Trademark Appeal Case
キャラクター図形の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900326(T2010−900326/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5339681号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成19年5月29日に登録出願され、第3類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同22年6月17日に登録査定、同年7月23日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(7)に掲げるとおりである。
(1)登録第4286674号商標
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成10年5月18日
設定登録日:平成11年6月25日
指定商品 :第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第4554767号商標
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成13年2月20日
設定登録日:平成14年3月22日
指定商品 :第11類、第14類及び第30類に属する商標登録原簿記
載のとおりの商品
(3)登録第4189022号商標
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成8年8月8日
設定登録日:平成10年9月18日
指定商品 :第16類に属する商標登録原簿記載のとおり
(4)登録第4217482号商標
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成9年9月9日
設定登録日:平成10年12月4日
指定商品 :第18類及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおり
の商品
(5)登録第4124044号商標
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成8年8月8日
設定登録日:平成10年3月13日
指定商品 :第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(6)登録第4181992号商標
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成8年8月8日
設定登録日:平成10年8月28日
指定商品 :第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(7)登録第4139406号商標
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成8年8月8日
設定登録日:平成10年4月24日
指定商品 :第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
上記各登録商標は、いずれも現に有効に存続しているものであり、以下、これらを一括して「引用商標」という。
3 登録異議申立ての理由の要点
引用商標は、オランダのデザイナーであるディック・ブルーナが作成し、「ミッフィー」の名称で世界的に知られているキャラクターの代表的な図形である。ミッフィーは、子供のみならず幅広い世代で支持され人気キャラクターとして定着しており、我が国においても取引者・需要者の間に広く認識されている。
本件商標は、図形部分と文字部分とが常に一体不可分のものとして認識されるとはいえず、図形部分のみが独立して出所識別標識としての機能を果たすところ、図形部分左側の図形は、ウサギを擬人化したものであり、頭部と胴体のバランス、まっすぐに伸びた耳の形、顔面における目の位置・形状・大きさ等が引用商標のミッフィーの顔面や体形の特徴を備えたものであることから、ミッフィーが服を取り替えたものと見紛うほど相紛らわしいものであり、本件商標は著名なミッフィーを含む商標といえる。
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一若しくは類似のものが多く、それ以外の商品も関連性が高い。加えて、両商標とも子供や女性が好みそうな図形からなることから、需要者が共通する場合が多いといえる。
引用商標に係るミッフィーの周知著名性、本件商標中のウサギ図形と引用商標との類似性、指定商品の関連性、需要者の共通性等を総合勘案すれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者はミッフィーのキャラクターを連想・想起し、ミッフィー関連商品の一つであるかの如く、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との対比
ア 本件商標は、別掲1のとおり、上段に二体の動物のぬいぐるみ(縫い包み)を表した如き図形を配し、その下段に「DAISY&CORO」の文字を横書きした構成からなるものである。そして、上記ぬいぐるみ図形は、ウサギ又は熊の特徴を捉え、擬人化し衣服を着せたものといえること、どちらか一方が殊更強調されて表現されているものともいえないこと、一般に、漫画、アニメーション等において擬人化した動物や登場人物のキャラクター等で対をなすものについて、「○○と××」の意味合いで「○○&××」の如く表現する場合が少なくないこと、上記ぬいぐるみ図形の下部に「DAISY&CORO」の文字が併記されていること、などからすると、上記ぬいぐるみ図形は、キャラクターとしての「DAISY」と「CORO」という一対のものとして看取されることも決して少なくないというべきであるから、どちらか一方のみが分離抽出されて看者の注意を強く惹き印象に残るものとはいえない。
そうすると、本件商標の図形部分は、一体不可分のものとして看取されるとみるのが自然であり、また、これよりは既成の親しまれた観念は生じないものというべきである。そして、上記図形部分と引用商標とは、外観において判然と区別し得る差異を有するものである。
イ 仮に、本件商標中の左側のウサギ図形(以下「本件図形」という。)のみが看者の注意を惹くとした場合、本件図形と引用商標とは、共にウサギを表したものであるとしても、その表現方法や特徴が明らかに異なり、看者に全く別異の印象を与えるものといえる。すなわち、本件図形は、ぬいぐるみの如く表され立体感があること、ウサギが両手をやや開いた状態で立っていること、左耳部分に赤い大きなリボンをつけていること、黄色のシャツ及び白い花柄のある赤いワンピースを着用していること、黒点と二本の波線で鼻と口を表現していること、この鼻及び口と目の部分がやや大きく鮮明であること、といった特徴を有するのに対し、引用商標は、単純な線書きで平面的であること、ウサギが両手を下ろし両足を揃え直立していること、模様・色彩のない単純なワンピースを着用していること、両目が小さく間隔が開き間延びした印象をあたえること、鼻はなく二本の直線を交差させて口を表現していること、といった特徴・相違点を有するものであって、これらの特徴・相違点により両者は看者に全く別異の印象を与えるものである。
そうすると、たとえ引用商標がミッフィーと称するキャラクターとして知られているとしても、看者が本件図形から引用商標・ミッフィーを連想、想起するようなことはないというべきであり、本件図形と引用商標とは、上記相違点により、外観上容易に区別することができるものである。
ウ 本件商標は、全体として親しまれた既成の観念は生じないものの、「DAISY&CORO」の文字部分より「ディジーアンドコロ」の称呼を生ずるものといえる。
一方、引用商標は、申立人の提出に係る証拠によれば、キャラクター「ミッフィー」を表したものとして取引者・需要者の間に相当程度広く認識されているものといえるから、「ミッフィー」の称呼及び観念を生ずる場合もあるものといえる。
しかして、本件商標から生ずる「ディジーアンドコロ」の称呼と引用商標から生ずることがある「ミッフィー」の称呼とは、構成音を著しく異にするものであり、容易に区別し得るものである。また、本件商標は、既成の親しまれた観念が生じない以上、引用商標と観念について比較すべくもない。
エ 以上からすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、全く別異のものといわなければならない。
(2)商品の出所の混同について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品が多く含まれており、少なからぬ関連性があるものといえるとしても、また、引用商標の周知性や両者の需要者の共通性等の取引実情を考慮したとしても、前示のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の全く別異の商標であるから、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないものというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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