結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2010−301012(T2010−301012/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4832699号商標(以下「本件商標」という。)は、「バナナ ドッグ」の片仮名文字と「Banana Dog」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成16年2月24日に登録出願、第18類「犬の首輪,犬の胴輪,犬の引き綱,犬の靴」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同17年1月14日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のとおり述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中の「被服」については、日本国内において、過去3年間使われていない。したがって、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 乙各号証について
乙第1号証のカタログ裏表紙の「ポンポリースの商標(Trademark)一覧」に「バナナドッグ」の記載がある。しかし、本件商標は、上段に「バナナ ドッグ」、下段に「Banana Dog」を配してなる商標として登録されたものであるところ、上記「バナナドッグ」は、片仮名文字のみで表示され、さらに、「バナナ」と「ドッグ」の間にスペースがないものである。
したがって、本件商標と乙第1号証に記載の「バナナドッグ」は、同一とはいえない。
仮に、上記「バナナドッグ」が本件商標と同一であったとしても、「バナナドッグ」の商標を「被服」に使用している証拠は、乙第1号証及び乙第2号証を調べても見出すことができない。
乙第1号証及び乙第2号証は、「バナナドッグ」の表示を示すのみであり、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品に使用している事実を示すものではない。
イ 被請求人の主張について
(ア)被請求人は、「乙第1号証ないし乙第3号証に掲載されているようなペット用の商品につき、既に商標権を取得した多数の商標(乙第1号証の裏表紙「ポンポリースの商標(Trademark)一覧」を参照。)を使用している。」と主張するが、乙第3号証の添付はない。
(イ)「愛玩動物用被服」は、類似商品・役務審査基準において、第18類に属し、類似群コードは「19B33」である。一方、「被服」は、類似商品・役務審査基準において、第25類に属し、類似群コードは「17A01 17A02 17A03 17A04 17A07」である。したがって、両者は、類似群コードは一致せず、また、備考類似の関係にもないため、同一の指定商品であるどころか、非類似の商品である。そのため、商標権者が本件商標を本件請求に係る指定商品に使用しているとはいえないことは明らかである。
(ウ)被請求人は、「ペット用の『被服』などについての本件商標の使用は、すなわち、人用の『被服』などについての本件商標の使用である。」と述べていることからも明らかなように、人用の「被服」については使用していない。
(エ)仮に、上記(ウ)の被請求人の主張が正しいとした場合においても、ペット用の「被服」について、本件商標を使用している証拠は見出すことができない。
ウ むすび
以上のとおり、いずれの証拠も、商標権者が本件商標を本件審判の請求に係る指定商品に、本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において使用したことを立証するものでないことは明らかである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した(なお、被請求人は、使用の事実を明らかにする証拠として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出している旨の主張をするが、乙第3号証の提出はない。)。
(1)使用の事実
被請求人は、主として、乙第1号証ないし乙第3号証に掲載されているようなペット用の商品につき、既に商標権を取得した多数の商標(乙第1号証の裏表紙「ポンポリースの商標(Trademark)一覧」を参照。)を使用している。
近時、人(特に飼い主)とペットの間の差別・障壁が無くなってきているため、人用の商品も扱いはじめているのが現状である。すなわち、ペットは法律上の「人格」を認められていないだけで、社会生活上の生存、保健衛生、健康などの全ての面で、現実において、家族、子供、孫、友人等と同等に扱い、接するようになってきているものと思われ、この傾向は今後さらに加速されるものと思われる。
したがって、衣・食・住の全てにおいて、ペット用として人と同じもの、あるいは、ペットに適応するように「僅かに変更」したものが製造、販売、使用されている。上記「僅かに変更」の程度は、乙各号証を見ても明らかであり、例えば、「被服」などにおいても、一般的な人の場合の、男女、大人、子供、幼児の相違や体形の相違などにおける相違の程度とさしたる違いを感じさせない位であり、飼い主とペットが「ペアルック」で、商品を購入、使用することなどは、その好例である。
同様に、ペットフード(食)などは、スーパーマーケット等で販売されているものや、乙各号証などから明らかなように、塩分、脂肪分、ビタミン等の栄養分等の点で人と多少相違するだけで、当然、人が食べても、美味いか、不味いかは別として、安全であり、よってその相違は僅かである。
(2)まとめ
以上のように、ペット用の「被服」などについての本件商標の使用は、すなわち、人用の「被服」などについての本件商標の使用である。
(1)被請求人は、商標権者が本件商標を請求に係る指定商品と同一視できるペット用の「被服」について使用している旨主張し、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。そこで、商標権者の使用に係る商品が本件請求に係る指定商品に含まれる商品であるか否かについて、以下検討する。
ア 乙第1号証及び乙第2号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第1号証は、商標権者が2010年(平成22年)1月に発行した「PomPreece Collection/ポンポリースコレクション」との表題のあるペット用品を掲載した業者向けカタログである。その裏表紙に記載された「ポンポリースの商標(Trademark)一覧」中には、「バナナドッグ」の文字が記載されている。しかし、該「バナナドッグ」の文字よりなる商標がいかなる商品について使用されているのかは明らかではなく、その他、乙第1号証中には、「バナナドッグ」ないし本件商標の表示はない。
(イ)乙第2号証は、商標権者が2008年(平成20年)1月に発行した「PomPreece Collection/ポンポリースコレクション」との表題のあるペット用品を掲載したカタログであって、その2ないし21頁、23ないし34頁、36頁、37頁、108頁等には、犬や猫の被服の写真が掲載されている。なお、乙第2号証中には、「バナナドッグ」ないし本件商標の表示はない。
イ 前記アで認定した事実によれば、商標権者の作成に係るカタログ(乙第1、2号証)は、いずれもペット用品を掲載したカタログであって、ペット用の被服等が掲載されていることが認められるが、これらは、ペットが着用するのに適した大きさ、形状、機能等が備えられ、ペット専用の被服というべきものであって、一般的には、ペット用品の売り場で販売されている商品である。これに対し、本件請求に係る指定商品「被服」は、人が着用するのに適した形状、機能、ファッション性が備えられ、一般的には、被服専用の売り場で販売されている商品ということができる。したがって、ペット専用の被服と本件請求に係る指定商品とは、生産者、取引系統、販売場所等を異にするばかりでなく、商品の用途、品質、ファッション性、形状、機能性等においても大きく異なるものであるから、非類似の商品というべきであって、ペット専用の「被服」は、本件請求に係る指定商品の範ちゅうに含まれない商品というべきである。
してみると、乙第1号証及び乙第2号証は、本件請求に係る指定商品について、本件商標ないしこれと社会通念上同一と認められる商標が使用されていたことを証明する証拠とはなり得ない。
この点に関し、被請求人は、衣・食・住の全てにおいて、ペットと人とは同じもの、あるいは、ペットに適応するように人が使用するものに「僅かに変更」したものが製造、販売、使用されているのが実情であり、例えば、「被服」などにおいても、人が使用するものとさしたる違いを感じさせないものであるから、ペット用の「被服」などについての本件商標の使用は、人用の「被服」についての本件商標の使用である旨主張するが、前記認定のとおり、ペット専用の被服と本件請求に係る指定商品とは、生産者、取引系統、販売場所等を異にするばかりでなく、商品の用途、品質、ファッション性、形状、機能等においても大きく異なるものであるから、たとえ、ペットを飼う家庭が増え、ペット用品が市場にあふれている商取引の実情を考慮したとしても、社会通念に照らせば、非類似の商品というべきであって、上記被請求人の主張は、独自の見解に基づくものであるから、到底採用することができない。
(2)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成22年10月12日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明し得なかったものといわざるを得ないし、また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「被服」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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