Trademark Appeal Case
こども英語塾の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−15686(T2010−15686/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「こども英語塾」の文字を標準文字で表してなり、第16類「文房具類,印刷物」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」を指定商品及び指定役務として、平成21年7月8日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『こども英語塾』の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は『子供を対象とする英語に関する塾』の意味合いを容易に理解させる。そして、子供を対象とする英会話教室が多数存する実情が認められることからすれば、本願商標をその指定役務中『技芸・スポーツ又は知識の教授』に使用した場合は、単に『子供を対象とする英語に関する塾における知識の教授』の意味合い、すなわち、役務の質(内容)を表示したものとして認識されるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記1のとおり、「こども英語塾」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標からは、「子供を対象に英語を教授する塾」の意味合いを極めて容易に看取するものである。
また、本願の指定役務中、知識の教授に関連する分野において、「OAK
こども英語塾
」のインターネットウェブサイト(http://www.cinecafesoto.com/article/156452054.html)には、「Oak
こども英語塾
の特長」として「小学校低学年クラスでは歌やゲームを通じて、アルファベット、基礎的な単語と表現、正しい発音がしっかり身に付くように繰り返し学びます。高学年クラスでは児童文学作品も教材に取り入れて幅広く文化を吸収していきながら、英語が親しみ深いものになるように学習していきます。」との記載、「とやま学遊ネット」との見出しのインターネットウェブサイト(http://www4.tkc.pref.toyama.jp/event_detail.phtml?Period_ID=66559805221d86dee01315c74afe1341)には、「夏休み
こども英語塾
」に関し詳細情報として「内容 体を使ったゲームなどを通して英語に親しむ」、「対象 小学校5−6年生 15名」との記載、「こんなもの欲しい!」との見出しのインターネットウェブサイト(http://plaza.rakuten.co.jp/maminasi/diary/200905300000/)には、「
子供英語塾
子供の英語塾が家の近所にあるんです 曜日に応じて、幼稚園くらいから小学高学年くらいまでの子供を親が車で送り向かいしてます。・・・」との記載、「親子de英語」との見出しのインターネットウェブサイト(http://www.edita.jp/newedumom.com/one/newedumom.com825423.html)には、「2010年09月02日 理想の
子供英語塾
と現状 子供英語には、どんな塾が理想的なのか、私バイリンダディ流に考えてみました。基本的な姿は子供が通っていた海外のインターナショナルスクール。英語を聞いて英語で話す、そして英語で学習するという環境。日本の環境では、この「英語」の部分が「日本語」に入れ替わるだけという、当たり前と言えば当たり前の環境です。ですから、英語という語学を習いに行くというイメージよりも、英語でモノを教えてくれる場所というのが私の理想とする英語塾なわけです。・・・」との記載、「80分2レッスン制のノーベル学院」のインターネットウェブサイト(http://www.77nobel.jp/koe.html)には、「仙台 英会話・
子供英語塾
『英会話ノーベル学院』ご両親の声 評判」との見出しで「5歳2ヶ月・女の子のお母さま『ノーベル学院に入学したのは、大人になって世界共通である英語を日本語と同じように話せるになってもらいたいと思ったからです。子供も楽しく通学しており、家庭でもビデオを見たり、テープを聞いたりしています。まだ小さいので、歌や手遊び、ダンスなどを通して自然に英語を身につけさせたいと考えております。』」等の記載があることからも、「子供を対象に英語を教授する塾」において「こども(子供)英語塾」の語が一般に使用されている実情が窺われる(審決注:下線は審決において付加)。
以上からすれば、本願商標「こども英語塾」を指定役務「知識の教授」に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「子供を対象に英語を教授する塾」であることを容易に理解させるにとどまるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、指定役務の質、用途を直接的に表示するものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
また、これを前記に照応する役務以外の「知識の教授」に使用するときは、その役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標を構成する「こども英語塾」の文字から直ちに「子供を対象とする英語に関する塾」の如き意味合いを看取し得るものとは言い難く、本願の指定役務の業界において出願人以外が「子供を対象とする英語に関する塾における知識の教授」を表示するものとして取引上普通に使用している事実はないから、その指定役務の質(内容)を表示するものとはいえず、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得る旨主張する。
しかしながら、本願商標を構成する「こども」、「英語」及び「塾」の各文字はいずれも本願の指定役務の取引者、需要者に広く親しまれた語であって、それらの語から構成される本願商標に接する需要者等は、前記(1)のとおり、「子供を対象に英語を教授する塾」の意味合いを極めて容易に看取するというのが自然である上に、現実に、子供向けに英会話などの英語を教授する塾に「こども(子供)英語塾」の語が普通に使用されている実情があることは前記(1)のとおりである。
また、請求人は、自身以外に、「こども英語塾」の語が普通に使用されている事実はないとも主張する。
しかしながら、「こども(子供)英語塾」の語が一般に使用されている事実があることは前記(1)のとおりである。また、「役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」(商標法第3条第1項第3号)に該当するか否かの判断は、取引者、需要者の一般の認識をもって判断されるべきものであって、現実の使用の有無によって当該判断が左右されるものではない。しかして、本件においては、本願商標の指定役務の需要者等が、本願商標「こども英語塾」から、「子供を対象に英語を教授する塾」という役務の内容を表示したものと一般に認識することは、前記(1)のとおりである。
さらに、請求人は、本願商標は役務の質の誤認を生じさせるおそれのないものであること明白である旨主張する。
しかしながら、本願商標から前記(1)で説示したとおりの意味合いを需要者等が一般に認識する以上、本願の指定役務中で、当該意味合いに照応しない「知識の教授」に本願商標を使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標(商標法第4条第1項第16号)に該当するというべきである。
加えて、請求人は、指定役務を第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」とし、本願商標と同様に「塾」の文字を有する商標について、登録を許容した審決を挙げるほか、「塾」の文字を有する商標についての登録の事例を挙げて、本願商標は、当該事例と同様に、自他役務の識別標識としての機能を有するものであって、役務の質(内容)の誤認を生じさせるおそれはない旨主張する。
しかしながら、本願商標が、自他役務の識別標識としての機能を果たすものであるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定役務との関係から、審決時において、指定役務の取引の実情等を考慮して個別かつ具体的に判断されるべきものであって、他の審決、商標登録の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。
よって、前記の請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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