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Trademark Appeal Case

料理名+「本舗」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−11970(T2010−11970/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「お好み焼本舗」の文字を書してなり,第35類「広告,フランチャイズシステムに基づく経営の診断及び指導,フランチャイズ事業の管理,フランチャイズ事業の管理に関する情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,広告用具の貸与,求人情報の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として,平成21年9月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において,「本願商標は,『お好み焼本舗』の文字からなるところ,その構成中の『お好み焼』の文字は,『水で溶いた小麦粉に魚介類・肉・野菜など好みの材料を混ぜて,熱した鉄板の上で思いのままに焼きながら食べる料理。』の意味を有し,『本舗』の文字は,『ある商品を作って売り出しているおおもとの店。製造元。』の意味を有する語であることから,全体として『お好み焼を提供するおおもとの店』程の意味合いを認識させるものである。そうすると,これを本願指定役務中,例えば『飲食物の提供』など前記意味合いに相応する役務に使用しても,これに接する需要者は『お好み焼を提供する店』であることを表したものと理解するにとどまるものであるから,単に役務の提供の場所及び質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は,前記1のとおり,「お好み焼本舗」の文字を書してなるところ,その構成中「お好み焼」の文字は,調理用語辞典(社団法人 全国調理師養成施設協会)の「おこのみやき【御好焼】」の項によれば,「水溶きしたコムギ粉に,卵,肉,エビ,イカ,野菜など好みの材料を加え,鉄板で焼きながら食べる料理」との記載があるように,よく親しまれた料理の一種を指称する語であり,「本舗」の文字は,「本店。特定商品を製造販売する大元の店。」を意味する語(広辞苑第六版)であることから,「お好み焼本舗」の文字からは,「お好み焼き料理の本店」程の意味合いを容易に理解,認識させるものである。

ところで,本願商標の指定役務中「飲食物の提供」との関係において,以下のとおり,「本舗」の文字について,提供する料理名と組み合わせて「○○○(料理名)本舗」と用いられている事実がある。

ア 串焼きを提供する飲食店

(ア)「りょうちゃんのくしやきほんぽ/良ちゃんの串焼き本舗」(http://www.hotpepper.jp/strJ000713018/)。

(イ)「串焼本舗 雀や」(http://www.suzumeya.com/)。

イ カレーを提供する飲食店

(ア)「横須賀海軍カレー本舗」(http://yokosuka-curry.com/restaurant/menu.html)。

(イ)「手作り煮込みインドカレーの店【ファルコンカレー本舗】」(http://curry.studiofalcon.com/)。

ウ 餃子を提供する飲食店

(ア)「山東餃子本舗(サントウギョウザホンポ)」(http://r.tabelog.com/tokyo/A1321/A132101/13012450/)。

(イ) 「四角家餃子本舗」(http://www.shikakuya.com/shop/)。

エ ラーメンを提供する飲食店

(ア)「昭和十三年屋台の味/末廣ラーメン本舗」(http://www.fukumaru.info/suehiro/)。

(イ)「ふぶき亭 喜多方らーめん本舗」(http://www.kitakata-ramen.jp/topindex.shtml)。

オ やきとりを提供する飲食店

(ア)「やきとり本舗 ちきちき」(http://gourmet.suntory.co.jp/shop/0X00025151/index.html)。

(イ)「やきとり本舗 サクラサク」(http://r.gnavi.co.jp/n786700/)。

前記の他,「お好み焼」及び「本舗」の文字を上下二段に筆書き風に書してなる商標と,その指定役務を本願商標の指定役務を同一にする,本件請求人と同一人の不服2008−32684審決において開示した事実がある(別掲参照)。

これらの事実からすれば,「お好み焼(料理名)」と「本舗」の文字からなる本願商標は,その指定役務中,「飲食物の提供」との関係において,取引者,需要者に「お好み焼きを提供する店」程の意味合いを表したものと容易に理解,認識させるに止まるものと判断するのが相当である。

そうとすれば,本願商標は,これをその指定役務中「お好み焼の提供」について使用するときは,役務の提供の場所及び質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当であって,自他役務の識別標識としての機能は果たし得ないものである。

また,本願商標は,これをその指定役務中,お好み焼の提供以外の「飲食物の提供」について使用するときは,役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって,本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は,「『お好み焼を提供する店』程の意味合いを表す語としては,『お好み焼き屋』の語が該当し(甲第2号証),本願商標に接した需要者はむしろ,『お好み焼きを提供する店』程度の意味を暗示させる造語と認識すると考えるのが自然である。」旨主張し,登録例を挙げて本願商標についても同様の判断がなされるべき,と主張している(甲第3号証(枝番を含む)。)。

しかしながら,本願商標が,全体として「お好み焼きを提供する店」程の意味合いを容易に理解,認識させ,その指定役務中「お好み焼の提供」との関係においては,役務の提供の場所及び役務の質を表示するにすぎないものであること,前述のとおりである。

そして,請求人が示した登録例は,その多くが「商品」を指定したものであり,また,指定役務の登録例については,その商標の構成中に識別力を有する文字が含まれているものである。また,商標登録出願に係る商標が上記条項に該当するか否かについては,当該案件の査定時又は審決時において,その商標と,指定商品又は指定役務との関係及び取引の実情等を考慮し,個別具体的に判断されるべきものであるから,これらの登録例が,本願商標の認定,判断に影響を及ぼすものではない。

イ 請求人は,「お好み焼本舗」については,請求人が実際に使用しており,その語の意味から自他役務の識別力を発揮しているので,提出した証拠によれば,本願商標が自他役務の識別力がある商標であると確信する旨主張する。

しかしながら,請求人の使用する標章は,本願商標と「お好み焼本舗」の文字の態様を異にするものであって,かつ,図形や他の構成文字との組合せによりなるものであり(甲第4号証−2),本願商標の使用事実を示すものではない。

また,その他,本願商標が取引者,需要者の間において請求人の業務にかかる役務であることを認識できるに至っていると認め得る客観的かつ具体的な証拠(例えば,「売上高等営業規模を示す資料」等)は,提出されていない。

よって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は,妥当であって,取り消すことはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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