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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−19548(T2010−19548/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年3月30日に登録出願された商願2009−23189を原出願とする商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月4日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同22年8月30日付の手続補正書により、第16類「映画・演芸・演劇又は音楽に関する劇場用パンフレット・カタログ・カレンダー・ポスター」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4247420号商標(以下「引用商標1」という。)は、「シャンテ」の片仮名文字と「CHANTER」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成10年3月13日登録出願、第24類「織物,メリヤス生地,フエルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,織物製トイレットシートカバー,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として、同11年3月5日に設定登録され、その後、同21年2月3日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)登録第4775078号商標(以下「引用商標2」という。)は、「シャンテ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成15年10月21日登録出願、第9類「電子応用機械器具,電子計算機用プログラム,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みDVD・ビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第16類「紙類,新聞,雑誌,書画,写真,写真立て」を指定商品として、同16年5月28日に設定登録されたものである。

(3)登録第4782196号商標(以下「引用商標3」という。)は、「chanter」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年10月7日登録出願、第9類「電子応用機械器具,電子計算機用プログラム,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みDVD・ビデオディスク及びビデオテープ,定期的に発行される電子出版物」及び第16類「紙類,新聞,雑誌,書画,写真,写真立て」を指定商品として、同16年6月25日に設定登録されたものである。

(4)登録第5012100号商標(以下「引用商標4」という。)は、「シャンテ」の片仮名文字と「CHANTER」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成17年11月25日登録出願、第16類「文房具類」を指定商品として、同18年12月22日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標1及び4との類否について

本願の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標1及び4に係る指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除され、その結果、本願の指定商品は、引用商標1及び4に係る指定商品とは類似しない商品となった。

してみれば、引用商標1及び4を理由とする原査定の拒絶の理由は、解消した。

(2)本願商標と引用商標2及び3との類否について

本願商標は、別掲のとおり、「TOHO CINEMAS」の欧文字と「CHANTER」の欧文字とを二段に併記してなるところ、上段に書された「TOHO CINEMAS」の欧文字は、下段に書された「CHANTER」の欧文字とは、書体が相違し、上段の文字は下段の文字の略二倍の大きさで書されているものである。

しかして、両者は、その二段併記の構成、書体の相違及び文字の大きさの相違から視覚上、分離して看取されるものである。そして、「CHANTER」の文字は英語で「歌い手」、フランス語で「歌う」の意味を有するものであり、上段に書された「TOHO CINEMAS」の文字と、観念上のつながりがあるものではない。また、前記の意味を有する「CHANTER」の文字部分は、指定商品との関係において、十分に自他商品の出所識別標識としての機能を果たすものである。

さらに、当該「CHANTER」の文字を英語読みした場合に本願商標全体から生ずる「トーホーシネマズチャンター」の称呼は12の音からなり、当該文字をフランス語読みした場合に本願商標全体から生ずる「トーホーシネマズシャンテ」の称呼は11の音からなるものであり、いずれの称呼も、一気、一連に称呼し得るというには冗長なものである。

また、それぞれの文字部分が結合されて一般に親しまれた熟語を形成する等、これらを常に不可分一体のものとして観察しなければならない特段の事情も認められない。

そうとすると、本願商標は、「TOHO CINEMAS」の欧文字と「CHANTER」の欧文字とが、分離して観察することが不自然といえるほどに密接に結びついたものということはできず、各々が、自他商品の識別標識として機能するものというべきである。

してみれば、本願商標に接した取引者・需要者は当該「CHANTER」の欧文字部分に着目し、これより生ずる称呼・観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないものというのが相当であるから、本願商標は、当該文字部分に相応した英語読みの「チャンター」又はフランス語読みの「シャンテ」の称呼及び英語の「歌い手」又はフランス語の「歌う」の観念をも生ずるものと判断するのが相当である。

他方、引用商標2は、上記2(2)のとおりの構成よりなるところ、その構成文字に相応して「シャンテ」の称呼及び「歌を歌うこと」(コンサイスカタカナ語辞典第4版 株式会社三省堂発行)の観念を生ずるものである。

したがって、本願商標と引用商標2とは、外観において差異を有するとしても、「シャンテ」の称呼及び「歌う」の観念を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標2の指定商品とは類似のものである。

次に、引用商標3は、前記2(3)のとおり「chanter」の欧文字を書してなるから、大文字と小文字の差異はあるものの、本願商標と同一の綴りからなるものであって、その構成文字に相応して英語読みの「チャンター」又はフランス語読みの「シャンテ」の称呼及び英語の「歌い手」又はフランス語の「歌う」の観念を生ずるものである。

したがって、本願商標と引用商標3とは、外観において近似した印象を与えるものである上に、称呼及び観念を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標3の指定商品とは類似のものである。

以上からすれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標の構成上、単に「CHANTER」の文字部分が分離して表されていたとしても、結び付きの相手方である大きく表示された「TOHO CINEMAS」との関係を考慮すれば、両者は、全体で一体としてのみ認識され、あるいは、専ら「TOHO CINEMAS」の文字部分をもって、他の商標と識別されるから、単なる「chanter」又は「シャンテ」から成る引用商標2、3とは非類似であり、取引の実情に鑑みれば

、そもそも現実の市場においても、出所の混同が生ずるおそれはない旨縷々主張する。

しかしながら、本願商標が「CHANTER」の文字部分と「TOHO

CINEMAS」の文字部分とからなる結合商標であることは視覚上も容易に看取され、両者を一体のものとみるべき観念上のつながりもなく、本願商標全体から生ずる称呼は一気、一連に称呼し得るというには冗長である。加えて、当該「CHANTER」の文字部分は、本願の指定商品と密接に関連しかつ一般的、普遍的な文字であるというような格別の事情も存しないから、当該文字部分も取引に資され、当該文字部分からも自他商品の出所識別標識としての称呼・観念が生じるというべきである。

そうとすれば、本願商標の構成中「CHANTER」の文字部分を引用商標2及び3と比較して、商標そのものの類否を判断することも、本件においては適切なものというべきである。

さらに、本願商標の構成中「TOHO CINEMAS」の文字部分が、請求人の提供する映画の上映についての代表的な出所識別標識であること及びその他の請求人の主張を考慮してもなお、本願商標の構成中「CHANTER」の文字部分が商品の出所の識別標識として使用されないといった特段の事情は認定し得ず、また、現実に商品の出所の混同を生じないとの格別の事情も認定できない。

したがって、請求人の主張を採用することはできない。

(3)まとめ

以上からすれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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