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Trademark Appeal Case

化粧品商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−16533(T2010−16533/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「うるおいミルククリーム」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年10月8日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、当審における平成22年7月23日付け手続補正書により、第3類「クリーム状のせっけん類,クリーム状の歯磨き,クリーム状の化粧品」及び第5類「クリーム状の薬剤」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『うるおいミルククリーム』の文字を標準文字で書してなるものである。web情報及び本願に対して第三者から平成20年12月25日付けで提出された刊行物等提出書の添付資料によれば、主として化粧品等との関係において、『うるおいミルク』の文字が『肌にうるおいを与える効果を有する乳液』を、また『ミルククリーム』の文字が『乳液のように水分量を多く含み、保湿効果を有するクリーム』程度の意味合いの語として用いられている事実を見出すことができる。この点から、本願商標をその指定商品中、例えば『肌にうるおいを与え、皮膚をなめらかにする効果を有する水分量の多いクリーム状の商品』に使用したときには、単に商品の品質、効能、形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「うるおいミルククリーム」の文字を書してなるところ、構成中の「うるおい」の語は「水気を帯びること。しめり。『肌に―がない』」(広辞苑)、「ミルク」の語は「ミルク状のもの。乳液。」(同)、「クリーム」の語は「白粉下(おしろいした)あるいは肌や髪の手入れに用いる乳状の化粧料。」(同)の意味を有するものである。

また、本願指定商品には、「乳液」、「クリーム」等の化粧品が含まれており、それらの商品は、別掲(1)のとおり、ともに水分と油分を含んだ保湿化粧品であり、肌にうるおいを与える効果を有するものである。

そして、「乳液」と「クリーム」の相違点は、配合される水分と油分の比率による形状(流動性)の相違にあるものの、化粧品業界においては、別掲(1)及び(2)のとおり、両者の中間の形状を有する「ミルク(乳液)状のクリーム」などが取り扱われており、さらに、別掲(3)のとおり、「うるおい(潤い)ミルク」の語は「保湿効果を有するミルク(乳液)」ほどの意味合いで使用され、別掲(4)のとおり、「ミルククリーム」の語は「ミルク(乳液)状のクリーム」ほどの意味合いで使用されている実情がある。

そうとすると、本願商標は、構成全体として「保湿効果を有するミルク(乳液)状のクリーム」ほどの意味合いを容易に想起させるものであり、これを補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質、効能、用途、形状を認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識として認識するということはできないものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

なお、請求人は、「うるおい」の語は、辞書によると「精神的なゆとり」などの様々な意味を有することからすると、本願商標中の「うるおい」部分からは、「心にゆとりを与える商品」などの意味合いもごく自然に想起されるものであり、必ずしも原査定認定の「保湿効果を有する商品」の意味合いが看取されるとも限らない旨、主張している。

しかしながら、化粧品業界において、「うるおい(潤い)」の語が、一般に「保湿効果を有する商品」に使用されているのは別掲(3)のとおりであり、「うるおい」の文字部分からは前記意味合いを想起させるというのが相当であるから、上記主張は採用することができない。

また、請求人は、本願商標中の「クリーム」部分からは、「クリーム剤」あるいは「クリーム状の商品」を想起するとしても、「ミルク(milk)」の語は、辞書によると「乳、母乳」、「牛(山羊)乳」、「樹乳」、「乳液(化粧品)」などの意味を有することからすると、本願商標中の「ミルク」部分からは、「乳成分を含んだ商品」、「樹乳成分を含んだ商品」などの意味も自然に想起されるため、「ミルククリーム」の文字部分からも、必ずしも原査定認定の意味合いが看取されるとも限らない旨、主張している。

しかしながら、別掲(4)のとおり、化粧品業界において、「ミルククリーム」の語は「ミルク(乳液)状のクリーム」ほどの意味合いで普通に使用されているものであるから、上記主張は採用することができない。

さらに、請求人は、本願商標を「うるおい」+「ミルククリーム」と捉えるか「うるおいミルク」+「クリーム」と捉えるかで想起される意味合いも異なってくると考えられるので、結局、本願商標は特定の意味合いを想起するものではないといわざるを得ず、そもそも、本願商標を構成する各語毎に区切り、その各語が有する意味から本願商標のもつ意味を想起しようとすること自体無理がある旨、主張している。

しかしながら、前記のとおり、化粧品業界においては、「うるおい」の語は商品の品質を表すもの、「ミルククリーム」の語は商品の名称として、それぞれ普通に使用されているものであるから、本願商標は、「うるおい」と「ミルククリーム」の語を結合したものと自然に認識され、「保湿効果を有するミルク(乳液)状のクリーム」程の意味合いを容易に想起させるものというべきであるから、上記主張は採用することができない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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