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Trademark Appeal Case

YAMAHA結合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−27565(T2010−27565/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「YAMAHA PERFORMANCE DAMPER」の欧文字と「ヤマハ パフォーマンス ダンパー」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,緩衝器,ばね」を指定商品として、平成21年3月13日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、原審における同年8月24日付け手続補正書により、第12類「緩衝器」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下の11件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2475123号商標

商標の構成:別掲1のとおり

登録出願日:昭和57年4月8日

設定登録日:平成4年11月30日

更新登録日:平成14年6月25日

書換登録日:平成15年9月3日

指定商品 :第6類、第8類、第9類、第11類、第15類ないし第17

類、第19類ないし第21類、第26類、第28類に属する商標登録原

簿記載のとおり

(2)登録第2642239号商標の1

商標の構成:YAMAHA

登録出願日:昭和63年11月4日

設定登録日:平成6年3月31日

更新登録日:平成15年10月28日

書換登録日:平成16年8月25日

指定商品 :第6類、第8類、第9類、第11類、第15類ないし第17

類、第19類ないし第21類、第26類、第28類に属する商標登録原

簿記載のとおり

(3)登録第2642240号商標の1

商標の構成:ヤマハ

登録出願日:昭和63年11月4日

設定登録日:平成6年3月31日

更新登録日:平成15年10月28日

書換登録日:平成16年8月25日

指定商品 :第6類、第8類、第9類、第11類、第15類ないし第17

類、第19類ないし第21類、第26類、第28類に属する商標登録原

簿記載のとおり

(4)登録第2696921号商標の1

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:昭和52年6月29日

設定登録日:平成6年10月31日

更新登録日:平成16年6月1日

書換登録日:平成17年5月25日

指定商品 :第6類、第8類、第9類、第11類、第15類ないし第17

類、第19類ないし第21類、第26類、第28類に属する商標登録原

簿記載のとおり

(5)登録第4226061号商標

商標の構成:YAMAHA

登録出願日:平成9年7月9日

設定登録日:平成11年1月8日

更新登録日:平成20年8月26日

指定商品 :第6類に属する商標登録原簿記載のとおり

(6)登録第4226070号商標

商標の構成:ヤマハ

登録出願日:平成9年7月9日

設定登録日:平成11年1月8日

更新登録日:平成20年8月26日

指定商品 :第6類に属する商標登録原簿記載のとおり

(7)登録第4243525号商標

商標の構成:山葉(標準文字)

登録出願日:平成9年8月14日

設定登録日:平成11年2月26日

更新登録日:平成20年9月24日

指定商品 :第6類に属する商標登録原簿記載のとおり

(8)登録第4522114号商標

商標の構成:ヤマハ株式会社(標準文字)

登録出願日:平成12年9月19日

設定登録日:平成13年11月16日

指定商品・役務:第1類ないし第42類に属する商標登録原簿記載のとお

(9)登録第4522115号商標

商標の構成:YAMAHA CORPORATION(標準文字)

登録出願日:平成12年9月19日

設定登録日:平成13年11月16日

指定商品・役務:第1類ないし第42類に属する商標登録原簿記載のとお

(10)登録第4601561号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成13年5月29日

設定登録日:平成14年9月6日

指定商品・役務:第6類、第9類、第11類、第14類ないし第16類、

第18類ないし第20類、第25類、第28類、第35類、第37類、

第38類、第41類、第42類に属する商標登録原簿記載のとおり

(11)登録第4822189号商標の1

商標の構成:やまは(標準文字)

登録出願日:平成16年4月5日

設定登録日:平成16年12月3日

指定商品・役務:第1類ないし第3類、第5類、第6類、第8類ないし第

11類、第13類ないし第28類、第33類ないし第45類に属する商

標登録原簿記載のとおり

以下、登録第4522114号商標及び登録第4522115号商標をまとめて「引用商標1」といい、その余の引用商標をまとめて「引用商標2」という。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、前記1のとおり、「YAMAHA PERFORMANCE DAMPER」の欧文字と「ヤマハ パフォーマンス ダンパー」の片仮名を上下二段に横書きしてなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字から生ずる読みを無理なく表したものと認められる。そして、本願商標の構成中、上段の「YAMAHA」、「PERFORMANCE」、「DAMPER」の各欧文字及び下段の「ヤマハ」、「パフォーマンス」、「ダンパー」の各片仮名は、いずれも同じ書体、同じ大きさをもって表されていることから、外観においては、いずれかの文字部分がこれに接する需要者をして特に注意を引くような構成ではなく、称呼においても、構成全体の文字に相応して生ずると認められる「ヤマハパフォーマンスダンパー」の称呼は、短い音数ではないものの、無理なく一連に称呼し得るものである。

ところで、本願の指定商品「緩衝器」は、商品及び役務の区分第12類の商品として指定されているのであるから、商標法施行規則第6条で定める別表の第12類に徴すれば、陸上の乗物用の機械要素に属するものと認められ、自動車、二輪自動車等と関連を有する商品ということができる。しかして、かかる「緩衝器」は、自動車等の操縦安定性等に影響を与えるものであるから、自動車等の需要者があまねく購入するものとはいい難く、むしろ、相当の知識を有する取引者、需要者の間で取引されるとみて差し支えないものであり、かかる者の注意力は、自動車等の一般の需要者と比較して相当高いといわなければならない。

そして、当審における職権調査によれば、本願商標の構成中の「YAMAHA」及び「ヤマハ」の各文字は、請求人の略称ないし同人の業務に係る「二輪自動車」等に使用する商標として需要者の間に広く認識されていると認められる。

他方、後半の「パフォーマンス ダンパー」の片仮名は、上記のとおり、「PERFORMANCE DAMPER」の欧文字から生ずる読みを表したものであるところ、「パフォーマンスダンパー」の片仮名について、以下の事実が認められる。

ア 請求人は、走行時の車体のごくわずかな変形や振動を穏やかに整え吸収し、走行安定性や乗り心地の向上を図る車体制振ダンパーの基本概念を2000年に発案、その後、独自開発し、かかるダンパーの商品名を「パフォーマンスダンパー」とした(別掲4(1)等)。

パフォーマンスダンパーは、2001年に、トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ」という。)の乗用車(限定車)に採用、2004年以降、トヨタの量産車、日産自動車株式会社、富士重工業株式会社の一部車種に順次採用され、欧州メーカーからの引き合いもあるほか、2011年1月には、トヨタのレクサスブランド及びハイブリッド車に初めて搭載されたほか、2006年からは国産車ほか、フォルクスワーゲン、アウディなどの欧州車向けのアフターパーツとしても販売されている(別掲4(3)、別掲4(5)、別掲4(7)〜別掲4(9)等)。

イ パフォーマンスダンパーは、その独自技術が内外から高く評価され、2005年には財団法人機械振興協会の新機械振興賞において会長賞を受賞、2006年には、社団法人自動車技術会の技術開発賞を受賞、2008年には、新技術開発財団の市村産業賞・貢献賞を受賞した(別掲4(2)〜別掲4(4)、別掲4(6)等)。

ウ 請求人が多数の乗用車用アフターパーツ専門業者と共に開発した各種国産車ほか、フォルクスワーゲン、アウディ、アルファロメオ、BMW、ポルシェといった欧州車向けパフォーマンスダンパーは、請求人の略称を冠した「ヤマハパフォーマンスダンパー」等と紹介されているほか、乗用車の走行安定性、乗り心地が向上する請求人の開発した製品としても知られ、とりわけ自動車愛好家の間に注目され、話題となっている(別掲4(10)〜別掲4(22))。

上記認定事実によれば、乗用車の走行安定性や乗り心地の向上を図るために、請求人が独自に開発した車体制振ダンパー「パフォーマンスダンパー」は、国産乗用車に採用されているほか、欧州メーカーからの引き合いもあり、欧州車等のアフターパーツとしても販売されていること、また、従来にない独自技術が高く評価された結果、2005年に新機械振興賞において会長賞、2006年に技術開発賞、2008年に市村産業賞・貢献賞の各賞を受賞したことが認められる。

そして、請求人と共に国産車・欧州車向けの車体制振ダンパーを開発・販売するアフターパーツ専門業者等は、かかる車体制振ダンパーを「ヤマハパフォーマンスダンパー」と紹介していること、国産車ほかアウディ、アルファロメオ、BMW、ポルシェ等の欧州車の自動車愛好家の間で、かかる「パフォーマンスダンパー」は、請求人に係る商品として知られていることなどが認められる。

以上によれば、「パフォーマンスダンパー」は、請求人が独自に開発した車体制振ダンパーに使用する商標として、自動車メーカー、アフターパーツ専門業者等のほか、自動車愛好家の間においても請求人に係る車体制振ダンパーに使用する商標として相当程度知られているとみるのが相当である。

してみると、本願の指定商品が自動車等と関連する商品であること、本願の指定商品は、相当の知識を有する取引者、需要者によって取引されるものであり、その需要者の注意力は比較的高いとみられること、本願商標の構成中、前半の「YAMAHA」及び「ヤマハ」の各文字は、請求人が「二輪自動車」等に使用する商標として知られているほか、同人の略称としても需要者の間に広く知られていること、後半の「PERFORMANCE DAMPER」及び「パフォーマンス ダンパー」の文字は、同人に係る車体制振ダンパーに使用する商標として相当程度知られていることを総合的に考察すれば、本願商標は、その構成全体から「ヤマハ(請求人)のパフォーマンスダンパーという緩衝器」と観念されるものと認められる。

そうすると、本願商標は、上記した外観、称呼及び観念を総合して考察すると、その構成中の欧文字部分又は片仮名部分が一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当である。

したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「ヤマハパフォーマンスダンパー」のみの称呼及び「ヤマハ(請求人)のパフォーマンスダンパーという緩衝器」の観念を生ずるといえる。

(2)引用商標

引用商標1は、前記2のとおり、「ヤマハ株式会社」、「YAMAHA CORPORATION」の文字からなるところ、それぞれの構成中、「株式会社」及び「CORPORATION」は、会社組織の一形態を表す語、会社、法人を表す語であるから、自他商品の識別標識としての機能が無いか又は弱いというべきものである。

そうすると、引用商標1は、それぞれの構成中、「ヤマハ」及び「YAMAHA」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮するというのが相当であるから、構成文字全体に相応して「ヤマハカブシキカイシャ」、「ヤマハコーポレーション」の称呼を生ずるほかに、「ヤマハ」及び「YAMAHA」の文字部分に相応して「ヤマハ」の称呼をも生ずるというべきである。

一方、引用商標2は、前記2のとおり、「YAMAHA」、「ヤマハ」、「山葉」又は「やまは」の文字を有するものであるから、かかる構成文字に相応して、「ヤマハ」の称呼を生ずるものである。

そして、引用商標1は、その構成中に、上記した意味を有する「株式会社」及び「CORPORATION」の文字を有するものであるから、「ヤマハ(ヤマハ株式会社)という会社」を観念するものと認められる。

次に、引用商標2は、「YAMAHA」、「ヤマハ」の文字又は「ヤマハ」の称呼からは、前記(1)のとおり、請求人の略称を想起するとみられるほか、引用商標2の商標権者の略称を認識する場合も否定し得ないものであるから、「ヤマハ(請求人又はヤマハ株式会社)という会社」を観念するものと認められる。

(3)商標の類否

ア 外観

本願商標と引用商標1及び2とは、前記(1)及び(2)のとおり、外観において顕著な差異を有するものであるから、外観については十分に区別し得るものである。

イ 称呼

本願商標は、前記(1)のとおり、「ヤマハパフォーマンスダンパー」の称呼を生ずるものであり、引用商標1及び2は、前記(2)のとおり、「ヤマハカブシキカイシャ」、「ヤマハコーポレーション」又は「ヤマハ」の称呼を生ずるものであるから、両称呼は、音構成及び構成音数において相違し、相紛れることなく区別し得るものである。

ウ 観念

本願商標は、前記(1)のとおり、「ヤマハ(請求人)のパフォーマンスダンパーという緩衝器」の観念を生ずるものであり、引用商標1及び2は、前記(2)のとおり、「ヤマハ(請求人又はヤマハ株式会社)という会社」又は「ヤマハ(ヤマハ株式会社)という会社」の観念を生ずるものであるから、観念については相違するものである。

エ 取引の実情

本願商標と引用商標1及び2とは、これらを同一又は類似の商品に使用した場合、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるべき取引の実情を見いだせない。

オ 小括

以上によれば、本願商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても何ら相紛れるおそれはなく、これらを同一又は類似の商品に使用したとしても、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとは認められない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本願の指定商品と引用商標1及び2の指定商品の類否について論及するまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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