結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2010−890090(T2010−890090/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5233384号商標(以下「本件商標」という。)は、「RYTHME」の文字を標準文字で表してなり、平成20年8月28日に登録出願、第18類「かばん類(『洗面用具入れ』を除く。),袋物(『洗面用具入れ』を除く。)」、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(『靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具』を除く。),げた,草履類」及び第35類「 被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物(『洗面用具入れ』を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品(『つけづめ・つけまつ毛・ひげそり用具入れ・ペディキュアセット・まつ毛カール器・マニキュアセット・耳かき・携帯用化粧用具入れ・化粧用具(〔電気式歯ブラシ〕を除く。)・つけあごひげ・つけ口ひげ・ヘアカーラー(電気式のものを除く。)』を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として同21年4月16日に登録査定、同年5月22に設定登録されたものである。
請求人が引用する登録第4868106号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成16年11月18日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品として平成17年6月3日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第33号証を提出している。
(1)指定商品・指定役務の同一・類似性
本件請求に係る本件商標の指定商品及び指定役務中、以下のア及びイの商品及び役務(以下「本件指定商品等」という。)のいずれも、引用商標に係る指定商品のいずれかと同一又は類似である。
ア 第25類に係る商品について
本件商標の指定商品のうち、「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット」と、引用商標の指定商品「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット」とは、生産・販売部門、用途、需要者層等が一致するから、互いに類似する。
イ 第35類に係る役務について
本件商標の指定役務のうち、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、引用商標の指定商品「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット」とは、商品の製造・販売場所と役務の提供が同一業者によって行われるのが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所や需要者の範囲が一致するから、互いに類似する。
(2)商標の類似性
ア 外観上の類似性
本件商標と引用商標の外観を比較すると、本件商標は、欧文字「RYTHME」を標準文字で表してなるのに対して、引用商標は、欧文字「Rhythm」を毛筆体で横書きに表すとともに、該文字の「R」の左側にデフォルメした太陽の図形を表してなるものである。
両商標の構成のうち、文字の部分に着目すると、両商標を構成する欧文字6文字のうち、「R」、「Y」、「T」、「H」、「M」の5文字が共通しており、そのうち、「R」は、最も注意が注がれる当該各語の語頭に位置し、また、「YTHM」は、いずれの商標においても連続して表されている。そうすると、引用商標を構成する文字列の第二番目に位置する「h」の文字は、「R」と「YTHM」の連続性に埋没してしまい、該「h」の有無が需要者の印象には残らず、他方、本件商標の語尾に位置する「E」についても、該文字が、需要者等によって注意が払われにくい位置にあることから、かかる「E」の有無が与える印象は極めて小さいといえる。
簡易・迅速が最も尊ばれる今日の取引においては、商標に対する注意は瞬時に払われることは想像に難くない。そのような状況において、6文字中5文字が共通し、しかも語頭の文字が同一で、残る4文字の順序が共通している文字列に接すれば、両者を極めて近似したものとして把握・認識することは明らかであり、「h」ないし「E」の文字の有無という相違は、需要者等の印象にはほとんど残らないといえる。
審決・決定(甲第5号証ないし甲第7号証)では、本件商標と引用商標との関係以上に多くの相違文字を構成に有する商標について、その外観上の類似性が認定されており、特に、甲第7号証では、最も需要者等の注意を引き記憶に残りやすい商標の前半部分に相違があるにもかかわらず、類似性が認定されている。
本件商標と引用商標とは、語頭の「R」及び語中の「YTHM」が同一の順序で表示されていることから、極めて近似した印象を与え、これを時・場所を異にして離隔的に観察した場合には、需要者等はこれらが付された商品の出所について誤認混同するおそれがあるから、両商標は、外観上類似する。
イ 称呼上の類似性
本件商標は、上述したとおり、欧文字「RYTHME」を標準文字で表してなるところ、該文字は、フランス語で「リズム」に該当する語であり、「リトム」と称呼される。本件指定商品等の分野においては、フランス語読みで称呼される商標が少なくなく存在するが、一般的に我が国におけるフランス語の習得率や理解力はそれほど高いとはいえず、また、本件指定商品等の分野における需要者層が老若男女を問わず広い範囲に及ぶと考えられるから、同分野であってもフランス語風の読み方が必ずしも行われるわけではない。よって、欧文字で表示される本件商標は、英語風に称呼されることが一般的であると考えられる。
そこで、本件商標が、英語風にどのように称呼されるか検討してみると、「RY」は、「y」が母音「i」の代わりに用いられることは稀ではないから、「リ」と称呼されると考えるのが自然である。
次に、「TH」は、通常、「ズ」又は「ス」と称呼されるが、「algorithm(アルゴリズム)」、「biorhythm(バイオリズム)」、「rhythm(リズム)」のように、「m」が「th」に続く場合には、「ズ」と濁って称呼されることが一般的である。
そして、「me」については、「me」単独で用いられる場合には、「ミー」と称呼されることが一般的であることは否定しない。しかしながら、「me」の文字が、他の文字と共に用いられ、特に語尾に位置する場合には、英語風には、「ミー」と称呼されず、「ム」と称呼されることが一般的である(甲第8号証)。我が国の英語教育の初期の段階で(または、多くの場合、それ以前に)覚えるはずの「come」、「home」、「name」、「time」が、いずれも「カミー」、「ホーミー」、「ネーミー」、「タイミー」と称呼することはあり得ないのと同様に、「RYTHME」を英語風に称呼する場合に「リズミー」と自然に称呼することはあり得ない。
また、「RYTHME」は、日本語「リズム」、英語「rhythm」に相当するフランス語であるが、これをフランス語風に称呼した場合には「リトム」のように「ム」と称呼されるのであるから、本件商標が「リズミー」と称呼されることは一切あり得ない。
そもそも、本件商標の外観構成を見てみると、本件商標は、「RYTHME」と一切のスペースも空けず表示されているのであるから、「ME」の部分を他の部分と分離して「ミー」と称呼されると考えるべき特段の事情も一切存在しないし、また、仮に語尾における「me」を「ミー」と称呼する言語があるとしても、当該言語を理解できる者は極めて稀な存在であることは想像に難くなく、我が国における本件指定商品等の分野における標準的な需要者等の注意力を認定するに際して、そのような稀な者の注意力を基準にすべきではない。我が国においては、英語が最も普及している外国語であり、それは、本件指定商品等の需要者層にも当然当てはまることであるから、たとえ本件商標がフランス語で「リトメ」と称呼されるのであったとしても、本件商標に接する需要者等は、「ry」、「th」、「me」の各文字の音を「リ」、「ズ」、「ム」と英語風に理解し、これを一連に「リズム」と称呼すると考えるのが最も取引の実情に則しているといえる。
なお、万が一にも、本件商標から「リズミー」という称呼が生ずると判断される場合があったとしても、「一個の商標から二個以上の称呼、観念を生ずることがあるのは、経験則の教えるところであ」り(最判昭和38年12月5日、甲第9号証)、このことが本件商標から「リズム」という称呼が生ずることを否定することとはならず、上述のとおり、我が国の需要者等は「RYTHME」を、第一次的には「リズム」と称呼すると考えるのが相当である。
他方、引用商標を構成する「Rhythm」は、「リズム、調子、律」を意味する馴染みのある英単語であり、これからは「リズム」という称呼が生ずることは明らかである。
してみれば、本件商標及び引用商標は、「リズム」という称呼が生ずる点で共通することは明らかであって、両商標は、称呼上同一の商標である。
ウ 観念上の類似性
本件商標は、英語の「rhythm」に対応するフランス語であるから、本件商標からは、「リズム、調子、律」といった観念が生ずる。また、我が国におけるフランス語の理解力を考慮した場合には、「RYTHME」から正確な意味合いを把握・認識できない可能性があるが、その場合には、引用商標から生ずる観念との対比はできないものの、このことが、上述した両商標の外観及び称呼の共通性を凌駕して、その類似性を低下させるとは、到底いうことができない。
むしろ、需要者等は、新しい語に接した場合には、自らの記憶にあるいずれかの語との共通性を見いだそうとし、その記憶に基づいて当該新しい語の意味合いないしイメージを把握しようとする傾向にある。本件商標は、「Rhythm」とは、語頭の「R」を含む5文字が共通し、しかも多少の位置の違いはあれど同じ順序で表示されているのであるから、本件商標に接する需要者等は、先ず「RYTHME」が、「Rhythm(リズム)」と何らかの関連がある語であると想像し、共通の意味合いないしイメージをもって両商標を把握・認識すると考えるのが相当である。
してみれば、本件商標及び引用商標は、いずれも「リズム、調子、律」に関連する共通した意味合い又はイメージをもって理解されることは明らかであるから、両商標は、観念上も同一又は類似の商標である。
(3)取引の実情
引用商標は、請求人がオーストラリアをベースとし、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカ合衆国、カナダを中心に世界的に展開する、サーフウェアその他のサーフィン関連製品のブランドである。
我が国においては、請求人は、正規代理店を有していないものの、その極めて優れたデザイン性から、我が国においても熱狂的な人気を誇っており、我が国のサーフィン関連製品を取り扱う店でも当該ブランド製品が度々取り扱われ、そのウェブサイトで紹介されている(甲第11号証ないし甲第15号証)。
これらの事実からも、本件指定商品等に含まれるサーフウェアないしサーフアパレル製品の分野において、我が国でも、請求人の「rhythm」ブランドが、需要者等の間で広く認識されているといえる。
(4)小括
以上のように、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、引用商標と共通点を有する類似の商標であり、本件指定商品等の取引の実情にかんがみると、引用商標との間で誤認混同が生ずるおそれが高い。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
前記1(3)で述べたとおり、請求人は、2003年にRhythmブランドを立ち上げ、それ以降オーストラリアを中心に、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ等でブランドを展開し、我が国においても、熱狂的なファン層を獲得しており、一定程度需要者の間で広く知られているといえる。
引用商標は、請求人のRhythmブランドのバリエーションの一つであるが、当該ブランドの中心となるのは、「rhythm」(引用商標の文字部分と同じ毛書体で表わされたもの。甲第11号証ないし甲第15号証。以下「使用商標」という。)である。
使用商標と本件商標とが、外観、称呼、観念において相紛らわしい類似の商標であることは、前記1(2)アないしウより明らかである。
また、使用商標が使用される「サーフパンツ(サーフィン用ショートパンツ)」、「Tシャツ」及び「シャツ」は、本件指定商品等のうち、第25類「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」及び第35類「セーター類・ワイシャツ類・寝巻き類・下着・水泳着・水泳帽の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と同一又は類似のものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。
請求人のRhythmブランドが一定程度需要者の間で広く知られていることは、前記1(3)で述べたとおりであり、また、本件指定商品等のうち、前記2で述べた商品以外の商品は、いずれも「被服」に属する商品であって、その生産・販売部門、用途、需要者層等は共通し、本件指定商品等のうち、前記2で述べた役務以外の役務についても、商品の製造・販売場所と役務の提供が同一業者によって行われるのが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所や需要者の範囲が一致するし、これらの商品について、請求人が事業を展開する可能性の蓋然性が高いことは想像に難くない。
そうすると、本件商標がこれらの商品・役務に使用された場合には、需要者をして、Rhythmブランドを展開する請求人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の商品等であると誤認し、その出所について混同するおそれがあるといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
以上より、本件指定商品等について、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同第10号又は同第15号に該当することは明らかであり、その登録は無効である。
被請求人は、請求人の主張に対し、何ら答弁をしていない。
(1)商標の類否について
ア 本件商標
本件商標は、「RYTHME」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「リトム」と発音され、「リズム、律動」等の意味を有するフランス語であって、英語「rhythm」に相当する語を表したものと認められるが、我が国におけるフランス語の普及の程度を考慮すれば、該「RYTHME」の語が我が国において一般に親しまれているものとはいえない。
また、本件商標の指定商品は、前記第1のとおり、被服等のファッションに関連する商品が含まれており、被服等を取り扱う業界において商品名にフランス語が使用される傾向にあることをうかがえるが、そうであるとしても、フランス語の「rythme」がその需要者において良く知られた語とみるべき特段の事情を見いだせないから、本件商標は、一種の造語と認識されるというのが相当である。
しかして、一般的には、特定の意味合い又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みをもって称呼するとみられるものであるところ、本件商標は、上記の理由により、必ずしもフランス語の発音とおりに称呼されるとは限らないというべきであるから、我が国において一般に親しまれた英語の「amaryllis」を「アマリリス」、「crystal」を「クリスタル」、「sanctuary」を「サンクチュアリ」と発音する例に倣い、本件商標の語頭部の「RY」の文字は、「リ」と発音されるというのが自然である。また、中間の「TH」の文字は、「algorithm」を「アルゴリズム」、「biorhythm」を「バイオリズム」、「rhythm」を「リズム」と発音する例に倣い、「th」の後に「m」が続くときは「ズ」と発音されるといえる。そして、語尾の「ME」の文字は、単独では「ミー」と発音されるものの、語尾に位置するときは、「come」を「カム」、「home」を「ホーム」、「name」を「ネーム」と発音する例に倣い、「ム」と発音されるのが通例である。
以上からすると、本件商標は、全体として英語風に「リズム」と称呼されるとみるのが自然であり、特定の観念を生ずるものではない。
イ 引用商標
引用商標は、別掲のとおり、やや図案化された「Rhythm」の文字と、該「R」の文字の左に一部接するように抽象的な幾何図形(以下「引用図形」という。)を配した構成からなるところ、その文字部分と引用図形は、一部がわずかに重ねて表されているとしても、構成全体としては、不離に融合したものではなく、容易に図形と文字の組合わせからなるものと看取されるものである。
そして、請求人の取扱いに係るトランクス、ティーシャツなどには、引用図形と「rhythm」の文字が分離して表示されているものや、「rhythm」の文字が単独で使用されており、これらの商品を取り扱う我が国の事業者に係るウェブサイトにおいては、「リズム」、「Rhythm」などの表記をもって紹介されている事実が認められる(甲第11号証ないし甲第19号証)。
そうすると、引用商標は、引用図形と文字部分が常に不可分一体のものとしてのみ認識し把握されるべき特段の理由を見いだし難いことをも考慮すれば、その構成中の文字部分が独立して商品の出所識別標識として認識、把握されるというべきであるから、これに接する取引者、需要者が読み易い文字部分を捉え、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合が決して少なくないものといえる。
しかして、「Rhythm」の文字は、「リズム」と発音され、「リズム、律動」の意味を有する英語として我が国において一般に知られている語であるから、引用商標は、その構成中の文字部分に相応して「リズム」の称呼及び「リズム、律動」の観念を生ずるものである。
ウ 商標の類否
前記ア及びイによれば、本件商標と引用商標とは、「リズム」の称呼を共通にし、観念については、本件商標が観念を有しないものであるから、観念をもって両商標が区別し得るということができないものであり、また、両商標は、全体の外観において区別し得る差異を有するとしても、その差異は、称呼の共通性を凌駕するものともいえない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼において彼此相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
(2)指定商品・役務の類否について
ア 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品
本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット」と引用商標の指定商品中、「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とは、生産部門、販売部門、用途、需要者の範囲が一致するから、同一又は類似といえる。
イ 本件商標の指定役務と引用商標の指定商品
本件商標の指定役務中、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標の指定商品とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一業者によって行われるのが一般的であって、商品の販売場所と役務の提供場所や需要者の範囲も一致するから、両者について同一又は類似の商標が使用された場合には、それぞれの出所について誤認・混同するおそれがあり、互いに類似するものというべきである。
(3)取引の実情
本件商標と引用商標とは、これを同一又は類似の商品若しくは役務に使用した場合に、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがないとみるべき特段の取引の実情は見いだせない。
(4)小括
以上によれば、本件商標は、引用商標と商標において類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品及び指定役務中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、上記指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第11号に該当する。
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、請求人のその余の主張について検討するまでもなく、同法第46条第1項の規定に基づき、上記指定商品及び指定役務についての登録を無効にすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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