結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2010−900018(T2010−900018/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5276582号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年5月19日に登録出願、同21年10月2日に登録査定、第3類「化粧品,歯磨き,口内洗浄剤,口臭消臭剤,せっけん類」、第5類「医療用口内清浄剤,薬剤,歯科用材料」、第10類「医療用機械器具」及び第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),デンタルフロス,化粧用スポンジ,歯ブラシ・デンタルフロス・化粧用スポンジのホルダー,歯ブラシ入れ,デンタルフロス入れ,化粧用スポンジ入れ」を指定商品として、同年10月30日に設定登録されたものである。
登録第4139499商標(以下「引用商標」という。)は、「ADVANCE」の欧文字と「アドバンス」の片仮名文字を二段に書してなり、平成6年6月9日に登録出願、「せっけん類,化粧品,歯磨き」を含む第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年4月24日に設定登録されたものである。
その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(1)登録異議申立人01(高野勝弘)は、次のとおり申立の理由を述べ、証拠方法として、甲第1号ないし第10号証を提出した。
本件商標「advanced」は、「進歩した、上級の」の意味を有する英語であり、本件指定商品との関係においては、一度発売した商品の機能等をさらに進化させた商品の品質を表す語として、また、これまでに市販されている商品の機能等よりも進歩していることを強調する際に、商品の品質を表す語として普通に使用され、認識されているものである。
したがって、本件商標をその指定商品に使用するときは、「機能等が進歩した商品」であることを直感させ、単に商品の品質を表すにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)登録異議申立人02(花王株式会社)は、本件商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品と同一又は類似の商品に使用する商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、その指定商品中、第3類「化粧品,歯磨き,口内洗浄剤,せっけん類」及び第21類「歯ブラシ」については、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、証拠方法として甲第1号ないし第8号証(枝番を含む)を提出した。
当審において、商標権者に対して平成22年7月29日付けで通知した取消理由は、以下のとおりである。
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、「advanced」の欧文字を、やや図案化し藍色の色彩を施しているとはいえ、未だ普通に用いられる方法の範囲で表してなるところ、該文字は、「前進した,高等の,上級の」等を意味する英語(プログレッシブ英和中辞典 小学館発行)である。
そして、登録異議申立人01(高野勝弘)の提出に係る証拠(甲第8号証)によれば、本件商標「advanced」の読みを片仮名で表した「アドバンスト」の文字について、以下のように一般的に使用されている事実が認められる。
ア 「エイボン アクティア−アドバンスト リキッド ファンデーション」を紹介するウェブサイトにおいて、「製品名 アドバンスト リキッド ファンデーション」、「メーカー名 エイボン」、「カテゴリ ファンデーション」及び「発売日 2009年5月13日」等と記載して商品が掲載されている。
イ 「mu Noage(ミューノアージュ)−アドバンストホワイトニングセラム」を紹介するウェブサイトにおいて、「製品名 アドバンストホワイトニングセラム」、「メーカー名 アドバンスト・メディカル・ケア」、「カテゴリ ジェル・美容液」及び「発売日 2009年6月1日」等と記載して商品が掲載されている。
ウ 「mu Noage(ミューノアージュ)−アドバンストコンセントレートプログラム」を紹介するウェブサイトにおいて、「製品名 アドバンストコンセントレートプログラム」、「メーカー名 アドバンスト・メディカル・ケア」、「カテゴリ キット・セット」及び「発売日 2009年6月1日」等と記載して商品が掲載されている。
エ 「インプレス−アドバンストCTエッセンス」を紹介するウェブサイトにおいて、「製品名 アドバンストCTエッセンス」、「メーカー名 カネボウ化粧品」、「カテゴリ ジェル・美容液」、「発売日 2009年9月4日」及び「さまざまな悩みに集中的かつ複合的に働きかけるエイジング高機能薬用美容液です。」等と記載して商品が掲載されている。
また、当審において職権調査したところ、「advanced」の文字について、例えば、以下のインターネット情報等がある。
ア 「美容のスペシャリスト発ヒアルロン酸化粧品 Medical+Beauty」のウェブサイトにおいて商品を紹介し、「ヒアルロン酸で小じわを改善する若返り化粧品 」、「muNoage(ミューノアージュ)のADVANCED LINE SOLUTION μ アドバンスト ライン ソリューション ミュー」及び「原液ヒアルロン酸などヒアルロン酸配合化粧品は多々ありますが、美容医療的効果が期待できるヒアルロン酸化粧品です。」との記載があり、また、「やけどの治療薬をヒントに作り上げた肌再生クリーム」、「同じく、muNoageのADVANCED REJUVENATION CREAM アドバンスト リジュビネーション クリーム」等との記載がある(http://www.medical-beauty.jp/hiaruron_5c.html)。
イ 「iBeautyStore」のウェブサイトにおいて商品を紹介し、「セレックスC Advanced−C セラム 30ml」及び「商品説明 ビタミンC17.5%配合美容液。ハイポテンシーセラムに比べて、ビタミンCの配合率が高く、L−アスコルビン酸やL-ergothioneineなどの抗酸化作用の高い成分が、老化のサインをキャッチしてしっかりケアします。」等との記載がある(http://www.ibeautystore.com/detail/detail.asp?pid=2186)。
ウ 「satssar」のウェブサイトにおいて商品を紹介し、「SK-II ADVANCED PROTECT LOOSE POWDER UV 30」及び「商品説明 透明度を高め、ふんわりシアーな質感へファンデーションの仕上がりに透明感を与え、ふんわりとやわらかな質感を演出するルース パウダーです。SK-II〈ピテラ)でしっとりとした美しさを保ちながら、オイル コントロー」等との記載がある(http://satssar.com/products/detail.php?product_id=75)。
エ 「ユーワオンラインショップ」のウェブサイトにおいて商品を紹介し、「リバース アドバンス・プラセンタコンセントレート(デイ) (Re−birth Advanced Placenta Concentrate (Day))」及び「リ・バースはオーストラリアで最も人気のあるプラセンタクリームです。プラセンタとは、しわ対策に必要不可欠な自然由来の成分です。・・・中略・・・ リ・バース・マキシマム・スキントリートメントシリーズは、年齢を重ねた肌のためだけに特別に開発されました。高度の技術で天然成分を最大限に活かし、余分な角質を取り除き、顔を一段と明るくするだけでなく、高いリフトアップ効果も期待できます。」等との記載がある(http://www.yuwa-corp.jp/products/detail.php?product_id=17448)。
以上の事実及び本件商標「advanced」の語の意味合いに照らしてみれば、「advanced」の文字及びその読みを片仮名で表した「アドバンスト」の文字は、遅くとも本件商標の登録査定がなされた当時、本件指定商品中「化粧品」について、「上級の、上質の」、あるいは「効果を高める」等の商品であることを理解させるものとして多くの企業によって使用されていたということができるから、「advanced」の文字をその指定商品中「化粧品」について使用しても、これに接する取引者・需要者に、その商品が前記品質のものであることを認識させるにとどまり、自他商品の識別機能を果たし得ないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、「advanced」の文字よりなるところ、該文字は、「前進した,高等の,上級の」等を意味する英語(プログレッシブ英和中辞典 小学館発行)であり、「アドバンスト」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は、「ADVANCE」及び「アドバンス」の文字よりなるところ、上段の「ADVANCE」の文字は、「・・・を前進させる,前に出す」等を意味する英語(プログレッシブ英和中辞典 小学館発行)であり、下段の「アドバンス」の片仮名文字が、上段の英語の読みを表したものと無理なく認められることから、構成各文字より「アドバンス」の称呼を生ずるものである。
そこで、両商標の称呼について比較するに、両者は、語頭から「アドバンス」の5音を共通にし、語尾における「ト」の有無の差異を有するにすぎないことから、該差異音がその称呼全体に及ぼす影響は決して大きなものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
そして、本件商標「advanced」と引用商標「ADVANCE」の文字部分は、外観から受ける印象及び観念においても互いに近似するといえるものである。
また、本件商標の指定商品中「化粧品,歯磨き,せっけん類」は、引用商標の指定商品中「せっけん類,化粧品,歯磨き」と同一であり、さらに、本件商標の指定商品中「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」に含まれる「歯ブラシ」と、引用商標の指定商品中「歯磨き」とは、その用途を共通にするものであるから、類似の商品といわなければならない。
してみると、本件商標は、引用商標に類似する商標であって、かつ、その指定商品と同一又は類似の商品に使用をするものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第3類「化粧品,歯磨き,せっけん類」及び第21類「歯ブラシ」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
本件商標について、前記4の取消理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は何ら意見を述べるところがない。
本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の指定商品中、第3類「化粧品,歯磨き,せっけん類」及び第21類「歯ブラシ」は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとし、その余の指定商品については、取り消すべき理由はないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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