Trademark Appeal Case
普通名称化と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−10374(T2010−10374/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は,「市民住まいづくり相談会」の文字を標準文字で表してなり,第35類「販売促進のための住宅及び住宅施設の展示並びにこれに関する助言・情報の提供,広告,広告用具の貸与,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,建築物における来訪者の受付及び案内,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング」及び第37類「リフォーム工事,建設工事,建築工事に関する助言」を指定役務として,平成21年8月3日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,『住まい作りに関する市民向けの相談会』程の意味合いを看取するのみの『市民住まいづくり相談会』の文字を標準文字にて書してなるものであるから,かかる商標をその指定役務中上記形態に係る役務に使用しても,需要者をして何人の業務に係る役務であるかを認識させないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
第3 当審における手続の経緯
当審において,平成23年1月27日付けの証拠調べ通知書により,請求人に対し,本願商標をその指定役務中「販売促進のための住宅及び住宅施設の展示並びにこれに関する助言・情報の提供,リフォーム工事,建設工事,建築工事に関する助言」に使用しても,需要者は,何人かの業務に係る役務であることを認識することができない旨開示し,請求人に意見を求めたところ,請求人は,平成23年3月14日付けの意見書を提出した。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は,前記第1のとおり,「市民住まいづくり相談会」の文字よりなるところ,建築業界において「住まいづくりのための相談会」程の意味合いのイベントが開催され,これに本願商標中の「住まいづくり相談会」の文字が,このイベントを表す文字として一般に使用され,また,その相談会が市民向けに開催されている事実が以下のとおり見受けられる。
(1)新聞情報
ア 「【情報パック】」の見出しのもと,「◆奥様のための住宅相談会 パナホームは23日、『住まいとくらしの情報館奈良』(奈良市大宮町)で、『奥様のための失敗しない住まいづくり相談会』を開く。」との記事(産経新聞 2008.03.07 大阪朝刊 13頁)。
イ 「佐賀県/なつのおわりのしょうりょこう−ひみつのまちのたからさがしツアー ほか/情報たまねぎSAGAワイド」の見出しのもと,「◇鳥栖・三養基◇ ▼エコと省エネ 住まいづくり相談会(中略)経済的で環境にやさしい住まいづくりを紹介する。」との記事(西日本新聞 2008.08.28 朝刊 23頁)。
ウ 「サポート マリオン」の見出しのもと,「◆OZONE住まいづくり相談会 (中略)住まいづくりに携わる専門家による無料相談会。住まい全般に関する相談のほか、住宅ローンや間取り、防犯対策の相談などにも応じる。」との記事(朝日新聞 2009.09.03 東京夕刊 4頁)。
エ 「桜が丘団地 分譲10年祭 綾部で15、16日」の見出しのもと,「両日とも午前10時から午後5時まで、住まいづくり相談会や自転車が当たる抽選会などを催す。」との記事(京都新聞 2010.05.13 朝刊 21頁)。
(2)インターネット情報
ア 「神奈川エコハウス株式会社」のウェブサイトにおいて,「イベント情報」の項に,「相談会:住まいづくり相談会 (中略)『建て替えを考えているのだけど、どのように進めたら?』『長期優良住宅って、どんな制度?メリットは?』...そんなお悩みに、当社の一級建築士がお答えします。事前にご予約いただき、お客様一人ひとりと個別にご相談。土地の情報などをお持ちいただければ、より具体的なアドバイスも可能です。」との記載(http://www.k-ecohouse.co.jp/modules/news/)。
イ 「住まいづくりナビセンター」と称するウェブサイトにおいて,「サービスのご紹介 見学会・相談会」の項に,「●住まいづくり相談会 住宅メーカーを招いての相談会を開催。各社の工法や特長など、気になることを具体的に確認することができます。」との記載(http://sumanavi.info/service/tour.html)。
ウ 「Anniversary Home」と称するウェブサイトにおいて,「今週末22日(土)・23日(日)ですが知多市勤労文化会館にて知多市民住まいづくり相談会!住宅に関する相談質問ありましたら、ご参加をお待ちしております。知多市民で無い方もお待ちしております。」との記載(http://anniversary-home.seesaa.net/article/181613431.html)。
エ 「広島県広島市」のウェブサイトにおいて,「公報ひろしま市民と市政」の項に,「住宅月間(10月)の催し 3.住まいづくり相談会」との記載(http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1127970630188/html/common/434daee3058.html)。
オ 「十条西ブロック 第14 回ブロック部会 議事要旨」と称するウェブサイトにおいて,「議題」の項に,「4. 第3・4回住まいづくり相談会の開催案内」との記載(http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/digital/538/atts/053816/attachment/attachment.pdf)。
カ 「徳島県木造住宅推進協議会」のウェブサイトにおいて,「木住協だより」の項に,「『ひとと環境』建築材料展のお知らせ 10日(金)13:00〜18:00 住まいづくり相談会」との記載(http://toku-moku.sakura.ne.jp/news.html)。
以上の事実よりすれば,建築業界において,「住まいづくりのための相談会」程の意味合いのイベントが開催され,これに「住まいづくり相談会」の文字が一般に使用されていることが認められ,また,その相談会が,住宅メーカーや自治体等により市民向けに開催されている実情にあることから,本願商標「市民住まいづくり相談会」の文字は,その指定役務との関係において,「市民向けの住まいづくりのための相談会」(すなわち,イベントの名称)程の意味合いを容易に理解させるものである。
してみれば,本願商標を,その指定役務中「販売促進のための住宅及び住宅施設の展示並びにこれに関する助言・情報の提供,リフォーム工事,建設工事,建築工事に関する助言」に使用するときは,これに接する取引者,需要者に「役務の提供促進のための市民向けのイベントの名称」であることを理解させるに止まり,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものといわなければならない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,本願商標は独創性があり,一種の造語としてみるのが相当である旨,また,インターネットで検索しても,「市民住まいづくり相談会」の語が普通に採択,使用されている事実はない旨,主張する。
しかしながら,「住まいづくり相談会」の文字は,建築業界において,「住まいづくりのための相談会」を表す文字として一般に使用されていることが認められ,また,その相談会が市民向けに開催されている実情にあることより,本願商標「市民住まいづくり相談会」の文字は,その指定役務との関係において,「市民向けの住まいづくりのための相談会」程の意味合いを容易に理解させるものであることは,上記認定のとおりであるから,請求人の上記主張は採用することができない。
(2)請求人は,他の登録例を挙げ,これらの商標が登録されている以上,本願商標も登録されるべきである旨,主張する。
しかしながら,登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否
かは,当該商標の構成態様と,指定役務の取引の実情等に基づいて,個別具体的に判断されるものであり,本願商標については,上記のとおり判断すべきであるから,請求人の上記主張は採用することができない。
(3)請求人は,前記1に挙げる事例について,「市民住まいづくり相談会」の文字が新聞記事やウェブサイト上に記載されている事実が確認できるにしても,これらは文章中の記述表現としての使用であって,自他役務識別機能を発揮させるような「商標」としての使用ではない旨,主張する。
しかしながら,「住まいづくり相談会」の文字が,自他役務を識別し得る標識としては機能しないものとして使用されているからこそ,本願商標もまた,自他役務を識別し得る標識として認識されないこととなるのであるから,請求人の上記主張は,当を得たものではなく,採用することができない。
(4)請求人は,本願商標を使用した結果,自他役務識別機能を獲得するに至った旨主張し,証拠方法として,平成21年12月21日付け手続補足書に係る甲第6号証ないし甲第9号証(以下「甲第6〜9号証」という。),同22年10月26日付け手続補足書に係る甲第5号証ないし甲第14号証(以下「甲第5〜14号証」という。)及び同22年10月28日付け手続補足書に係る甲第21号証ないし甲第24号証(以下「甲第21〜24号証」という。)を提出している。
しかしながら,甲第6〜9号証の証拠によっては,本願商標と同視し得る商標が使用されていることを認めることができないから,これによっては,本願商標が使用された結果,自他役務識別機能を獲得するに至ったということはできない。
また,甲第5〜14号証及び甲第21〜24号証に係る「証明書」は,本願商標が請求人によって使用された結果,周知性を獲得し,本願商標に接する取引者・需要者は,請求人の業務に係る役務であることを認識することができる商標になっている旨を「証明」するものであるところ,該「証明書」は,あらかじめ印字した同一の証明書書式に,各証明者が押印するという態様により作成されたものであって,各証明者が,いかなる根拠に基づいて,本願商標が周知性を獲得したと認定し,上記の旨を判断したのか,明らかでないから,該「証明書」は,本願商標が使用された結果,自他役務識別機能を獲得するに至ったことを証明するに足る証拠と認めることはできない。
このほか,請求人からは,本願商標の使用期間,使用地域,広告宣伝の方法,回数及び内容等を示す証拠は何ら提出されていないから,請求人の上記主張は採用することができない。
3 結語
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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