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結論

敗訴(請求棄却)

商標「THERMOSCALE」の結合語の記述性と識別力(第3条第1項第3号|審判不服2010−21721(T2010−21721/J1))

審判番号
不服2010−21721(T2010−21721/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「THERMOSCALE」
争点(論点)
結合語の記述性と識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2010−21721(T2010−21721/J1)・不服)は、本件商標「THERMOSCALE」について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「結合語の記述性と識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「THERMOSCALE」の欧文字を標準文字で表してなり、第1類「感熱式の発色フィルム,その他の写真材料」及び第9類「2つの物体の接触面の熱分布を測定するための感熱式発色フィルム,その他の測定機械器具」を指定商品として、平成21年5月25日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、「本願商標は、『熱』の意味を表す連結形として多用される英語の『THERMO』と、『目盛り,物差し』を意味する英語の『SCALE』とを結合したもので、その組合せから『熱に反応する目盛り・物差し』程の意味合いが容易に看取される『THERMOSCALE』の文字よりなるものであり、その指定商品との関係では『熱を測るもの』『熱を検知するもの』を直感させるから、これを指定商品中の『測定機械器具』に使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「THERMOSCALE」の文字よりなるところ、その構成中「THERMO」の文字部分は、「『熱』の意味の結合辞」(三省堂発行「新コンサイス英和辞典第2版」)を意味し、また、「SCALE」の文字部分は、「物さし、尺度」等(広辞苑第六版)を意味する比較的平易な英語と認められるものである。

ところで、構成中前半の「THERMO」の文字は、前記のとおり、そのままの形の単語としては用いられず、普通は複合語の構成成分として用いられる「結合辞」であって、実際に、「温度計」を意味する「thermometer」、「恒温装置」を意味する「thermostat」、「赤外センサーを用いて物体の表面温度分布を計測し、画像化する装置」を意味する「thermography」(いずれも広辞苑第六版)のように、「熱に関連した商品」を表す際、他の文字に連結して、複合語を構成していることが認められる。

また、構成中の「SCALE」の文字部分は、その表音である「スケール」の語が、本願指定商品を取り扱う業界においては、測定の対象となる物等を冠して、例えば、「カロリースケール」「磁気スケール」「ベビースケール」のように、当該測定用の商品を表すものとして、普通一般に使用されている事実が別掲のインターネット情報より窺い知ることができるものである。

そうすると、本願商標は、たとえ、その構成が一体的に表されているとしても、そもそも「THERMO」の文字は、他の語と結合して使用される語であること前記のとおりであり、そして、本願商標を構成する「THERMO」と「SCALE」の各文字が有する意味と、さらには、前記、取引の実情をも考慮すれば、全体として「熱を測るもの」或いは「熱を検知するもの」程の意味合いを容易に看取させるものといわなければならない。

してみれば、これを本願の指定商品中「2つの物体の接触面の熱分布を測定するための感熱式発色フィルム,その他の熱を測定するための測定機械器具」に使用しても、単に商品の品質、用途を表示するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。

(2)請求人の主張について

請求人は、「本願商標は、淀みなく一連に称呼し得るものであり、何れの文字部分をもってしても分離することのできない一体不可分の構成からなる一種の造語として認識されるものである。」旨主張する。

しかしながら、本願商標は、その構成中の「THERMO」の文字は、「『熱』の意味の結合辞」であり、「熱に関連した商品」を表す際、他の文字に結合して、複合語を構成していること前記(1)のとおりである。

また、「SCALE」の文字も、本願指定商品を取り扱う業界において測定用の商品を表すものとして、普通一般に使用されている事実が認められること、前記(1)のとおりであるから、本願商標がたとえ、一体的に表されているとしても、本願商標を構成する「THERMO」と「SCALE」の各文字が有する意味及び本願指定商品を取り扱う業界における取引の実情、さらには、本願指定商品との関係からすれば、前記「THERMO」及び「SCALE」から構成される複合語として認識されることも決して少なくないものである。

そうとすると、これに接する取引者、需要者をして、全体として「熱を測るもの」或いは「熱を検知するもの」程の意味合いを看取させる蓋然性は、極めて高いものといわなければならない。

さらに、請求人は、「THERMO(サーモ)」又は「SCALE(スケール)」の文字を含む過去の登録例を挙げて、本願も同様に登録されるべきである旨主張するが、請求人が主張する過去の登録例は、いずれも、商標の構成及び指定商品との関係において、本願とは事案を異にするものであり、その登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは適切とはいえないことから、請求人のこれらの主張は採用することができない。

(3)まとめ

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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