結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2011−1029(T2011−1029/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「バスキュラースタチン」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成22年1月22日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、原審における平成22年8月11日付け手続補正書により、第5類「薬剤」と補正されたものである。
原査定は、「本願商標は、『バスキュラースタチン』の文字を標準文字で表してなるところ、『バスキュラー』は、『血管』の意味を有する『Vascular』を片仮名で表した語であり、また、『スタチン』は、『動脈硬化を進めるコレステロール値を低下させる薬』を意味する語であるから、本願商標からは『血管のコレステロール値を低下させる薬』の意味合いを認識させるものであり、本願商標をその指定商品中『血管のコレステロール値を低下させる薬剤』に使用しても、単に商品の品質、効能、用途等を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の『薬剤』に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、前記1のとおり、「バスキュラースタチン」の文字よりなるところ、構成中の「バスキュラー」の文字は、指定商品との関係において、「脈管の.血管の.維管束の.」の意味を有する「vascular」(医学英和大辞典)を片仮名で表してなるものであり、後半部の「スタチン」の文字は、「動脈硬化を進めるコレステロール値を低下させる薬」(現代用語の基礎知識2009)の意味を有するものであるが、本願の指定商品については、薬を服用する看者と投与する医師等の医療関係者がその需要者といえるところ、「バスキュラー(vascular)」の文字は、解剖学、生物学の分野で用いる専門的な用語であり、一般的な患者において、上記意味合いを有する語として知られているものではないから、このような需要者については、本願商標は構成全体として、特段の意味合いを想起させないものというのが相当である。
また、医療関係者においては、血管とコレステロールの低下は直接的に結びつくものではなく、加えて、「スタチン」の文字は、最近の研究により、コレステロールの低下の効能のみでなく、冠動脈疾患、脳卒中、糖尿病等に有効な効果があることが知られていることから、本願商標は、これに接する医療関係者において、原査定説示の意味合いを想起するものとはいうことができない。
加えて、「バスキュラースタチン」は、請求人と共同開発を行っている大阪大学大学院の森下竜一教授が、高血圧、糖尿病、高脂血症などは「虚血性心疾患」の原因としてその予防や治療が必要であることから開発した、特に血管について作用する薬剤に命名した造語と認められ、インターネット検索で「バスキュラースタチン」の語の使用例があるとしても、いずれも森下教授に関わるものであり、自己の開発・命名した商品の宣伝、説明に使用しているものであって、このような使用例により、本願商標が特定の意味合いをもって、商品の品質等を表示するものとしてその需要者に認識されているとはいえず、「バスキュラースタチン」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして使用されている事実もない。
してみれば、本願商標は、全体として特定の観念を想起させない一種の造語よりなるものというべきであるから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであって、かつ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないとみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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