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Trademark Appeal Case

複合商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−17377(T2010−17377/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「東進 全国統一中学生テスト」の漢字及び片仮名文字を標準文字で表してなり、第16類「文房具類,印刷物」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」を指定商品及び指定役務として、平成21年11月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)引用商標1

登録第3299949号商標は、別掲1のとおりの構成からなり、平成4年9月29日登録出願、第41類「学習塾における教授」を指定役務として、平成9年5月2日に特例商標及び重複商標として設定登録されているものであり、その後、平成19年1月12日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)引用商標2

登録第4567754号商標は、別掲2のとおりの構成からなり、平成12年9月5日登録出願、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,衛星放送加入契約の代理」及び第41類「講演会・研修会又はセミナー企画・運営又は開催に関する情報の提供,動物の調教に関する情報の提供,植物の供覧に関する情報の提供,庭園の供覧に関する情報の提供,洞窟の供覧に関する情報の提供,動物の供覧に関する情報の提供,図書及び記録の供覧に関する情報の提供,美術品の展示に関する情報の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,映画の上映・制作又は配給に関する情報の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)に関する情報の提供,演芸の上演に関する情報の提供,演劇の演出又は上演に関する情報の提供,音楽の演奏に関する情報の提供,放送番組の制作に関する情報の提供,ゴルフの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,サッカーの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,相撲の興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,ボクシングの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,野球の興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,サーフィン競技会の企画・運営又は開催に関する情報の提供,競馬の企画・運営又は開催に関する情報の提供,競輪の企画・運営又は開催に関する情報の提供,競艇の企画・運営又は開催に関する情報の提供,小型自動車競争の企画・運営又は開催に関する情報の提供,当せん金付証票の発売に関する情報の提供,音響用又は映像用のスタジオの提供に関する情報の提供,運動施設の提供に関する情報の提供,娯楽施設の提供に関する情報の提供,興行場の座席の手配に関する情報の提供,映写機及びその附属品の貸与に関する情報の提供,映写フィルムの貸与に関する情報の提供,おもちゃの貸与に関する情報の提供,楽器の貸与に関する情報の提供,スキー用具の貸与に関する情報の提供,スキンダイビング用具の貸与に関する情報の提供,ゴルフ用具の貸与に関する情報の提供,テニス用具の貸与に関する情報の提供,テレビジョン受信機の貸与に関する情報の提供,図書の貸与に関する情報の提供,ラジオ受信機の貸与に関する情報の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与に関する情報の提供,録画済み磁気テープの貸与に関する情報の提供,遊園地用機械器具の貸与に関する情報の提供,遊技用器具の貸与に関する情報の提供,絵画の貸与に関する情報の提供,講演会のための施設の提供に関する情報の提供,音楽会のための施設の提供に関する情報の提供」を指定役務として、平成14年5月17日に設定登録されたものである。

(3)引用商標3

登録第4788370号商標は、別掲3のとおりの構成からなり、平成15年9月21日登録出願、第16類「紙類,印刷物,書画,写真,写真立て,文房具類」及び第28類「遊戯用器具,おもちゃ,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,人形,愛玩動物用おもちゃ,携帯用電子ゲームおもちゃ」を指定商品として、平成16年7月23日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、「東進 全国統一中学生テスト」の文字を標準文字で表してなるところ、「東進」の文字と「全国統一中学生テスト」の文字は、その間に1文字分の空白を有するから、視覚上、分離して看取されるものである。

そして、株式会社岩波書店発行の広辞苑第六版によれば、本願商標の構成中、「東進」の文字は、「東の方向へ進むこと。」の意味を有し、「全国」「統一」「中学生」「テスト」の各文字は、それぞれ「国内全体。国じゅう。」「多くのものを一つにまとめあげること。」「中学校に在籍する生徒。」「試験。検査。特に、学力試験。」の意味を有するものである。

そうとすると、その構成中、「全国統一中学生テスト」の文字は、「国内全体の中学校に在籍する生徒を一つにまとめあげた学力試験」程の意味合いを有するものである。

そして、本願の指定商品及び役務中には、テスト対策や試験問題を内容とする、例えば、「印刷物,知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,放送番組の制作,教育用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),教育研修のための施設の提供」などの商品や役務を有するものであって、これらとの関係においては、「全国統一中学生テスト」の文字は、その指定商品の品質又は役務の質等を表示し、自他商品又は役務の識別力を有しないか、極めて弱い部分というのが相当である。

また、本願商標の構成中、「東の方向へ進むこと。」の意味を有する既成語の「東進」の文字と前記の意味合いを有する「全国統一中学生テスト」の文字との間には、観念上のつながりはない。

さらに、本願商標の構成文字全体から生じる「トウシンゼンコクトウイツチュウガクセイテスト」の称呼は、冗長である。

してみれば、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、それ自体独立して自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得る語頭の「東進」の文字部分に着目して、該文字から生ずる称呼及び観念をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきであるから、本願商標は、「東進」の文字部分に相応して、「トウシン」の称呼を生じ、「東の方向へ進むこと」という観念を生ずるものといわなければならない。

(2)引用商標1

引用商標1は、別掲1のとおり、桃色と青色の図形を表し、その下に緑色で「TOSHIN」の欧文字を横書きし、該図形の右側に「東進ゼミナール」の文字を配してなるところ、その構成中の「TOSHIN」の文字は、その構成上、この文字部分も簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、それ自体独立して自他役務の識別標識となり得るものであるから、引用商標1は、該「TOSHIN」の文字に相応して、「トーシン」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。

(3)引用商標2

引用商標2は、別掲2のとおり、「TOSHIn(Oの文字は、赤色で表されている。)」の欧文字及び水色で表された横長楕円形内に「TOSHIN」の欧文字及びいるかの尾状の図形を白抜きし、水色の輪郭を配した構成からなるところ、その構成上、この文字部分も簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、それ自体独立して自他役務の識別標識となり得るものであるから、引用商標2は、「TOSHIn」及び「TOSHIN」の文字に相応して、英語風に「トーシン」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。

(4)引用商標3

引用商標3は、別掲3のとおり、横長円輪郭内に白抜きされた「株式会社」の文字及び紫色に着色された「トーシン」の文字(「トーシン」の文字の周りは白く縁取りされている。)を表してなり、その上に虹状の図形を配し、該図形の上に沿うように「夢 愛らんど」の文字を各文字の色を変えて表した構成からなるところ、その構成中の「株式会社」の文字は、「資本金が株式という均等な形式に分割され、出資者すなわち株主が組織する有限責任会社。その機関は、株主総会・取締役会・代表取締役・監査役などから成る。」(広辞苑第六版)を意味する語であり、法人の組織形態を表すに過ぎないものであるから、「株式会社」の部分は、自他商品の識別機能が弱く、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、特段の事情がない限り、該文字部分を省略して称呼されているところである。

してみれば、引用商標3は、構成文字全体から「ユメアイランドカブシキガイシャトーシン」の称呼を生じるほか、最も大きな文字で顕著に表示された「トーシン」の文字部分が看者に注目され、これに相応して、「トーシン」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。

(5)本願商標と引用商標1ないし3との類否について

本願商標から生ずる「トウシン」の称呼と引用商標1ないし3から生ずる「トーシン」の称呼とを比較すると、両者は、「ト」及び「シン」の音を共通にし、「ウ」の音と「ト」の長音(ー)に差異を有しているものである。

しかして、該差異音「ウ」と「ト」の長音(ー)は、いずれも明確に聴取し難い中間に位置する語であるばかりでなく、前者の「ウ」の音は、前音「ト」の母音(o)と二重母音を形成する結果、前音の母音(o)をそのまま延ばす長音の如く発音され、後者の「トー」の音とは、ほぼ同一の音として聴取されるものといえるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語感が近似したものとなり、称呼上互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標と引用商標1ないし3とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、称呼において類似する商標である。

(6)指定商品及び役務の類否について

ア 本願商標の指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授」と引用商標1の指定役務「学習塾における教授」とは、同一又は類似の役務である。

イ 本願商標の指定役務中「セミナーの企画・運営又は開催」、「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧」、「放送番組の制作」、「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」、「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」と引用商標2の指定役務中「講演会・研修会又はセミナー企画・運営又は開催に関する情報の提供」、「図書及び記録の供覧に関する情報の提供」、「放送番組の制作に関する情報の提供」、「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)に関する情報の提供」、「講演会のための施設の提供に関する情報の提供,音楽会のための施設の提供に関する情報の提供」とは、それぞれ類似する役務である。

ウ 本願商標の指定商品と引用商標3の指定商品とは、「文房具類」、「印刷物」において、同一又は類似の商品である。

(7)請求人の主張について

請求人は、「請求人は、『東進』の文字よりなり、引用商標3の指定商品と同一の第16類『印刷物』外を指定商品とする登録第2718439号商標を所有している。」旨述べているが、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの判断は、当該商標の構成態様に基づいて、その指定商品に係る取引の実情を踏まえつつ、個々の商標ごとに個別具体的に検討、判断されるべきものであるところ、本願商標と引用商標3とが類似することは、前記(5)のとおりであるから、請求人の主張は適切でない。

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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