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Trademark Appeal Case

地名と普通名称の結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−24439(T2010−24439/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年9月25日に登録出願され、指定商品については、原審における平成22年6月23日付け手続補正書により、第29類「きゃべつの漬物」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『(Ha'erbin)中国黒竜江省の省都。松花江の南岸に沿う東北地区北部の中心都市で、交通・商工業の要衝。[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]』を容易に認識させる『ハルピン』の文字と『きゃべつ』の文字を結合した『ハルピンきゃべつ』の文字を縦書きに書してなるところ、これよりは全体として『中国ハルピン市産のきゃべつ』程の意味合いを容易に認識させるものである。また、ハルピン市ではハルピン漬けと称されるキャベツの浅漬けが食されている実情が認められる。そうとすれば、このようなものを本願指定商品に使用したときは、『中国ハルピン市産のキャベツの浅漬け』又は「中国ハルピン市風のキャベツの浅漬け』程の意味合いを容易に理解・認識させるにすぎず、単に商品の品質、産地・販売地を普通に用いられる域を脱していない方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、「ハルピン」の片仮名と「きゃべつ」の平仮名を縦書きに書してなるものであるから、上記両語を組み合わせてなるものと認識させるものであるが、文字の大きさに相違があるものの、構成全体として、同一書体でまとまりよく一体的に表してなるものである。

ところで、ハルビンは、「(Ha'erbin)中国黒竜江省の省都。松花江の南岸に沿う東北地区北部の中心都市で、交通・商工業の要衝。人口291万1千(1995)。」(広辞苑第6版)であり、我が国において、かつて、同都市を「ハルピン」と称していたことから、現在においても「ハルピン」の文字が同都市を表示するものとして使用されることがある。また、「きゃべつ(キャベツ)」は、野菜の一つとして知られているものであるが、ハルビンは、上記のとおり、約300万人の人口を擁する、商工業を中心とする都市であって、野菜の生産は行われているものの、キャベツを含む野菜の産地として知られているというような実情は認められない。そうとすると、本願商標からは、「ハルビンのキャベツ」の意味合いを生ずることはあるといえるものの、本願指定商品との関係で、直ちに原査定説示の意味合いまで認識させるということはできない。

そして、請求人は、1984年ころから、キャベツの浅漬け商品を開発し、「ハルピンキャベツ」の商標により商品展開し、2009年度は、約14万パック、約3千万円の売上げがあることが認められ、原審で示した証拠に係る商品は、請求人の取り扱う商品若しくは請求人の取り扱いに係る商品の可能性が否定できないものであり、他に、「ハルピンキャベツ」の文字が「ハルビンで生産されたキャベツの浅漬け」を表示するものとして使用されている事実は発見できない。加えて、請求人の商品を料理として提供する場合に「ハルピン(キャベツ)漬け」のように表し、漬物であることを明確にするように「ハルピン漬け」の語を使用している例がみられるほか、個人の各種質問に答えるウェブサイトにおいて、問い合わせに「ハルピン漬け」の語が使用された例はあるものの、ハルビンが漬物の産地として知られている実情や「ハルピン漬け」の文字がある種の漬物を表すものとして、取引上普通に使用されている事実は、認めることはできない。

そうすると、本願商標は、全体として請求人の創作に係る一種の造語よりなるものというべきであり、これをその指定商品について使用をしても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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