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Trademark Appeal Case

称呼・観念の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−14291(T2010−14291/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第35類「広告,アンケート調査及びこれに関する情報の提供(インターネットを利用するものを含む),経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん,コンピュータデータベースへの情報構築又は情報編集,その他の文書又は磁気テープのファイリング,求人情報の提供」及び第41類「大学及び大学入試に関する情報の提供,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」を指定役務として、平成20年8月8日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、本願商標は、登録第5008461号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似であって、その商標に係る指定役務と同一又は類似の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。

引用商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成18年2月20日に登録出願、第35類ないし第37類、第39類ないし第43類及び第45類に属する別掲(3)のとおりの役務を指定役務として、同年12月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標と引用商標の類否について

本願商標は、別掲(1)のとおり、緑色の図形を配し、その右に図形と同色で「ume」の文字と灰色の「navi」の文字を書してなるものであり、先頭の図形の高さは、文字の高さに比べて2倍程度であるが、その図形及び各文字は、等間隔でまとまりよく一体的に表してなるものである。また、先頭の図形は、下半分は、縦に細長い長方形であり、上半分は、その長方形の上部から左右の各上方に斜めに向かう、卵形の若葉のような図形よりなるものである。

そして、近時、文字からなる商標について、構成する文字の一つ、特に先頭の文字を図案化することが一般に行われているところ、上記図形部分は、下方に縦に垂直に伸びる直線部を有し、その直線部の上部から左右の各上方に斜めに伸びる部分を有することを特長としているが、この特長は、下部の縦の直線を有し、その直線部の上部から左右の各上方向に斜めに伸びる2本の直線よりなる構成である「Y」の文字の特長と極めて近似したものである。

そうとすると、本願商標は、先頭部分が図案化されているものであるとしても、該部分は、上記のとおり、Yの文字の特長を有してなるものであるから、本願商標は、Yの文字を図案化して、「Yumenavi」の文字を表してなるものと容易に理解、認識されるというのが相当である。

してみれば、本願商標は、その構成文字より、「ユメナビ」の称呼を生じるものと認められ、また、「Yume」の文字部分と「navi」の文字部分は文字の色彩を異にし、「Yume」は、「夢」に通じ、「navi」は、「経路誘導。航海。航法。」(現代用語の基礎知識2011 自由国民社発行)を意味する「navigation」の略語として知られているものであるから、全体として「夢のナビゲーション」程の意味合い、観念を生ずるものと認められる。

一方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「夢ナビ」、「夢なび」、「夢NAVI」、「YUMENAVI」を各段の文字を同じ大きさで、かつ、全体が正方形に収まるように各段の文字間を調整し、4段に横書きしてなるものである。そして、各段の文字は、上記本願商標の場合と同様に、それぞれ「夢」と「ナビ」、「夢」と「なび」、「夢」と「NAVI」、「YUME」と「NAVI」を結合したものと認識されるものであるから、「夢」と「navigation」の略である「navi」を文字の種類を変え組み合わせてなるものと理解、認識されるというのが相当である。

そうとすると、引用商標は、「ユメナビ」の称呼を生じ、「夢のナビゲーション」程の意味合い、観念を生ずるものと認められる。

そこで、本願商標と引用商標の類否についてみるに、本願商標と引用商標は、外観上、相違するものの、両商標から生じる「ユメナビ」の称呼及び「夢のナビゲーション」の観念を共通にするものである。

そうとすると、本願商標と引用商標は、これを同一又は類似の商品に使用したときはその出所について混同を生ずるおそれがあるというべきであるから、本願商標と引用商標は類似する商標と認める。

イ 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について

本願商標の指定役務は、前記のとおり、第35類「広告,アンケート調査及びこれに関する情報の提供(インターネットを利用するものを含む),経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん,コンピュータデータベースへの情報構築又は情報編集,その他の文書又は磁気テープのファイリング,求人情報の提供」及び第41類「大学及び大学入試に関する情報の提供,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」であるところ、これらの役務は、引用商標の指定役務中、第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,求人情報の提供」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」とは、同一または類似の役務である。

ウ 小括

以上のとおり、本願商標と引用商標とは類似する商標であり、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務は同一または類似する役務であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標は図案化された双葉のマークと欧文字「umenavi」とが結合されたものであり、当該双葉のマークを真っ先に文字であると認識する人は少ない。先頭部の上側部分のようなマークは、「双葉」を表すものとして周知であり、一般需要者は、「双葉マーク」であると認識する。したがって、本願商標は、「ウメナビ」の称呼を生じ、「梅のナビゲーション」の観念を生じる旨、主張している。

しかしながら、本願商標の先頭部は、上側半分は双葉状に描いているといえるとしても、左右の斜め上方向にやや細長く左右対称に描いてなるものであって、その接点部から下側に垂直に棒状に線を描き、全体として、「Y」の文字の基本的な特長と同様の特長を有するものであり、構成する文字の先頭の文字を図案化して表すことが普通に行われていることからすると、特に先頭部の下側部分がそれに続く文字の書体と同様に表されていることも相まって、その先頭部が「Y」の文字を図案化したものと理解され、認識されるというべきである。したがって、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標は「Yumenavi」の文字を表したものと直ちに認識し得るものと認められる。したがって、本願商標は、「ウメナビ」の称呼及び「梅のナビゲーション」の観念を生じるということはできない。

イ 請求人は、本願商標と引用商標とでは外観が大きく異なるものであり、商標の類否は、単純に称呼の類否のみによって判断されるものではなく、外観の相違も重要な要素となる。本願商標と引用商標とは、外観ばかりでなく、称呼及び観念において相違するものであり、外観が著しく相違する点を考慮すれば、非類似の商標である旨、主張している。

しかしながら、前記のとおり、本願商標と引用商標は,外観は相違するものであるが、同一の称呼、観念を生じるものであり、これを総合的に考察し、類似の商標と判断されるものである。

ウ 請求人は、本願商標を学生(主に高校生)に学業や進学に関する情報を提供するサービスに使用するものであり、本願商標を(若干使用態様を異なるものを含む。)をカタログ、ホームページ、パンフレットに使用しているほか、本願商標を使用した、高校生が興味を持つ言葉に対する解説を期した「ワードアプローチシート」を平成21年度は全高校生の4%に配布しているものであり、高校生は、本願商標に係る請求人のサービスを知っていると考えられる。また、本願商標に係るサービスを展開しているにもかかわらず、他者の役務と混同を生じたというような問題の発生はない。引用商標の商標権者は、生活関連の情報提供役務を行っており、「アンケート調査及びこれに関する情報の提供」や「大学や大学入試に関する情報の提供」等本願商標が指定する役務には使用していない。また引用商標の実際の使用態様は、ロゴ化等がなされ本願商標との外観の違いは顕著である。本願商標と引用商標とでは実際に使用する役務が異なっており、かつ、商標の使用態様も全く異なるため、需要者間で両商標の誤認混同が生じるおそれはない旨、主張している。

しかしながら、請求人が提出するカタログ等で請求人が使用している商標の先頭部は、その上側部分の2つの葉形部分は、一方が左側やや上方向に伸びているのに対し、右側は45度の方向に伸びて、先端部の高さが左右大きく異なり、それぞれの葉形も左側は、ややずんぐりとしているのに対し、右側の葉形はややほっそりとしているものであり、また、下側部分も葉形の接点部は極めて細くし、やや左方向の下方に向かってだんだんと太くなるように描いてなるものであって、左右対称の印象を与えるものではなく、本願商標とは明らかに相違するものである。したがって、本願商標が高校生の間に広く知られているとは認めることができない。

また、請求人は、カタログ等における上記商標や「夢ナビ」の商標を前記請求人の行っているサービスに使用していることは認められるものの、商標の類否判断に当たって考慮すべき取引の実情とは、その指定役務全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に当該商標が現在使用されている役務についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではないと解すべきところ、本願商標の指定役務は、請求人の実際に行っていると認められる役務以外に広範囲に指定されているものである。

してみれば、本願商標をその指定役務に使用された場合、引用商標とその出所について誤認、混同を生ずるおそれがあることは否定できない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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