Trademark Appeal Case
風味逸品の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−13480(T2010−13480/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「風味逸品」の文字を標準文字により表してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成21年8月28日に登録出願されたものであるが、その後、当審における同22年6月21日付け手続補正書により、第30類「パン」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『風味がすぐれた品』を意味する『風味逸品』の文字を標準文字により表してなり、『風味』及び『逸品』の言葉は、日常食品などに良く使用され、容易に採択使用されていることから、本願の指定商品に使用するときは、商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「風味逸品」の文字を表してなるところ、「風味」の文字が「あじ、特に、上品なあじわい」の意味を有するものであり、「逸品」の文字が「すぐれた品。絶品。」(いずれも「広辞苑 第六版」)の意味を有するものであるから、構成全体として、「味のすぐれた品」の意味合いを容易に認識させるものである。
これについて、請求人は、「風味」及び「逸品」の文字が、それぞれ日常食品などに良く使用されていたとしても、「風味逸品」の文字が「パン」の品質表示として一般に使用されている事実はない。また、「逸品」は「品物」について用いられる言葉であって、感覚を表す「風味」について、それが「逸品」という表現は日本語として不適切である。本願商標は、「風味」にあえて不自然な「逸品」を結合することによって「風味」を品物のごとく印象づけ、風味の良さを表現した請求人の造語である旨主張している。
しかしながら、食品を取り扱う業界においては、「風味」の文字は、前記意味合いを表す語として、広く使用されているものであり、また、「逸品」の文字は、「美味しい逸品」「味の逸品」のように「美味しさ」「味」といった感覚を表示する語とともに「すぐれた品」を表示する語として使用されている。
さらに、「風味逸品」の一連の語が、原審において示した事例以外にも、以下のとおり使用されていることが認められる。
(1)「お土産の国」のウェブサイトの「京都のお土産散歩」の項において、「白心堂★京の黒豆入「生八ツ橋7個入」」の商品紹介に「黒豆をふくませ、お米は優良銘柄の近江米、餡には本場北海道産の豆を。さらに、黒豆のきな粉をまぶした新しい趣向と
風味逸品
生八ツ橋です。」の記載がある
(http://omiyagenokuni.com/sanpo/kyoto.html)
(2)「産直市場でお取り寄せ」のウェブサイトの「地方の特産品」の項において、「味濃い信州そば粉!
風味逸品
の霧下そば」の商品紹介に 「高山製粉 国産100%・
風味逸品
・つながり抜群!」の記載がある。
(http://www.umai.info-az.net/2011/01/00000010403001.html)
(3)「通販ショップ 信州松本 安曇野 (有)イコーワークス 」のウェブサイトの「食品・お菓子等の商品」の項において、「乾燥野沢菜」の商品紹介に「
風味逸品
野沢菜、国産契約栽培にこだわった野沢菜です。」の記載がある。
(http://ikoworks.com/syokuhin.aspx)
加えて、本願の指定商品である「パン」については、風味が良い商品であることを強調して宣伝広告が、以下のように行われている。
(4)「山崎製パン株式会社」のウェブサイトにおいて、「YAMAZAKI BRAND PAGE 超芳醇 特選」の商品説明に「厳選した上級小麦粉とバターを使用して、さらにキメの細かい
風味の良い食パン
に仕上げました。」の記載がある。
(http://www.yamazakipan.co.jp/brand/01_02.html)
(5)「パン工房・玄」のウェブサイトにおいて、「品名/もちっ子食パン」の商品説明に「天然酵母で発酵させて焼き上げた食パンです。長時間発酵によって、もっちりとした食感が人気です。バターを配合しましたので、とても
風味が良い食パン
です。」の記載がある。
(http://gen.moo.jp/bread.htm)
(6)「life with bread as Leaf」のウェブサイトにおいて、「食事パン 石窯ライ麦粒のパン」の商品説明に「石窯でじっくり焼きこんだ
風味良いパン
。」の記載がある。
(http://www.jefb.co.jp/asleaf/menu/61)
(7)「パンドール」のウェブサイトにおいて、「パン・ド・カレンズ」の商品説明に「パン・ド・カンパーニュにラム酒漬けしたカレンズとキャラウェーを入れた、
風味の良いパン
です」の記載がある。
(http://shop.yumetenpo.jp/goods/goodsList.jsp?st=paindore.jp&category=1:11&action=category)
(8)「サイラー」のウェブサイトにおいて、「パンコーナー コルンシュピッツ ランドラー」の商品説明に「ライ麦70%にコリアンダー・アニス・フェンネル・キャラウェイシードが入った
風味の良いパン
」の記載がある。
(http://www.sailer.jp/public_html/pan/index_sb_jp.html)
そうとすると、「風味」及び「逸品」の文字は、食品を取り扱う業界において、普通に使用されているものであり、かつ、本願の指定商品に係る「パン」について、風味が良いことを、その商品の特徴として宣伝がなされていることからすれば、本願商標の「風味逸品」の文字は、全体として「味がすぐれた品」程の意味合いを容易に理解させるにすぎないというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、上記意味合いを認識するに止まり、商品の品質を表示するにすぎないものといわざるを得ない。
なお、請求人は、食品を取り扱う業界において、一般に使用されている語を組み合わせた「安心逸品」、「炭焼逸品」、「風味焙煎」、「風味氷結」が登録されていることから、本願商標も自他商品識別力を有する旨主張している。しかしながら、商標が識別力を有するか否かの判断は、査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、商標ごとに個別具体的に判断すべきであって、上記の「風味」及び「逸品」の文字の使用事実からすれば、本願商標は、上述のとおり判断するのが相当であるから、当該主張は採用できない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3項に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する
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