Trademark Appeal Case
複合商標の要部と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−20726(T2010−20726/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に表示するとおりの構成よりなり、第5類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成21年7月31日に登録出願され、指定商品については、原審における平成22年4月26日受付の手続補正書により、第5類「消臭剤(工業用のもの及び身体用のものを除く。),愛玩動物用消臭剤,その他の動物用消臭剤,防臭剤(身体用のものを除く。),愛玩動物用防臭剤,その他の動物用防臭剤,医療用ローション剤,愛玩動物用ローション剤,その他の動物用ローション剤,愛玩動物用砂脱臭剤,その他の動物用砂脱臭剤,愛玩動物用毛球治療剤,その他の動物用毛球治療剤,その他の愛玩動物用薬剤,その他の動物用薬剤,その他の薬剤,医療用油紙,愛玩動物用の医療用油紙,その他の動物用の医療用油紙,衛生マスク,オブラート,愛玩動物用オブラート,その他の動物用オブラート,ガーゼ,愛玩動物用ガーゼ,その他の動物用ガーゼ,カプセル,愛玩動物用カプセル,その他の動物用カプセル,眼帯,愛玩動物用眼帯,その他の動物用眼帯,耳帯,愛玩動物用耳帯,その他の動物用耳帯,生理帯,愛玩動物用生理帯,その他の動物用生理帯,生理用タンポン,愛玩動物用の生理用タンポン,その他の動物用の生理用タンポン,生理用ナプキン,愛玩動物用の生理用ナプキン,その他の動物用の生理用ナプキン,生理用パンテイ,愛玩動物用の生理用パンテイ,その他の動物用の生理用パンテイ,脱脂綿,愛玩動物用脱脂綿,その他の動物用脱脂綿,ばんそうこう,愛玩動物用ばんそうこう,その他の動物用ばんそうこう,包帯,愛玩動物用包帯,その他の動物用包帯,包帯液,愛玩動物用包帯液,その他の動物用包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,愛玩動物用の医療用腕環,その他の動物用の医療用腕環,愛玩動物用の寄生虫駆除用首輪,その他の動物用の寄生虫駆除用首輪,愛玩動物用の医療用首輪,その他の動物用の医療用首輪,はえ取り紙,防虫紙,失禁用おしめ,愛玩動物用の失禁用おしめ,その他の動物用の失禁用おしめ」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用した登録第2570759号商標(以下「引用商標」という。)は、「ケア」の片仮名文字及び「CARE」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成2年1月31日に登録出願、第1類「医療補助品」を指定商品として、平成5年8月31日に設定登録、その後、平成15年8月19日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同年9月24日に、第5類「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」及び第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、別掲に表示するとおり、黒塗りした十字形の図形の中心から、右方向に横棒を長く表し、該横棒中に白抜きで「CARE」の欧文字を表し、その横棒の上下に、「CARE」の欧文字を配し、全体で「CARE」の欧文字を三段に表示したような構成からなるものである。
本願商標の構成中、十字形の図形部分と「CARE」の文字部分とは、これらを常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情を見いだし得ないものである。
また、本願商標の構成中の「CARE」の文字は、比較的記憶しやすい平易な語として知られたものであり、本願商標の構成文字全体は、該語を三段に表示したものと容易に認識し得るものである。さらに、当該構成文字は、十字形の図形中に白抜きで表示されたもの及び該図形を挟んで上下に三段に表示されていることから、視覚上分離して看取し得るものであり、当該構成文字全体からは、直ちに特定の熟語的な意味合いを生ずるとはいい難く、これが常に一体不可分のものとしてのみ認識、把握されなければならない特段の事情を見いだし得ないものである。
本願商標は、中段の「CARE」の文字部分を白抜きで表すことにより、「CARE」の文字部分を強調して表したものとみるのが自然であるから、それぞれの「CARE」の文字部分が独立して、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって、本願商標は、「CARE」の文字部分から、「ケア」の称呼及び「心配、世話」の観念をも生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、「ケア」の片仮名文字及び「CARE」の欧文字を上下二段に横書きしてなるから、「ケア」の称呼を生じ、「心配、世話」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有するものの、「ケア」の称呼及び「心配、世話」の観念を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンテイ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」と引用商標の指定商品中、「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」とは、同一又は類似のものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標の、十字形図形の右側に「CARE」の欧文字を三段に並べて表した構成よりなるところ、当該文字部分からは、三個の「CARE」の欧文字より、「サンコノケア」「サンレンケア」の称呼のみが生じること、また、十字形図形からも称呼が生じ、商標全体から称呼が生ずること、さらに、本願商標は、一種のデザイン的な商標で、特別な観念が生じないことから、引用商標とは類似しないことを主張する。
ところで、最高裁判所の判例(昭和37年(オ)第953号、昭和38年12月5日第一小法廷判決)は、要旨、商標はその構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、みだりに、商標構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定するがごときことが許されないのは、正に、所論のとおりである。しかし、簡易、迅速をたっとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必らずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである(昭和三六年六月二三日第二小法廷判決、民集一五巻六号一六八九頁参照)。しかしてこの場合、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一または類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標は、なお類似するものと解するのが相当である旨、判示している。
そこで、当該判示事項を本件についてみるに、前記(1)のとおり、本願商標は、十字形図形部分と文字部分、三段に並べて表された文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められず、白抜きされた「CARE」の文字部分のみによっても簡略に称呼、観念されるものというべきであるところ、前記(1)のとおり、引用商標から「ケア」の称呼及び「心配、世話」の観念をも生ずるから、両商標は「ケア」の称呼及び「心配、世話」の観念を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また、請求人は、本願商標及び引用商標は、その指定商品中、例えば「衛生マスク」「ガーゼ」等に使用しても、これらの「効能、用途」を表示したものである旨主張するが、請求人はその旨を主張するだけで、何らの証拠を提出していない。
さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も引用商標とは非類似である旨主張しているが、請求人が挙げる過去の登録例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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