Trademark Appeal Case
色彩表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−650159(T2009−650159/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「BLUECAR」の欧文字を横書きしてなり、第7類、第9類及び第12類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2006年(平成18年)9月20日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品については、原審における平成20年8月20日付けの手続補正書及び当審において2010年(平成22年)3月15日付けで国際登録簿に記載された限定の通報があった結果、最終的に、第12類「Electric−drive land vehicles,electrically powered cycles,electrically powered scooters,electrically powered construction vehicles (namely concrete mixing vehicles,industrial trucks,electric travelling crabs for conveying cleaning equipment,fork lift trucks,vans).」とされた。
2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、一般によく知られている英語の『BLUE』の文字と『CAR』の文字とを結合して、『BLUECAR』と書してなるから、これを本願指定商品中、『automobiles』に使用しても、『青色の自動車』という商品の品質(商品の色のタイプ)を表すに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たすことができないものである。また、本願商標を上記以外の商品について使用する場合には、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「BLUECAR」の文字よりなるところ、「BLUE」の文字は、「青い,青色の」を意味し、また、「CAR」の文字は、「自動車,乗用車」を意味する平易な英単語として、それぞれよく知られているところ、その構成文字全体として、「青色の自動車」の意味を容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば、「Electric−drive cars」について使用する場合、これに接する取引者、需要者は、「青色の自動車」の意を認識し、単に商品の品質(色彩)を表したものと理解するにとどまるにすぎないから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
また、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張(要旨)について
ア 請求人は、「『BLUE』の文字は、『憂鬱な、陰気な,青空』等の意味も有する多義語であり、また、『ブルーな,エンゲージブルー』等の多様な用法があるから、直ちに商品の色彩を表示するものとして需要者が認識することはなく、仮に『青色の』等の意味を認識したとしても、具体的にどのような部分が青色なのか、また、青色といっても『マリンブルー』、『スカイブルー』、『藍色』といったように、複数の色が存するから、明確な意味を認識させるものではない。」旨主張し、甲第5号証を提出している。
しかしながら、本願商標中「BLUE」の語が、請求人主張の如くの意味合いで認識される場合があるとしても、本願商標の指定商品を取り扱う分野においては、「青色の」という商品の色彩を表したものと容易に認識させるものとみるのが相当であり、また、実際の取引の現場において、「マリンブルー」、「スカイブルー」といった、具体的かつ詳細な色彩を指定することにより取引を行うことが一般的に行われている事実も見当たらないものである。
したがって、請求人のこの主張は採用することができない。
イ 請求人は、「BLUE」の文字が、「青空」の意を有することに起因し、「環境に与えるダメージが少ない,地球温暖化に与える影響が小さい」といったイメージを想起させる言葉として用いられているから、本願商標は、「青空を保つことに役立つ,環境に配慮した」といったイメージを想起させるものであり、単に色彩を表すものではない旨主張し、甲第6号証及び第9号証ないし第12号証を提出している。
しかしながら、これらの証左は、いずれも、「カフェブルー」(甲第6号証)、「Blue Fuel Energy Corporation」(甲第9号証及び第10号証)、「Blue Sky Energy Inc.」(甲第12号証)として、「BLUE(ブルー)」の文字が、店名または社名の一部や、会社のロゴマークに使用されているイメージカラーの一部(甲第11号証)として使用されているにすぎないものであり、該証左によって、「環境に与えるダメージが少ない,地球温暖化に与える影響が小さい」といった意味合いにおいて、商品の品質を直接的、かつ、具体的に表すものとして一般的に使用されているとは認め難いものである。
したがって、請求人のこの主張も採用することができない。
ウ 請求人は、本願商標の使用実績からみれば、本願商標が単に商品の品質を表示するに止まるものではなく、自他商品の識別標識として機能しているものであり、需要者は、環境に配慮した乗物一般を想起する旨主張し、甲第13号証ないし第38号証を提出している。
しかしながら、甲第13号証及び第16号証ないし第18号証は、請求人が、イタリアの自動車大手「ピニンファリーナ」と共同開発した電気自動車を、ジュネーブモーターショーで発表し、インターネットにより販売する旨の記事が掲載されたウェブサイトと認められるところ、「Blue Car」及び「ブルーカー」の文字を、商品「電気自動車」に使用していることは窺えるが、いずれも、海外におけるものであり、我が国において使用しているものとは認められない。
また、甲第14号証は、上記電気自動車のインターネットによる予約申込みフォーム(機械翻訳されたものと思しき日本語が付されている。)であり、甲第15号証及び第19号証ないし第38号証は、上記電気自動車を紹介したウェブページであるところ、甲第15号証からは、3,300件程の予約注文を受けていることが窺えるが、これらはいずれも日本語によるものではないところから、これも我が国における使用とは認められない。
以上からすると、請求人が本願商標を商品「電気自動車」について、海外におけるモーターショー等において発表し、各ウェブサイトにより紹介されていること、インターネットによる販売予約において、3,300件の予約を集めていること等の点は認め得るとしても、いずれの証左も、我が国における使用に関する証拠はなく、その使用状況は全く明らかにされていない。
そうすると、請求人提出の証拠によっては、本願商標が使用により自他商品の識別力を備えるに至ったものと認めることはできず、需要者が、環境に配慮した乗物を想起するという事実も見出せない。
したがって、請求人のこの主張も採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)まとめ
以上によれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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