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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900280(T2010−900280/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5328539号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5328539号商標(以下「本件商標」という。)は、「STRONG OFF」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年10月2日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年4月7日に登録査定、同年6月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)申立人の引用する商標

申立人が本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、次のア及びイのとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。なお、それらの商標をまとめていうときは、以下「引用商標」という。

ア 登録第3202802号商標は、「ストロングボー」の片仮名を横書きしてなり、平成5年11月12日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年9月30日に設定登録されたものである。

イ 登録第3331384号商標は、「STRONGBOW」の欧文字を横書きしてなり、平成6年1月11日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月11日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標からは「ストロングオフ」又は「ストロング」の称呼が生じ、引用商標から「ストロングボウ」又は「ストロング」の称呼が生じるから、両者は、「ストロング」の称呼を同じくする類似の商標である。また、「ストロングオフ」と「ストロングボウ」の称呼とを比較してみても、差異音である「オ」と「ボ」は、母音「o」を共通にするものであり、「フ」と「ウ」も母音「u」を共通するものであるから、7音という長い称呼を考慮すると、全体として称呼した際には、互いに近似した響きを有するものである。

したがって、本件商標は、引用商標と類似するものであって、その指定商品も互いに抵触するものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

引用商標は、1962年より現在に至るまで継続して「りんご酒」に使用され、欧米諸国、オーストラリア、アジア諸国において愛飲されている「りんご酒」の名称として広く親しまれているものである。英国においては、最も人気のあるりんご酒として親しまれている。日本においても該「りんご酒」は、酒店や飲食店等において広く販売・提供され、引用商標は、本件商標の出願時には、申立人の業務に係る商品「りんご酒」を示す名称としてアルコール飲料類の取引者・需要者に広く知られている(甲第8号証ないし甲第14号証)。

本件商標は、申立人の周知商標「STRONGBOW」に類似する商標であって、「りんご酒」と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものである。

また、本件商標がその指定商品「りんご酒」に使用された場合には、これに接する取引者・需要者に、申立人又はこれと緊密な関係にある営業主の業務に係る商品であることを連想、想起させ、その商品の出所について誤認混同を生じさせるものであり、ひいては、本件商標の登録が申立人の周知商標の持つ顧客吸引力へのただ乗りやその希釈化を招来するものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。

(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

本件商標について登録を受けることは、商取引の秩序を乱すものとして、公序良俗を害する行為である。

また、本件商標は、申立人の周知商標「STRONGBOW」と類似しており、かつ、不正の目的をもって使用をするものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものである。

(5)よって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、これを構成する「STRONG」と「OFF」の各欧文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、前後の文字間に軽重の差はなく、これより生ずると認められる「ストロングオフ」の称呼は、語呂も良く一連に称呼し得るものであって、他に、構成中の「STRONG」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。

そうとすれば、本件商標は、これを構成する各欧文字がそれぞれ分離されることなく一体不可分のものとして把握され、一種の造語を表したものと理解・認識されるものとみるのが自然であり、該構成文字全体に相応して「ストロングオフ」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。

また、引用商標についても、上記したところと同様の理由により、引用商標を構成する各文字が、それぞれ分離されることなく一体不可分のものとして把握され、一種の造語を表したものと理解・認識されるものとみるのが自然であり、該構成文字全体に相応して、「ストロングボー」及び「ストロングボウ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。

そこで、本件商標から生ずる「ストロングオフ」と引用商標から生ずる「ストロングボー」及び「ストロングボウ」の称呼を比較すると、各称呼は、後半部分において「オフ」と「ボウ」及び「ボー」の音の差異を有し、これらの差異音はいずれも明瞭に発音され、かつ、聴取し得るものであるから、これらの音の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するも、全体の語調・語感を異にし、彼此相紛れるおそれはないものといわなければならない。

また、本件商標と引用商標の外観を比較すると、欧文字と片仮名の相違及び後半部において「OFF」と「BOW」の文字の明らかな差異を有するものであるから、十分区別できるものである。

さらに、本件商標と引用商標は、いずれも特定の語義を有しない造語からなるものであるから、観念においては比較することができない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人は、「STRONGBOW」の商標を「りんご酒」について使用してイギリスをはじめとする諸外国や我が国においても広く知られている旨主張しているが、申立人の提出に係る証拠は、申立人会社や「STRONGBOW」に係るウェブサイト及び日本国内における「STRONGBOW」の紹介記事のみであり、我が国における該商品の販売数量、売上高、広告宣伝の状況等、引用商標の著名性を具体的に裏付ける証拠は何ら提出されていない。

したがって、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

さらに、本件商標と申立人が周知である旨主張している「STRONGBOW」の商標とは、上記(1)と同様の理由により、互いに紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用商標が我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないこと上記(2)のとおりであり、さらに、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。

(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

上記のとおり、本件商標と引用商標とは別異の商標と理解・認識されるものであるから、本件商標について登録を受けることが商取引の秩序を乱す等、公序良俗を害する行為とはいえない。また、本件商標が引用商標の顧客吸引力にただ乗りすることを意図して出願されたものとはいえず、不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠も提出されていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものとはいえない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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