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Trademark Appeal Case

地名と品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−27370(T2010−27370/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成21年11月17日に登録出願されたものである。

その後、指定商品については、当審における同23年6月27日付け手続補正書により、第30類「神奈川県鎌倉市において製造・販売される菓子及びパン」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、その構成中に神奈川県の地名の一つである『鎌倉』の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品中『神奈川県鎌倉産の商品』以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 平成23年6月24日付けで通知した審尋

(1)商標法第4条第1項第16号該当について

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成21年11月17日に登録出願されたものである。

ところで、商標法第4条第1項第16号については、「1.『商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれ』とは、その品質又は質がその商品又は役務に現実に存在すると否とを問わず、その商品が有する品質又は役務が有する質として需要者において誤認される可能性がある場合をいう。」、また、「3.国家名・地名等を含む商標であって、それが指定商品又は指定役務との関係上、商品の産地・販売地又は役務の内容の特質若しくは役務の提供の場所を表すものと認識されるものについては、その商標が当該国若しくは当該地以外の国若しくは地で生産・販売される商品について使用されるとき、・・・商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものとして、本号の規定を適用するものとする。」と審査基準を設けている。(商標審査基準〔改訂第9版〕特許庁審査業務部商標課編)

翻って本願商標をみるに、その構成中「鎌倉」の文字は、紅色の円図形の中央に白抜きにて大きく書された「紅谷」の文字とは別に、その円図形にかかるように右上に表されているものであるから、該「鎌倉」の文字部分は、独立して看取されるとともに、地名としての「鎌倉」を表示しているものと理解されるものである。

そして、本願商標の構成中「鎌倉」の文字については、例えば、広辞苑第六版(株式会社岩波書店 発行)によれば、「神奈川県南東部の市。横浜市の南に隣接。鎌倉幕府跡・源頼朝屋敷址・鎌倉宮・鶴岡八幡宮・建長寺・円覚寺・長谷の大仏・長谷観音などの史跡・社寺に富む。風致にすぐれ、京浜の住宅地。人口17万1千。」と説明されているように、我が国においては、一般によく知られた観光地の地名として特に有名である。

そうすると、該「鎌倉」の文字は、その地にまつわる数多くの史跡や社寺が存在する地名であると同時に著名な観光地であることを理解させるものであって、また、土産物としての菓子などが販売されている実情があることなどからして、本願商標は、これをその指定商品である「菓子及びパン」について使用した場合には、これに接する需要者は、該商品が「鎌倉産の菓子及びパン」又は「鎌倉で販売されている菓子及びパン」であるかのごとく認識することから、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質、産地、販売地について誤認を生じさせるおそれがある商標といわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号するものである。

(2)補正による対応について

なお、請求人は、「本願商標について商標登録が受けられることを第1に考えており、したがって、請求の理由における主張が認められない場合には、補正の用意があるから、本願の審理において補正の機会を与えてほしい。」旨を述べている。

よって、本願商標は、上記1のとおり、商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願の指定商品を、例えば「神奈川県鎌倉市において製造・販売される菓子及びパン」に補正されたい。

4 当審の判断

請求人は、上記3の審尋に対し、上記1のとおりの手続補正書を提出した。

よって、本願商標は、その指定商品について補正された結果、これをその指定商品について使用しても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれはなくなったと認められるものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の理由は、解消した。

その他、政令で定める期間内に拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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