Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−2159(T2010−2159/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第31類「釣り用餌」を指定商品として、平成21年2月3日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用する登録第5039166号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成18年6月29日に登録出願、第28類「釣り具」を指定商品として、平成19年4月6日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、全体が縦長長方形内の上部の塗りつぶし長方形内に白抜きでだ円輪郭及びその内部に「BASIC」の文字を書してなり、下部の長方形内に魚の頭部から腹部の部分を大きく描き、該魚図形に重ねて、白く縁取りした「キープ」の文字を大きく縦書きしてなるものである。
そして、「BASIC」は、「基本的な」を意味する英語(研究社発行 英和中辞典)として知られているものであり、「キープ」は、「確保すること」を意味する語(広辞苑)として知られているものであるが、両者は観念的なつながりはない。また、上記魚図形は、本願指定商品である「釣り用餌」の対象となる魚を認識させるにすぎないから、「キープ」の文字とを一体として認識するべき特段の事情もないものである。
そうとすると、本願商標は、中央に大きく表してなる「キープ」の文字部分も自他商品識別機能を有するというべきであり、該文字に相応して「キープ」の称呼及び「確保すること」の観念を生ずるものと認められる。
一方、引用商標は、別掲2のとおり、「Keep」の文字を、右端の「P」の文字の円弧を描く部分の先頭部が中央の2つの「e」の文字を貫くようにして、ややデザイン化して書してなるものであり、容易に「Keep」の文字を表したものと理解されるものである。
そうとすると、引用商標は、該文字に相応して、「キープ」の称呼及び「確保すること」の観念を生ずるものと認められる。
そこで、本願商標と引用商標の類否についてみるに、本願商標及び引用商標は、いずれも「キープ」の称呼及び「確保すること」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観上の差異を有するが、「キープ」の称呼及び「確保すること」の観念を共通にするものであるから、互いに相紛らわしい類似の商標というのが相当である。
また、本願商標の指定商品「釣り用餌」と引用商標の指定商品「釣り具」は、いずれも釣り用の商品であって、特に需要者、販売場所、用途を共通にするものといえるから、類似する商品と認められる。
請求人は、本願商標の指定商品の需要者は、本願商標を全体として一つの商標と認識するには、十分な商品識別力、判断力を有しており、本願商標と引用商標とは、全体構成が大きく相違しており、本願商標がその指定商品に使用された場合、引用商標との間に出所の混同が生じることはあり得ない旨、主張している。
しかしながら、商標は、その構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、みだりに、商標構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定することは許されないが、他方、簡易、迅速をたっとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、1個の商標から2個以上の称呼、観念が生ずることがあるのは、経験則の教えるところであり、そしてこの場合、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一又は類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当であるところ、本願商標は、前述のとおり、魚図形部分は、自他商品の識別標識としての機能を有するものではなく、「キープ」の文字と「BASIC」の文字とは、観念上も視覚上も一体とすべき理由がないものであり、「キープ」の文字部分も取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。そして、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有するとしても、上記称呼及び、観念を共通にするものであって、前述のとおり、判断すべきものであるから、請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。