、「ヒアール」の片仮名文字及び「HYAL」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成21年11月5日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同22年5月12日に登録査定、同年6月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する国際登録第834816号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1に示すとおり、籠文字風にやや図案化された「Bial」の文字からなり、2004年4月14日にポルトガル共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2004年(平成16年)9月1日に国際商標登録出願、第5類「Food for babies; material for stopping teeth and dental wax.」、第42類「Biological research; chemical analysis and research; technical research; industrial analysis and research services; computer and software design and development.」及び第44類「Medical services; veterinary services; hygienic and beauty care for human beings or animals; aerial and surface spreading of fertilizers and other agricultural chemicals; services provided by gardeners; tree surgery; weed killing; destruction of vermin (in agriculture, horticulture and forestry).」を指定商品及び指定役務として、平成21年8月7日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由(要旨)

本件商標はその構成からして「ヒアール」と称呼されることは明らかであり、一方、引用商標はその綴りからして「ビアール」と称呼される。「ヒアール」と「ビアール」の差異音「ヒ」と「ビ」は清音と濁音の相違しかない近似した音であって、本件商標は引用商標に称呼上類似し、両者の指定商品も類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、上記1のとおり、片仮名文字と欧文字とを併記した構成からなるところ、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。そして、本件商標は、「ヒアール」の文字部分が「HYAL」の文字部分の読みを特定したものといえるから、「ヒアール」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、上記2のとおり、「Bial」の文字からなるものであるから、「ビアル」又は「バイアル」の称呼を生ずるものといえる。

なお、申立人は、引用商標からは「ビアール」の称呼が生ずる旨述べているが、例えば、別掲2のインターネット情報等によれば、「bial」は「ビアル」又は「バイアル」と称呼されており、また、請求人に関する情報においても、「Bial-Portela & Ca.」を「ビアル・ポルテーラ」称していることからすれば、「Bial」からは「ビアル」又は「バイアル」の称呼が生ずるというのが相当である。

そこで、本件商標から生ずる「ヒアール」の称呼と引用商標から生ずる「ビアル」又は「バイアル」の称呼とを対比すると、「ヒアール」と「ビアル」とでは、4音と3音という構成音数の差に加え、称呼の識別上重要な要素を占める頭音が清音と濁音とで異なり、第2音が長音を伴っているか否かの差異を有することから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が異なったものとなり、彼此紛れることなく区別することができるものである。また、「ヒアール」と「バイアル」とでは、称呼の識別上重要な要素を占める頭音が異なるのを初め、第2音及び第3音も相違することから、それぞれを一連に称呼するときは、やはり、全体の音感・音調が異なったものとなり、容易に区別できるものである。

そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、いずれも既成の親しまれた観念を有する成語を表したものとはいえないから、観念上両者を比較すべくもない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について

本件商標の指定商品「薬剤」と引用商標の指定商品「Food for babies; material for stopping teeth and dental wax.」とは、それぞれの原材料、品質、効能、用途、用法、需要者等が異なるものであり、たとえ、それぞれに同一又は類似の商標が使用されたとしても、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはないものというべきであるから、両者は非類似の商品とみるのが相当である。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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